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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X09
審判 査定不服 観念類似 登録しない X09
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない X09
審判 査定不服 外観類似 登録しない X09
管理番号 1269649 
審判番号 不服2012-3561 
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-02-24 
確定日 2013-01-31 
事件の表示 商願2010-63882拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「XLR」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年8月12日に登録出願、その後、原審における同23年5月30日付け及び同年9月22日付けの手続補正書により、最終的に、第9類「半導体,集積回路」と補正されたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5233093号商標(以下「引用商標」という。)は、「XLR8」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年9月19日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同21年5月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記第1のとおり、「XLR」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字より、「エックスエルアール」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。
他方、引用商標は、前記第2のとおり、「XLR8」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これを構成する「XLR」と「8」の各文字は、欧文字と数字であり、かつ、「XLR」の文字は、特定の観念を生じない造語と理解されるものであるから、これらが結合して特定の意味合いを生ずるものとはいい難く、常に一体不可分のものとして把握すべき特段の事情も見いだし得ないものである。
そして、その構成中の数字「8」は、一般に自己の生産又は販売に係る商品の型式、規格等を表示するための記号、符号として商取引上類型的に使用されているのが実情であって、引用商標の指定商品に含まれる「マイクロプロセッサ」を取り扱うこの種業界においても例外でなく、1桁の数字が取引上普通に使用されていることが、以下のインターネット情報からも裏付けられるところである。
(1)ARM Holdingsのウェブサイトには、プロセッサの項目中に、同社のプロセッサの型式、規格等を表すために1桁の数字を用いた「ARM7」、「ARM9」の記載がある(http://www.arm.com/ja/products/processors/index.php)。
(2)インテルのウェブサイトには、同社のプロセッサの型式、規格等を表すために1桁の数字を用いた「Core i5」、「Core i7」の記載がある(http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/processors/core/core-i5-processor.html)(http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/processors/core/core-i7-processor.html)。
そうすると、引用商標は、その構成中の「XLR」の文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、該文字部分をもって取引にあたることも少なくないものとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字全体に相応して「エックスエルアールエイト」の一連の称呼が生ずるほかに、「XLR」の文字部分に相応して「エックスエルアール」の称呼が生じるものであって、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、その全体の構成において相違するものの、「XLR」の文字を共通にする点において、近似するものである。
次に、称呼においては、両商標は「エックスエルアール」の称呼を同一にするものである。
さらに、観念においては、両商標はともに造語であり、特定の観念を生じるものとはいえないから比較し得ないものである。
してみれば、本願商標と引用商標は、観念において比較し得ないものであるとしても、外観において「XLR」の文字部分において共通にするものであり、称呼において「エックスエルアール」の称呼を共通にするものであるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
2 本願商標及び引用商標に係る指定商品の類否について
商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否は、取引の実情に照らし、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断されるべきである(東京高等裁判所、平成15年(行ケ)第456号参照)。
本願商標の指定商品は、前記第1のとおり、第9類「半導体,集積回路」とするものである。
他方、引用商標の指定商品は、前記第2のとおり、第9類「電子応用機械器具及びその部品」とするものである。
ところで、引用商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」は、商標法施行規則第6条別表及び「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準に例示されているものであり、「電子応用機械器具(代表的な商品は、電子計算機)」はもとより、「電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。),電子計算機用プログラム」等を包括する商品表示として、理解、採択されているものである。
そして、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第9版対応〕特許庁商標課編」(発明協会発行)によれば、該「電子応用機械器具及びその部品」は、「この概念には、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものだけが含まれる。」と記載されている。
また、工業統計調査、生産動態統計調査等に用いられるものであって、商品の生産・流通等の実態を考慮して作成されている「日本標準商品分類(平成2年6月改訂)」(http://www.stat.go.jp/index/seido/syouhin/2index.htm)において、「大分類5-情報・通信機器」の下には、中分類の「52 電子計算機及び関連装置」「53 プログラム」「55 電子部品」等があり、中分類「55 電子部品」の下には、小分類の「55 1 電子管」「55 2 半導体素子」「55 3 集積回路(能動成分を含む。)」等が置かれている。
そこで、本願商標の指定商品「半導体,集積回路」と、引用商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれると解される「電子応用機械器具,電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。),電子計算機用プログラム」(以下「電子応用機械器具及びその部品に含まれる商品」という。)との具体的な類否関係について検討する。
「半導体,集積回路」と電子応用機械器具及びその部品に含まれる商品は、実際に同一メーカー(例えば、東芝、富士通など)により製造及び販売される商品であることが、以下のインターネット情報により、容易にうかがい知ることができる。
(1)株式会社東芝のウェブサイトの「製品・サービス一覧(50音順)」の項目中に、「パソコン(企業向け)」「パソコン(個人・家庭向け)」「電子管(医用管、電力管)」「半導体」「情報セキュリティサービス」等が取扱い製品として記載されている(http://www.toshiba.co.jp/product/list_j.htm)。
(2)富士通株式会社のウェブサイトの「製品」の項目中に、「パソコン」「電子デバイス、半導体」「ソフトウェア」等が取扱い製品として記載されている(http://jp.fujitsu.com/products/#p-40)。
そうとすると、「半導体,集積回路」と電子応用機械器具及びその部品に含まれる商品とは、ともに、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであって、かつ、その生産部門及び販売部門を同じくするものであり、これらの取引の実情に照らせば、両者は、類似する商品と判断すべきものであるといえる。
したがって、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。
なお、請求人は、本願商標の指定商品は、「電子計算機」等の電子機器だけでなく、産業機器、家電品、携帯電話等にも用いられるものであって、これと引用商標の指定商品に含まれる「電子計算機」との関係において、両者は、必ずしも生産部門・販売部門が一致せず、品質・原材料、用途、需要者が異なり、さらに、完成品と部品との関係にあるとはいえない旨主張しているが、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」とが、ともに電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としている商品であって、その生産部門及び販売部門が一致することから、両者は類似の商品と判断せざるを得ないことは上記のとおりであり、その主張を採用することはできない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標は、観念については比較することができないとしても、外観が近似し、称呼において同一の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、本願商標と引用商標とは、商品の出所の混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-08-16 
結審通知日 2012-08-24 
審決日 2012-09-13 
出願番号 商願2010-63882(T2010-63882) 
審決分類 T 1 8・ 264- Z (X09)
T 1 8・ 261- Z (X09)
T 1 8・ 263- Z (X09)
T 1 8・ 262- Z (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 敬規矢澤 一幸 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 山田 和彦
堀内 仁子
商標の称呼 エックスエルアアル 
代理人 飯田 伸行 

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