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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2012900307 | 審決 | 商標 |
異議2012900220 | 審決 | 商標 |
異議2012900265 | 審決 | 商標 |
異議2012900206 | 審決 | 商標 |
異議2012900292 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 |
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管理番号 | 1271277 |
異議申立番号 | 異議2012-900157 |
総通号数 | 160 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-04-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-06-08 |
確定日 | 2013-03-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5476410号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5476410号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5476410号商標(以下「本件商標」という。)は、「SWISS MILITARY」及び「by Grovana」の文字を二段に書してなり、平成23年2月3日に登録出願、第14類「スイス製の時計並びにこれらの部品及び付属品」を指定商品として、同年11月28日に登録査定、同24年3月9日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)国際登録第755695号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2004年(平成16年)5月17日に国際商標登録出願(事後指定)、第14類「Watches and watch parts; all the above goods of Swiss origin.」をはじめとする、第16類、第25類及び第30類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年3月18日に設定登録されたものである。 (2)国際登録第865908号商標(以下「引用商標2」という。)は、直線を挟み「SWISS MILITARY」及び「HANOWA」の文字をその上下に書した構成からなり、2005年(平成17年)9月29日に国際商標登録出願、第14類「Clocks and other chronometric instruments as well as parts thereof, of Swiss origin.」を指定商品として、平成18年10月13日に設定登録されたものである。 (引用商標1及び2をまとめていうときは、以下、単に「引用商標」という。) 3 登録異議申立ての理由 (1)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、申立人が製造・販売する腕時計に長年使用され、申立人の業務に係る腕時計を表示するものとして本件商標の出願の日前から日本において周知である「SWISS MILITARY」及び「スイスミリタリー」と類似である。また、本件商標の指定商品と上記申立人の商品は同一又は類似の関係にある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は「SWISS MILITARY」の文字部分が商標の要部として把握される商標であるから、「スイスミリタリー」の称呼を生じるものであり、一方、引用商標はいずれも「スイスミリタリー」の称呼を生じるから、両者は称呼及び観念において類似の関係にある。また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中第14類に属する商品は同一又は類似の関係にある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標、「SWISS MILITARY」及び「スイスミリタリー」の周知性について 申立人の主張、その提出に係る甲第5号証ないし甲第31号証(枝番号を含む。)及び職権調査によれば、以下のとおりである。 申立人は、我が国において、1995年に申立人の「SWISS MILITARY」に係る時計について代理店アミタ株式会社と販売に関する契約書を交わし(甲8)、その後、申立人の業務に係る時計は日本全国の約170店の時計店・時計売場及びインターネットを通じても販売されていること(甲22、23)が認められる。 しかしながら、引用商標、「SWISS MILITARY」及び「スイスミリタリー」(以下、これらをまとめて「申立人商標」という。)の使用に係る時計の宣伝広告の状況は、雑誌の広告について、メンズノンノ3件(2006年11月号、同12月号及び2007年1月号、甲21の1ないし3)が提出されているにとどまるものであり、その他に雑誌、新聞、テレビCMによる宣伝活動が行われた実情を見いだせない。また、申立人商標が表示された商品カタログが2006年から2011年にかけて年2万部ないし4万5千部印刷されていること(甲14?20)が認められるが、その頒布状況(頒布方法、地域、期間等)を裏付ける証拠の提出はなく、また、上記印刷部数は、全国で販売されている申立人の業務に係る時計について頒布するものとして決して多いものとはいえない。 そして、申立人は売上高が2006年から2010年にかけて毎年2億4千万円超である(甲24)と主張するが、それが我が国における申立人商標の使用に係る実績であるか否か不明であり、仮に、そうであるとしても、その額及び約3万2000本/年とする販売個数について、スイス時計協会FH作成による「スイス時計輸入の推移」(March 2012)(http://www.fhs.jp/Importstatistics/AnnualReport2011.pdf)による、2006年ないし2011年における我が国のスイス時計の輸入額が1300億円超/年(輸入数約135万本/年)であることを考慮すると、上記実績をもって申立人商標の使用に係る商品が需要者の間に広く認識されているとまでいうことはできないとみるのが相当である。 さらに、「輸入時計総合カタログ」(社団法人日本時計輸入協会発行、2004年から「時計ブランド年鑑」と改題)及び「外国ブランド権利者名簿」(社団法人日本輸入団体連合会発行)において「SWISS MILITARY」及び「スイスミリタリー」の文字が使用されていること(甲25、甲27)が認められるが、上記カタログ等の頒布状況は不明であり、また、それらにおいて申立人の業務に係る時計は、その他多数の輸入時計の中の一つとして掲載されているにすぎないものであるから、これにより直ちに申立人商標が我が国の需要者の間に広く認識されていると認めることはできないものである。 したがって、申立人提出の全証拠を総合してみても、申立人商標は、本件商標の登録出願の時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されている商標と認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第10号について 上記(1)のとおり、「SWISS MILITARY」及び「スイスミリタリー」の文字は、本件商標の登録出願の時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と認められないものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。 (3)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「SWISS MILITARY」及び「by Grovana」の文字からなり、その構成中「SWISS」の文字は「スイス(製)の」の意味を有し、また、「MILITARY」の文字は「軍隊、軍隊(用)の」の意味を有する語であること明らかである。 そして、「スイス」は世界でも有数な時計生産国であり、また、基本的な腕時計の機能に加え、クロノグラフや気圧測定機能などを備えた多機能で丈夫な時計を「ミリタリーウォッチ(military watch)」として取引されている実情があることから、本願商標の構成中「SWISS MILITARY」の文字は、その指定商品との関係において、「スイス製のミリタリーウォッチ」程の意味合いを容易に認識させるものであり、自他商品の識別標識としての機能が極めて弱いか、あるいはその機能を果たしえないものとみるのが相当である。 そうすると、本願商標は、構成全体として把握されるほか、構成中の「(by) Grovana」の文字部分が独立して商品の出所表示標識としての機能を果たすものというべきであり、殊更に、「SWISS MILITARY」の文字を分離・抽出し、これより生ずる称呼及び観念により取引に資されるということはできないものであって、また、その他に、該文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も見出せない。 してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「スイスミリタリーバイグロバナ」の称呼のほかに「(バイ)グロバナ」の称呼を生じるものである。また、その構成中「Grovana」の文字部分は特定の意味を有する語として認識されているものとも認められないから、本件商標は、特定の観念を生じないものであるというべきである。 イ 引用商標 引用商標1は、別掲1のとおりの構成からなり、「SWISS MILITARY」の文字部分が、その指定商品中第14類「Watches and watch parts; all the above goods of Swiss origin.」との関係において、上記アで述べた理由と同様に、自他商品の識別標識としての機能が極めて弱いか、あるいはその機能を果たしえないものである。 そうとすると、引用商標1は、その構成中の図形部分が商品の出所表示標識機能を有するものであるというべきであり、該図形部分は一般に親しまれた称呼及び観念を有すると認めることはできないから、引用商標1は、特定の称呼及び観念を生じないものであるというのが相当である。 また、引用商標2は、前記2(2)のとおりの構成からなり、構成中の「SWISS MILITARY」の文字部分から、その指定商品との関係において、上記アで述べた理由と同様に、「スイスミリタリー」の称呼は生じないというべきである。 したがって、引用商標2は、その構成文字全体に相応して「スイスミリタリーハノワ」の称呼のほかに「ハノワ」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じないものであるというべきである。 ウ 本件商標と引用商標との対比 (ア)外観 本件商標と引用商標は、図形(直線)の有無などその構成態様が明らかに相違に、互いに見誤るおそれはない。 したがって、本件商標と引用商標は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上相紛れるおそれはないというべきである。 (イ)称呼 本件商標は、「スイスミリタリーバイグロバナ」及び「(バイ)グロバナ」の称呼を生じるものである。 一方、引用商標1は、特定の称呼が生じないものであるから、本件商標と引用商標1は、称呼において相紛れるおそれはない。 また、引用商標2は、「スイスミリタリーハノワ」及び「ハノワ」の称呼が生じるものであり、本件商標と引用商標2は、その構成音数及び構成音が相違するから、本件商標と引用商標2は、それらの称呼全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤られるおそれはないというべきである。 (ウ)観念 本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、本件商標と引用商標は、観念上比較することはできず、互いに相紛れるおそれはない。 (エ)以上によれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (オ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反してされたものではないから、 同法第43条の3第4項の規定に基づき維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(引用商標1) |
異議決定日 | 2013-02-26 |
出願番号 | 商願2011-6945(T2011-6945) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(X14)
T 1 651・ 262- Y (X14) T 1 651・ 261- Y (X14) T 1 651・ 263- Y (X14) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎、白鳥 幹周 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 堀内 仁子 |
登録日 | 2012-03-09 |
登録番号 | 商標登録第5476410号(T5476410) |
権利者 | グロバナ ウオッチ カンパニー リミテッド |
商標の称呼 | スイスミリタリーバイグロバナ、スイスミリタリー、ミリタリー、バイグロバナ、グロバナ |
代理人 | 涌井 謙一 |
代理人 | 山本 典弘 |
代理人 | 柳町 亜友美 |
代理人 | 鈴木 一永 |
代理人 | 津国 肇 |
代理人 | 鈴木 正次 |
代理人 | 柳橋 泰雄 |
代理人 | 特許業務法人 津国 |
代理人 | 山村 大介 |