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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない X28 審判 査定不服 観念類似 登録しない X28 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X28 |
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管理番号 | 1271169 |
審判番号 | 不服2010-23771 |
総通号数 | 160 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-10-05 |
確定日 | 2013-02-18 |
事件の表示 | 商願2008-86840拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ニュー トラッド」の片仮名及び「NEW TRAD」の欧文字を上下二段に書してなり、第9類、第28類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成20年10月27日に登録出願されたものである。 その後、本願の指定商品及び指定役務は、平成21年6月18日及び同22年10月5日付けの手続補正書により、最終的に第28類「スロットマシン,スロットマシン周辺機器,スロットマシン用メダル」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定で引用した登録第5327363号商標(以下「引用商標」という。)は、「TRAD」の欧文字及び「トラッド」の片仮名を上下二段に書してなり、平成20年6月27日に登録出願、第28類「スロットマシン,その他の遊戯用器具,ビリヤード用具」を指定商品として、同22年6月4日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について 本願商標は、前記1のとおり、「ニュー」と「トラッド」の文字及び「NEW」と「TRAD」の文字との間に1文字程の間隔を空けて「ニュー トラッド」の片仮名及び「NEW TRAD」の欧文字を上下二段に書してなるところ、「ニュー」及び「NEW」の文字部分と「トラッド」及び「TRAD」の文字部分が外観上分離して看取され得るものである。 そして、その構成中の「ニュー」及び「NEW」の文字部分は、「新しいさま」を意味する語として、我が国ではよく知られている語であり、当該文字は、各種の商品に係る取引において、その商品が新規のものであること、あるいは、既存のものに改良等を加えた新たなものであること等を表示する際に普通に用いられる語であるといえ、その指定商品との関係においても、別掲に示すとおり、その商品が既存のものに改良等を加えた新たなものである「新型」の商品を表す語として一般に使用されているといえることから、該語は、すなわち、商品の品質を表示するものと認められるものといい得るから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。 そうとすれば、本願商標は、常に一体のものとしてのみ理解認識されるものとはいい難く、その構成中「トラッド」及び「TRAD」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を有する部分とみるのが相当であって、本願商標に接する取引者、需要者は、該文字部分をもって取引に資することも少なくないといえるものである。 以上からすると、本願商標は、該文字部分に相応して、「トラッド」の称呼をも生ずるというべきであり、また、「トラッド」及び「TRAD」の文字は、「伝統的な」を意味する語として知られていることから、「伝統的な」の観念を生ずるものである。 他方、引用商標は、前記2のとおり、「TRAD」の欧文字及び「トラッド」の片仮名を上下二段に書してなるから、その構成文字に相応して「トラッド」の称呼を生ずるものであり、また、「伝統的な」の観念を生ずるものである。 そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は、「ニュー」及び「NEW」の文字の有無に差異があるとしても、前記したとおり、該文字は、その商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有しないものといい得るものであるから、「トラッド」の称呼、「伝統的な」の観念を共通にするものであり、また、独立して自他商品識別標識として機能する片仮名「トラッド」及び欧文字「TRAD」の部分をともに有するものであるから、外観においても近似するものである。 したがって、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観において近似する類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に同一の商品が包含されているものである。 (2)請求人の主張について 請求人は、本願商標が請求人のスロットマシンの名称であって、看板商品の一つとして人気を博しており(甲第1号証ないし甲第26号証)、常に「ニュートラッド/NEWTRAD」と一連の態様で取り扱われてきたことから、本願商標は、一連の表示として認識把握されるとみるのが相当である旨、及び本願に係る商品の主たる需要者層は、パチスロをする者及びパチンコ店であって、専門の知識を有する者であるから、該需要者の商品選択の際の注意力は高いため、その称呼及び外観において明確な差異を有する両商標を判別することは容易である旨主張する。 しかしながら、請求人提出の甲第1号証ないし甲第26号証をみると、「ニュートラッド」、「ニュートラッド1」及び「スロットニュートラッド」等の使用は認められるものの、本願商標の使用は見いだせなく、また、例えば、「パチスロ必勝ガイドMAX」(平成21年5月1日発行、甲第4号証)の133頁には「伝統の尚球社ブランドが復活!/ニュートラッド」の記載とともに「トラッドシリーズの最新作『ニュートラッド』は・・・」の記載があり、「パチンコ・パチスロ総合コミュニティサイトpachinkoVista.com」のウェブサイト(2010年9月21日紙出力、甲第21号証)には、「NEWS詳細」の見出しの下、「2009.03.30(Sat)/岡崎産業『スロットニュートラッド』試打レポート」の項に「本機はその名の通り、同社の看板作品であるトラッドシリーズの最新作で・・・」の記載があることから、「ニュートラッド」の片仮名からは、「トラッドシリーズの最新作」程の意味合いを認識させることも少なくないといえる。 また、本願の指定商品を取り扱う業界においては、上記のとおり、「ニュー」及び「NEW」の文字が、既存のものに改良等を加えた新たなものである「新型」の商品を表す語として一般に使用されている実情があることから、本願商標に接する取引者、需要者は、トラッドシリーズの新型機種程の意味合いを容易に認識するものといえ、そのうえ、本願商標を常に不可分一体のものとして観察しなければならない特段の事情も見いだせないことから、請求人の主張は採用することができない。 さらに、請求人は、別件無効審判請求事件(無効2010-890078)及びその審決取消請求事件(平成23年(行ケ)第10137号判決)において、「TRAD」及び「トラッド」の文字を上下二段に書してなる商標と「ニュートラッド」とは類似する旨の主張をしているところ、本願商標が引用商標と類似しないと主張することは、禁反言に違反するものであるから、請求人の上記主張を認めることはできない。 (3)まとめ したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1.「パチンコ・パチスロ産業フェア2002 最新機種1000台以上ずらり」(2002.8.29 日本工業新聞 1頁)の見出しの下、「安心で安全なNEWパチンコ、NEWパチスロをテーマにした遊技業界最大の総合展示会『パチンコ・パチスロ産業フェア2002』(主催・全国遊技機組合連合会など)が二十八日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕した。会場には新型パチンコ機七百四十五機種、新型パチスロ機四百機種がずらりと並び、最先端の周辺機器やシステムを二百三社が出展。開場と同時に業界関係者が詰めかけ、最新鋭機にチャレンジし、出来映えを確認していた。」の記載がある。 2.株式会社サミーネットワークスの2006年9月8日付けの「Sammy NetWorks-NEWS RELEASE」には、「PCパチスロオンラインゲーム『777タウン.net』へ/オリンピアの人気機種『New島唄-30』が新登場!」の見出しの下、「『777タウン.net』では、『パチスロ北斗の拳』などサミーブランドの人気機種3機種で、2005年8月より有料サービスを開始し、今回の『New島唄-30』の投入により、全21機種でお楽しみいただけます。」の記載がある(http://www.sammy-net.jp/news/pdf/20060908123436.pdf)。 3.「フリー百科事典『ウィキペディア』」において (1)「島唄30」の見出しの下、「島唄30(しまうた)はオリンピアが発売した沖スロ。ストックタイプでパトロット搭載1号機。使われているパトロットはその後発売された『南国育ち』や『ニュー島唄30』よりも大きなものが使用され、リール窓上の筺体の1/3近くを占めていた。」の記載、及び「後継機」の項目中に「なお、このシステムを継承した沖スロがニュー島唄30である。」の記載(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E5%94%8430)がある。 (2)「ニューペガサス」の見出しの下、「概要」の項目中に「パル工業がリリースした1号機『ペガサス』(1986年発売)の基盤改修後の1.5号機。」の記載がある(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9A%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%82%B9)。 (3)「ニューパルサー」の見出しの下、「ニューパルサー(NEW PULSAR)は、1993年に山佐が開発・販売したパチスロ機である。」の記載、及び「山佐初の4号機」の項目中に「0号機時代から同社のロングシリーズとして存在したパルサーシリーズ。・・・そして、4号機時代となりその路線を変更することなく同社初の4号機として『ニューパルサー』が登場した。」の記載がある(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%BC)。 (4)「ラッキーチャンス」の見出しの下、「ラッキーチャンスは、尚球社(現:岡崎産業)が1995年に発売したパチスロ(4号機)。同機種のマイナーチェンジバージョンであるハットトリックA(1995年発売)、ニューラッキーチャンス(1996年発売)についてもこの記事で説明する。」の記載があり、「目次」の項目中に「■2兄弟機」として「■2.1ハットトリックA」及び「■2.2ニューラッキーチャンス」の記載があり、「ニューラッキーチャンス」の項目中に「筺体パネルのデザインは同じだが、色がラッキーチャンスの黒主体から赤主体に変更された。絵柄も7やBAR、チェリーが変更されたほか、0枚小役がかつて同社が発売していたチャレンジマンで使われていたスマイリーの『ピコ』に変更された。」の記載がある(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9)。 |
審理終結日 | 2012-12-17 |
結審通知日 | 2012-12-18 |
審決日 | 2013-01-08 |
出願番号 | 商願2008-86840(T2008-86840) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X28)
T 1 8・ 261- Z (X28) T 1 8・ 262- Z (X28) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 敬規 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 酒井 福造 |
商標の称呼 | ニュートラッド、トラッド |
代理人 | 新池 義明 |