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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25 |
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管理番号 | 1271161 |
審判番号 | 取消2011-300423 |
総通号数 | 160 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-04-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2011-05-06 |
確定日 | 2013-02-22 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4730695号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4730695号商標(以下「本件商標」という。)は、「Sebiliya」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年3月19日に登録出願、第25類「ティーシャツ,スウェットシャツ,セーター,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同15年12月5日に設定登録されたものである。 なお、本件審判請求の登録は、同23年5月25日にされている。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。 本件商標は、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれの者も使用しておらず、不使用が日本国内において3年以上継続している。 なお、請求人は、被請求人の答弁及び口頭審理における陳述に対して、何ら弁駁をしていない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁及び口頭審理における陳述において、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。 1 答弁の理由 (1)通常使用権者による商標使用の事実 被請求人は、本件商標登録後、平成18年9月過ぎまで本件商標を指定商品中の「第25類 セーター(被服)」等について自ら使用していたが、本件審判請求の登録の日、すなわち平成23年5月25日より前3年の間(以下「要証期間」という。)は、通常使用権者である株式会社セビリア(以下「セビリア」という場合がある。英語名称:Sebiliya)を専ら通じて本件商標をセーター(被服)等に使用し、現在まで使用を継続している。それらの事実を立証する証拠方法として、乙第2号証ないし乙第5号証を提出する。 乙第2号証は、被請求人が本件商標のタグ及び襟ネームを付した「女性用セーター」を中国で製造後、同18年(2006年)9月、香港を経由して我が国に輸入(商標法第2条第3項第2号)した際のインボイス等の輸入書類と商品サンプル台帳の写しである。 乙第3号証は、本件商標を付した商品等の輸入販売会社として昭和59年に設立されたセビリアを介し、同20年(2008年)9月(日本への到着は、同年12月)、上記と同じ本件商標のタグを付した「女性用セーター」を香港から我が国に輸入した際のインボイス等の取引書類と商品サンプル台帳の写しである。セビリアは、本件商標の設定登録と同時に被請求人から本件商標の使用権を許諾された通常使用権者である。添付の取引書類には、輸入主体である通常使用権者の名称であり、かつ、自他商品の識別標識でもある「SEBILIA」(審決注:「SEBILIYA」の誤記と認められる。以下同じ。)が記載されていることから、当該書類を頒布する行為は、商標法第2条第3項第8号の使用にも該当する。 乙第4号証は、同22年(2010年)9月、セビリアが、本件商標のタグ及び襟ネームを付した「女性用セーター」を香港から我が国に輸入した際のインボイス等の取引書類と商品サンプル台帳の写しである。乙第3号証と同様、当該取引書類にも輸入主体の名称であり、かつ、商品の出所表示である「SEBILIA」が記載されている。 乙第5号証は、同18年以降、同20年、同22年を経て現在まで継続して使用している本件商標の付された女性用セーターの商品タグ及び衿ネームのサンプルである。 なお、被請求人である株式会社スカーレル(以下「スカーレル」という。)と通常使用権者であるセビリアは、両社の代表取締役社長が親子の関係にあること等から、本件商標の設定登録時(同15年12月5日)、書面による商標使用権許諾契約書を作成していなかった。念のため、かかる使用許諾契約が当事者間で有効に成立し、存続していることを証明するため、商標使用権許諾契約証明書を乙第6号証として提出する。 (2)結論 以上により、被請求人の通常使用権者が、商品「セーター(被服)」について要証期間内に日本国内において本件登録商標を使用している事実が明らかにされた。 2 口頭審理(平成24年8月24日付け口頭審理陳述要領書)における陳述 (1)乙第2号証ないし乙第5号証の関連性等について ア 乙第2号証ないし乙第4号証に添付の「商品サンプル台帳」は、問屋や小売店等の顧客との商談の際に、被請求人の商品を説明するために用いる他、出荷業務や在庫を管理する際に参照するものである。 イ 乙第5号証に添付のプラスチック製の「カードケース」(商品タグ)に入った「ラベル」(商標、サイズ及び品質等の表示ラベル)及び「衿ネーム」は、上記セーターが製造される中国の工場(台湾籍の法人Realton Limitedが所有する)において付され、香港を経由して日本に輸入される。 ウ 乙第2号証ないし乙第4号証の「インボイス」中の「Description of Goods」欄の四桁の数字と各商品サンプル台帳中の「No.」欄に記載の四桁の数字は対応している。すなわち、乙第2号証中の商品サンプル台帳の「6802」、「6822」及び「6825」は「Description of Goods」欄に記載される同じ数字と、乙第3号証中の商品サンプル台帳の「8807」、「8811」及び「8817」は「Description of Goods」欄に記載される同じ数字と、乙第4号証中の商品サンプル台帳の「1012」、「1024」及び「1060」は「Description of Goods」欄に記載される同じ数字と、それぞれ対応する。なお、これらの数字が一致することは税関を通過するための条件である。 今般、乙第3号証及び乙第4号証の「インボイス」中のその他の四桁の数字に対応する商品サンプル台帳をそれぞれ追加して提出する(乙7及び乙8)。 エ 乙第2号証ないし乙第4号証の「商品サンプル台帳」における展開色欄の直下の「No.」欄に記載の二桁の数字と、乙第5号証中の「ラベル」に記載された「No.」の数字とは対応していない。 「商品サンプル台帳」における展開色欄の直下の「No.」欄に記載の二桁の数字は、その右に大きく表示される商品サンプルの色の種類を表わす。その下の複数のサンプル写真の直下の数字と同様であり、これを基に顧客から注文を受け納品する。 (2)乙各号証に関連する書類の提出及び事項の説明 ア 乙第5号証のラベルに表示された「N0.1081」の商品に対応するインボイス等、商品サンプル台帳、及び、売上伝票(いずれも平成22年のもので要証期間内のもの)を提出する(乙9)。「N0.1081」は他のセーターの商品ラインと異なり、カシミヤ100%のカーディガン用の番号であるが、同じく本件商標を使用したものである。乙第5号証に貼付した「カードケース」及び「ラベル」はとカシミヤ100%の商品に用いたものであったので、同じく乙第5号証に貼付した「イタリ一系ラベル」に対応する「カードケース」及び「ラベル」は今般、乙第10号証として提出しなおす。 イ 乙第3号証及び乙第4号証のインボイス中の「Description of Goods」欄の四桁の数字(「88??」及び「10??」)に対応し、当該商品が取引されたことを証する売上伝票(有限会社ロード宛て)及び納品書(株式会社清水屋及び「あかのれん」社宛て)を提出する(乙11)。 エ 実際に取引した商品のサンプル(「衿ネーム」を確認できるもの)を、口頭審理の当日に持参する予定である。 (3)上記以外で本件商標が使用されている証拠として、本件商標のタグおよび衿ネームを付した「女性用セーター」を中国で製造後、同21年(2009年)8月から9月にかけて三回に分けて輸入した際のインボイス等の輸入書類と商品サンプル台帳の写しを提出する(乙12)。 当該インボイス中の「Description of Goods」と当該商品サンプル中の四桁の数字はそれぞれ対応している。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実を認めることができる。 (1)乙第5号証は、大きく表された「Sebiliya」の文字と小さく表された「COLLECTION」の文字が二段に刺繍された「襟ネーム」の現物、同じく、表側の中央に大きな「Sebiliya」の文字と小さな「COLLECTION」の文字が金色で表示されたプラスチック製の「カードケース」(裏側にラベルが入っている。)の現物、上記カードケースに入れられた「ラベル」の現物が、台紙に貼付されている。そして、上記のラベルには、「Sebiliya」、「NO.1081」、「QUAL.カシミヤ 100%」、「Made in China」の表示がなされている。 (2)乙第6号証は、スカーレルとセビリアが商標使用権許諾契約を締結し、現在も有効であることを証明する2011年7月26日付けの両者による「商標使用権許諾契約証明書」である。 (3)乙第9号証は、乙第5号証のラベルに表示された「NO.1081」の商品に対応する「インボイス」、「商品サンプル台帳」及び「売上伝票」である。 インボイスは、日付が「SEP.27,2010」であり、「MESSER」(輸入者)欄に「SEBILIYA」及び住所の記載、「FROM」(出港地)欄に「TIANJIN PORT」(天津港)の記載、「DESCRIPTION」(説明)欄に「LADIE’S SWEATERS」、「1081」等の記載がある。 商品サンプル台帳は、「No.1081」、「品名 無地丸首カーディガン」、「品質 カシミヤ 100%」の記載、及び色の異なる数種類の同商品の写真が掲載されている。 売上伝票の1枚目には、「間瀬株式会社 様」、「株式会社 セビリヤ」(以下「セビリヤ」という場合がある。)、「22年11月17日」、「伝票番号/202138」、「商品コード・品番・品名等」欄に「1081」、「数量」欄に「21」等の記載がある。 2 前記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。 なお、被請求人の主張及び提出された証拠中には、「株式会社セビリア」と「株式会社セビリヤ」の記載があるところ、両表記は、同一の会社であると推認される。 (1)使用の時期について 乙第5号証及び乙第9号証によれば、セビリヤは、「女性用セーター」を中国より船便で輸入したことが認められる(乙9、2010年9月27日のインボイス)。そして、該「女性用セーター」には、本件商標が表示された襟ネーム及びカードケース・ラベルが付されていることが優に推認できるものである(乙5)。 そして、乙第9号証の売上伝票によって、セビリヤは、上記で輸入した本件商標が表示された襟ネーム及びカードケース・ラベルが付されている「女性用セーター(カーディガン)」を要証期間内の平成22年11月17日に間瀬株式会社に販売したものである。 (2)使用者について 乙第6号証の「商標使用権許諾契約証明書」によれば、セビリアは、本件商標の使用権許諾契約を締結し、スカーレルによって、平成15年12月5日より通常使用権者として黙示の許諾があったと認め得るものである。 (3)使用に係る商品について 本件商標が使用されている商品は、「女性用セーター(カーディガン)」であるから、第25類の「被服」の範ちゅうに属する商品と認められるものである。 (4)使用に係る商標について 商品に付された襟ネーム及びカードケース・ラベルにおける使用商標は、「Sebiliya」の文字を普通に表示してなるものであるから、標準文字である本件商標と社会通念上同一の商標と認めることができる。 (5)小括 上記した事実によれば、本件商標が付された「女性用セーター(カーディガン)」が中国より輸入され、要証期間内の平成22年11月頃に、日本国内の間瀬株式会社に販売されたものであるから、その使用は、商標法第2条第3項第2号における、商品に標章を付したものを譲渡し、譲渡のために輸入する行為に該当するものと認めることができる。 3 むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品「被服」に含まれる「女性用セーター(カーディガン)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2012-09-28 |
結審通知日 | 2012-10-03 |
審決日 | 2012-10-16 |
出願番号 | 商願2003-21851(T2003-21851) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Y25)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 石井 千里 |
特許庁審判長 |
水茎 弥 |
特許庁審判官 |
渡邉 健司 井出 英一郎 |
登録日 | 2003-12-05 |
登録番号 | 商標登録第4730695号(T4730695) |
商標の称呼 | セビリヤ |
代理人 | 吉川 俊雄 |
代理人 | 吉川 俊雄 |
代理人 | 吉川 俊雄 |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |