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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z2930
管理番号 1271216 
審判番号 取消2012-300495 
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-06-15 
確定日 2013-03-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第1488400号の1の1商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1488400号の1の1商標(以下「本件商標」という。)は、「極」の漢字を書してなり、昭和52年10月31日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年11月27日に設定登録された。
その後、商標権の存続期間の更新登録及び分割移転、並びに平成13年6月5日の指定商品の書換登録により、指定商品は、第29類「卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物但し、肉製品,加工水産物(かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのりを除く。)を除く」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,おでん,お好み焼き,焼きそば,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」となったものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標は、その指定商品中、第29類『卵,食用魚介類(生きているものを除く),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物但し、肉製品,加工水産物(かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのりを除く)を除く』及び第30類『コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,おでん,お好み焼き,焼きそば,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定商品中の上記商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれも使用した事実は存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨、述べた。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。
1 被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その取消しに係る指定商品中の「焼きのり、味付けのり」について使用しており、これを証するため商品を掲載したカタログ、取引伝票類の写しを提出する(乙1ないし乙3)。
その使用態様は、本件商標と社会通念上同一といえる範囲のものである。
また、被請求人は、本件商標に関し、その取消しに係る指定商品中の「穀物の加工品(うどんのめん,そうめんのめん,そばのめん,他)」につき通常使用権を許諾し、通常使用権者は本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用しており、これを証する商品を掲載したカタログ、取引伝票類の写しを提出する(乙4ないし乙7)。
その使用態様は、登録商標と社会通念上同一といえる範囲のものである。

2 乙各号証の説明
(1)「焼きのり、味付けのり」についての使用について
ア 乙第1号証の1は、「家庭用総合カタログ(おいしさの追求)」の2012年1月版であり、裏表紙の右下隅に「12.01」と記載されているとおり、2012年1月現在の被請求人の家庭向け商品を掲載するカタログである。
カタログの5頁から17頁までにわたって、商品写真と共に商品コード、商品内容、価格、その他の商品情報が詳細に掲載されている。5頁には商品コード「4652」、商品名「焼極5枚」及び商品コード「4651」、商品名「焼極10枚」として商品「焼のり」が掲載されており、その包装表面には「極」の文字が表されていることが見てとれる。この文字はいわゆる行書体であるが、明らかに「極」の文字であると判読できるものであって、本件商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
また、6頁には商品コード「3112」、商品名「味極6袋」、商品コード「3111」、商品名「味極8袋」、商品コード「2101」、商品名「味極4束」、商品コード「3103」、商品名「味極64枚(卓上タイプ)」として商品「味のり」が掲載されており、その包装表面には「極」の文字が表されていることが見てとれる。この文字はいわゆる明朝体で明らかに「極」の字であると判読できるものであって、本件商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
また、商品コード「1348」、商品名「味極8切48枚卓上用」として掲載の商品「味のり」の包装表面には「極」の文字がいわゆる行書体で表されていることが見てとれ、明らかに「極」の字であると判読できるものであって、本件商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
なお、被請求人の商品においては通常一般に「味付けのり」といわれる商品につき「味のり」の名称を使用しているものである。
イ 乙第1号証の2の1は、「家庭用総合カタログ(おいしさの追求)」の2012年7月版であり、裏表紙の右下隅に「12.07」と記載されているとおり、2012年7月現在の被請求人の家庭向け商品を掲載するカタログである。これの5頁及び6頁には乙第1号証の1と全く同一の商品が同一の配置で掲載されている。
ウ 乙第1号証の2の2は、「株式会社ヤラカス館本店」発行の「納品書(控)」であり、乙第1号証の2の1として提出の「家庭用総合カタログ(おいしさの追求)」の2012年7月版が2012年7月2日に「ニコニコのり株式会社」に納品されたものであることを立証する。商品名欄には「総合カタログ/2012年秋冬」と記載されている。
エ 乙第2号証の1は、「商品写真」(平成24年7月27日撮影、撮影者:藤田特許法律事務所内「馬渕 健」)であり、掲載の商品のうち商品コード「4652」の商品「焼のり」の細部を明らかにするために参考として提出する。
包装の表面に「極」の文字がいわゆる行書体にて表示されていることがはっきりと見てとれる。また、裏面右上には「極」の文字がいわゆる明朝体にて表示されていることがはっきりと見てとれる。いずれも、明らかに「極」と判別可能な文字であって本件商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
さらに、包装の表面に「賞味期限2013.2.9」と表示されていることが見て取れる。乙第1号証の1及び2にて提出の商品カタログに掲載の商品コード「4652」の商品「焼のり」の商品情報に掲載されているとおり、この商品の賞味期限は9ヶ月であり、この期間を逆算して本撮影商品は2012年5月中旬頃に製造され、販売に供されたものであることがわかり、本件商標が本件審判の請求の登録前に使用されたことを示すものである。
オ 乙第2号証の2は、「商品写真」(平成24年7月25日撮影、撮影者:藤田特許法律事務所内「馬渕 健」)であり、乙第1号証の1及び2に掲載の商品のうち商品コード「3112」の商品「味のり」の細部を明らかにするために参考として提出する。
包装の表面及び裏面に「極」の文字がいわゆる明朝体にて表示されていることがはっきりと見てとれる。明らかに「極」と判別可能な文字であって、登録商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
さらに、包装の正面に「賞味期限2013.2.15」と表示されていることが見て取れる。乙第1号証の1及び2にて提出の商品カタログに掲載の商品コード「3112」の商品「味のり」の商品情報に掲載されているとおり、この商品の賞味期限は9ヶ月であり、この期間を逆算して本撮影商品は2012年5月中旬頃に製造され、販売に供されたものであることがわかり、本件商標が本件審判の請求の登録前に使用されたことを示すものである。
カ 乙第3号証は、被請求人より三菱商事株式会社関西支社宛に2012年6月30日締にて請求された「請求書」の一部写しである。
同書面には「取扱店名 三菱食品株式会社 近畿RDC」とあり請求先とは異なるが、この会社は被請求人が特約店契約をしている三菱商事株式会社の指定する取扱店であり、請求書は取扱店を明記したうえで一括して三菱商事株式会社関西支社あてとする取り決めとなっている。
添付の請求明細書に見られるように商品の出荷日付(日付と記載)、発送場所、商品コード、区分、品名、数量などが記載され、その取引の内容がわかる。
一例を示せば、「PAGE1/13」に、2012年6月1日に被請求人の九州工場から商品コード「2101」の「味極4束」40個入り1梱、及び商品コード「3112」の「味極6袋」20個入り4梱が三菱食品株式会社近畿RDC宛に出荷され、2012年6月30日締にてその金額が請求されたことが見てとれる。
さらに、同年6月4日には商品コード「1348」の「味極8切48枚卓上」15個入り1梱、商品コード「4652」の「焼極5枚」20個入り2梱、商品コード「2101」の「味極4束」40個入り1梱及び商品コード「3112」の「味極6袋」20個入り4梱が同様に出荷され、30日締にてその金額が請求されたことが見てとれる。
同様の記載は、同年6月6日、同年6月8日と相次いで見られるものであり、これらの商品の取引がこれらの日時に実際にあったことがわかるものである。
(2)「穀物の加工品(うどんのめん,そうめんのめん,そばのめん,他)」についての使用について
ア 乙第4号証の1は、平成22年3月1日付け締結の被請求人が「株式会社なごやきしめん亭」との間に交わした本件商標の商標権に関する通常使用権許諾契約書の写しである。
商標権の表示には本件商標の登録番号が記載され、指定商品「穀物の加工品(うどんのめん、そうめんのめん、そばのめん、他)となっており、更に第1条の2(○内に2)には通常使用権者の商品として「うどんのめん」「ひやむぎのめん」「そうめんのめん」「きしめんのめん」「ざるうどんのめん」と記載されていて、これらの商品について「株式会社なごやきしめん亭」との間に通常使用権契約が成立していることがわかる。
イ 乙第4号証の2の1ないし6は、「商標通常使用権使用権料の請求書兼納品書(控え)コピー及び当座勘定照合表」であり、被請求人が通常使用権者「株式会社なごやきしめん亭」に請求した通常使用権料の請求書の写し及びそれに対する通常使用権者からの振込みがあったことを示す銀行口座の当座勘定照合表である。
これら6通にて、平成22年4月1日から現在に至るまで通常使用権契約が有効に存続していることが分かる。
ウ 乙第5号証は、「商品パンフレット(家庭用商品ご案内)」であり、通常使用権者「株式会社なごやきしめん亭」の発行する家庭向け商品を掲載する現行のパンフレットである。
その商品掲載面には「極きしめん」「極うどん」「極太うどん」「極ひやむぎ」「極そうめん」「極ざるうどん」の各商品の商品写真と共に商品情報が詳細に掲載されている。それらの包装表面には、「極」の文字が表されていることが見てとれる。この文字はいわゆる行書体で明らかに「極」の字であると判読できるものであって、本件商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
エ 乙第6号証の1は、「商品写真」(平成24年7月27日撮影、撮影者:藤田特許法律事務所内「馬渕 健」)であり、乙第5号証に掲載の商品のうちの「極うどん」の細部を明らかにするために参考として提出する。
包装の表面に「極」の文字がいわゆる行書体にて表示されていることがはっきりと見てとれる。明らかに「極」と判別可能な文字であって、登録商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
さらに、包装の裏面に「賞味期限2013.12.13」と表示されていることが見て取れる。乙第5号証にて提出の商品パンフレットに掲載の商品「極うどん」の商品情報に掲載されているとおり、この商品の賞味期限は18ヶ月であり、この期間を逆算して本撮影商品は2012年6月中旬頃に製造され、販売に供されたものであることがわかり、本件商標が本件審判請求前に使用されたことを示すものである。
オ 乙第6号証の2は、「商品写真」(平成24年7月27日撮影、撮影者:藤田特許法律事務所内「馬渕 健」)であり、乙第5号証に掲載の商品のうちの「極そうめん」の細部を明らかにするために参考として提出する。
包装の表面に「極」の文字がいわゆる行書体にて表示されていることがはっきりと見てとれる。明らかに「極」と判別可能な文字であって、登録商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
さらに、包装の裏面に「賞味期限2014.5.31」と表示されていることが見て取れる。乙第5号証にて提出の商品パンフレットに掲載の商品「極うどん」の商品情報に掲載されているとおり、この商品の賞味期限は2年であり、この期間を逆算して本撮影商品は2012年5月末頃に製造され、販売に供されたものであることがわかり、本件商標が本件審判請求前に使用されたことを示すものである。
カ 乙第7号証は、「請求書兼納品書(写)」で、通常使用権者(株式会社なごやきしめん亭)より田中ユタカ(愛知県名古屋市在住)宛に2012年6月11日付けにて納品し請求された請求書兼納品書の写しであり、「極うどん」「極そうめん」が納品されその金額が請求されており、商品取引が実際にあったことがわかる。

3 まとめ
以上をもって、被請求人及びその通常使用権者が本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、取消を求める指定商品において使用したことを立証する。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)について
ア 乙第1号証の1は、「ニコニコのり株式会社」の「おいしさの追求」と題する「家庭用総合カタログ」であるところ、その裏表紙の右下隅には「12.01」と記載されており、2枚目(5頁)の上部左側の商品の写真の包装袋には、「極/きわみ/有明産焼きのり」と表記され、また、3枚目(6頁)の上部左側の商品の写真の包装袋には、「味のり/極/きわみ」と表記されている。なお、それぞれの表示は、「極」の漢字のみが格別大きく表されている。
イ 乙第1号証の2の1は、アと同様の「家庭用総合カタログ」であるところ、その裏表紙の右下隅には「12.07」と記載されており、2枚目(5頁)及び3枚目(6頁)には、アと同一の商品の写真が掲載されている。
ウ 乙第1号証の2の2は、被請求人「ニコニコのり株式会社」宛の「株式会社ヤラカス館本店」の「納品書」の写しであるところ、年月日の項に「2012/07/02」、品名の欄に「総合カタログ/2012年秋冬」の記載があり、検収欄には押印がなされている。
エ 上記アないしウの商品カタログの裏表紙の日付け及び納品書の年月日よりすれば、乙第1号証の1及び2の商品カタログは、2012年1月及び7月に作成されたものと認められる。
したがって、商標権者は、「焼きのり、味付けのり」について、2012年1月及び7月の商品カタログ(乙1の1及び2)により、「極」の標章を付した商品の広告(商標法第2条第3項第8号)を行ったと認められるものである。そして、「焼きのり、味付けのり」は、本件請求に係る指定商品中、第29類の「加工水産物,但し、加工水産物(かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのりを除く。)を除く」の範ちゅうに含まれる商品である。
また、商品の包装袋に極めて大きく表記されている筆字風の標章「極」は、本件商標と書体を異にするものの、同一の文字よりなるものであるから、社会通念上同一の商標と認められる。
(2)乙第4号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)について
ア 乙第4号証の1は、商標権者と「株式会社なごやきしめん亭」とが平成22年3月1日付けで契約した「商標通常使用権許諾契約書」の写しであるところ、商標権の表示の項に「商標登録第1488400の11 『極』、商品の区分第30類 指定商品:穀物の加工品(うどんのめん、そうめんのめん、そばのめん、他)」と表記され、その第1条に、乙(株式会社なごやきしめん亭)が製造し販売する「うどんのめん」「ひやむぎのめん」「そうめんのめん」「きしめんのめん」「ざるうどんのめん」について、本件商標の使用を認めることが記載されている。
イ 乙第4号証の2の1ないし3は、2010(平成22)年3月1日付け、2011(平成23)年3月1日付け及び2012(平成22)年2月29日付けの商標権者から「株式会社なごやきしめん亭」宛の「請求書兼納品書(控え)」であり、振込先銀行として「りそな銀行」、コード、商品名の欄に「対象:商標登録第1488400の11『極』/使用許諾料」、使用期間として「平成22年4月1日?平成22年3月31日」、「平成23年4月1日?平成24年3月31日」及び「平成24年4月1日?平成25年3月31日」の各記載がある。
ウ 乙第4号証の2の4ないし6は、「りそな銀行 難波支店」から商標権者宛の「当座勘定照合表」であり、各当座勘定照合表の「22/03/31」、「23/03/31」、「24/03/30」の日付けの摘要の欄には「振込 カ)ナゴヤキシメンテイ」又は「振込 カブシキガイシャ ナゴヤキシメンテイ」がそれぞれ記載されている。
エ 乙第5号証は、「株式会社なごやきしめん亭」の「家庭用商品ご案内商品」の表題のある商品パンフレットであり、2枚目の商品掲載面の下段部に「極きしめん」「極うどん」「極太うどん」「極ひやむぎ」が、また、3枚目には「極そうめん」「極ざるうどん」の各商品の写真が掲載され、「極うどん」及び「極そうめん」の賞味期限が「18ケ月」及び「2年」であることが掲載されている。
オ 乙第6号証の1は、乙第5号証のパンフレットに掲載された商品「極うどん」の現物の写真と認められるところ、商品の表面には「極/うどん」の文字が表示され、裏面には「賞味期限2013.12.13」と表示されている。なお、前記エのとおり、「極うどん」の賞味期限が「18ケ月」であることからして、本商品は「2012.6.13」ころに製造、販売されたことが推認できる。
また、乙第6号証の2も、乙第5号証のパンフレットに掲載された商品「極そうめん」の現物の写真と認められるところ、商品の表面には、「極/そうめん」の文字が表示され、裏面には「賞味期限2014.5.31」と表示されている。なお、前記エのとおり、「極そうめん」の賞味期限が「2年」であることからして、本商品は「2012.5.31」ころに製造、販売されたことが推認できる。
カ 上記アないしウによれば、本件商標について「株式会社なごやきしめん亭」に対し通常使用権が許諾され、その使用許諾料が支払われていることが確認できるものであるから、「株式会社なごやきしめん亭」は、本件商標の通常使用権者と認められるものである。
そして、上記エ及びオによれば、通常使用権者は、「うどん麺、そうめん」について、2012年5月及び6月ころには商品の包装に標章(本件商標)を付する行為(商標法第2条第3項第1号)を行ったと推認できるものであり、当該「うどん麺、そうめん」は、本件請求に係る指定商品中、第30類の「穀物の加工品」に含まれる商品である。
また、これらの商品の包装袋に表記されている筆字風の標章「極」は、本件商標と書体を異にするものの、同一の文字よりなるものであるから、社会通念上同一の商標と認められる。
(3)以上によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録(平成24(2012)年7月3日)前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品中第29類の「加工水産物,但し、加工水産物(かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのりを除く。)を除く」に含まれる「焼きのり、味付けのり」について、また、通常使用権者は、請求に係る指定商品中第30類の「穀物の加工品」に含まれる「うどん麺、そうめん」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたといえるものである。

2 請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

3 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者及び通常使用権者がその請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る指定商品についての登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2013-01-07 
結審通知日 2013-01-09 
審決日 2013-01-23 
出願番号 商願昭52-77385 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z2930)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 内山 進
前山 るり子
登録日 1981-11-27 
登録番号 商標登録第1488400号の1の1(T1488400-1-1) 
商標の称呼 キョク、ゴク、キワメ 
代理人 河野 広明 
代理人 松浦 昌子 
代理人 藤田 邦彦 
代理人 藤田 典彦 

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