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審決分類 審判 一部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X11
審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X11
審判 一部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X11
管理番号 1269645 
審判番号 無効2012-890060 
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-03-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-07-20 
確定日 2013-01-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第5177304号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5177304号の指定商品中、第11類「乗物用発電ランプ,自動車用ヘッドランプ,二輪自動車用ヘッドランプ」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5177304号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成20年1月24日に登録出願され、第11類「乗物用発電ランプ,自動車用ヘッドランプ,二輪自動車用ヘッドランプ」及び第12類「自動車,自動車の部品及び附属品,二輪自動車,二輪自動車の部品及び附属品,自動車用バックミラー,自動車用サイドミラー,自動車用方向指示器,自動車用テールランプ,二輪自動車用サイドミラー,二輪自動車用方向指示器,二輪自動車用テールランプ,二輪自動車用エンジンカバー」を指定商品として、同20年9月18日に登録査定、同年10月31日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が、本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第5029585号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成18年6月1日に登録出願され、第11類「電球類及び照明用器具」を指定商品として、同19年3月2日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
(1)本件商標と引用商標との対比
ア 本件商標と引用商標の商品の区分及び指定役務について
本件商標と引用商標の役務の区分は、国際分類第11類で同一であり、その指定商品は「電球類及び照明用器具」と「乗物用発電ランプ,自動車用ヘッドランプ,二輪自動車用ヘッドランプ」という差異を有するものの、それらは類似する商品である。
イ 本件商標と引用商標との構成態様について
本件商標は、黒猫の顔であって、目が白抜きされてなる図形商標であって、当該外観構成態様からは、「黒猫(BLACK CAT)」の外観及び観念が生じ、また、これに相応して、「クロネコ」若しくは「ブラックキャット」の称呼が生ずる。
一方、引用商標は、黒塗りされた横長長方形の中央に輪郭が白抜きされた黒猫の顔が配されており、その目が白抜きされてなる商標であって、当該外観構成態様からは、「黒猫(BLACK CAT)」の外観及び観念が生じ、また、これに相応して、「クロネコ」若しくは「ブラックキャット」の称呼が生ずる。
ウ 本件商標と引用商標との類否
(ア)外観
本件商標と引用商標とは、黒塗された横長長方形の有無において差異を有する。しかしながら、一般的に枠は商標を識別するうえにおいては重要な要素ではなく、需要者は、その枠の中に表された図形を看取し他の商標と識別するものである。そうであるならば、引用商標の構成中、「黒塗りされた横長長方形」は他の商標との識別上重要な構成要素ではなく、「黒塗りされた横長長方形」の中に配された「黒猫の顔」が自他識別標識として機能を果たしうる部分であると考えてしかるべきである。
また、本件商標と引用商標とは、その外観構成態様より一見して直ちに「黒猫」を描いたものと看取されうる。
さらに、「黒猫」といってもその構成態様は多種多様であるところ、本件商標と引用商標は、自他識別標識として機能を果たしうる部分において、黒猫の輪郭及び目の形と、その特徴をほぼ共通にする。
したがって、本件商標と引用商標とは外観上類似の商標である。
(イ)観念
本件商標の外観構成態様からは、「黒猫(BLACK CAT)」の観念が生ずる一方、引用商標の外観構成態様からは、上記のとおり、「黒猫(BLACK CAT)」の観念が生ずる。
したがって、本件商標と引用商標とは観念上類似する商標である。
(ウ)称呼
本件商標の外観構成態様からは、「クロネコ」若しくは「ブラックキャット」の観念が生ずる一方、引用商標の外観構成態様からは、上記のとおり、「クロネコ」若しくは「ブラックキャット」の観念が生ずる。
したがって、本件商標と引用商標とは称呼上類似する商標である。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は引用商標と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号(商標法第46条第1項第1号)に該当する商標であり、その登録は取り消されるべきものである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1 商標法第4条第1項11号の該当性について
(1)本件商標の構成について
本件商標は、ネコ科の動物の顔と思しき図形を黒塗りで表し、当該図形の中央部やや下方位置に動物の目と思しき略楕円扇形の一対の図形を白抜きで表した構成よりなるものである。
(2)引用商標の構成について
引用商標は、黒く塗り潰された横長長方形の中央に、ネコ科の動物の顔と思しき輪郭を白抜き線で表し、当該白抜き線で囲まれた図形の中央部やや下方位置に動物の目と思しき略楕円扇形の一対の図形を白抜きで表した構成よりなるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観について
請求人は、本件商標と引用商標とは、黒塗りされた横長長方形の有無において相違を有する点を認めつつも、「一般的に枠は商標を識別するうえにおいて重要な要素ではなく、需要者は、その枠の中に表された図形を看取して他の商標と識別するものである。そうであるならば、引用商標の構成中、『黒塗りされた横長長方形』は他の商標と識別上重要な構成要素ではなく、『黒塗りされた横長長方形』の中に配された『黒猫の顔』が自他識別標識として機能を果たしうる部分であると考えてしかるべきである。」と主張する。
しかしながら、引用商標における「黒塗りされた横長長方形」は、その内部に白抜き線でネコ科の動物の顔と思しき図形を描くための背景として重要な構成要素となっており、単なる枠ではない。
しかも、その横幅が、白抜き線で内部に描かれたネコ科の動物の顔と思しき図形の横幅の約2倍もあるところ、引用商標に接する取引者、及び需要者は、まず、背景として広い面積を有する黒地の横長長方形に強い印象を受けるものである。
さらに、図形商標の類否に関する審決例(異議2007-900567号(乙3)、異議2009-900162号(乙4)、異議2002-90333号(乙5)、不服2002-22255号(乙6))からすれば、引用商標に接する取引者、及び需要者は、白抜き線で内部に描かれたネコ科の動物の顔と思しき図形部分のみに着目することはなく、黒地の横長長方形内に、同一色(黒色)でネコ科の動物の顔と思しき図形が描かれたものと、すなわち、「黒塗りされた横長長方形」も引用商標の重要な構成要素であって、全体が不可分一体の商標であると把握、認識するものと判断するのが相当であると考えられる。
したがって、本件商標と引用商標との外観の類否についての請求人の主張は、本件商標と引用商標との全体的外観が与える印象が何ら反映されておらず、採用できないものである。
本件商標は、ネコ科の動物の顔と思しき図形を黒塗りで表し、当該図形の中央部やや下方位置に動物の目と思しき略楕円扇形の一対の図形を白抜きで表した構成よりなるものであり、両商標は、ネコ科の動物の顔と思しき図形を有する点において共通するところがあるにしても、本件商標と引用商標とは、外観においては、引用商標が、背景となる黒地の図形と不可分一体のものであることは上記のとおりであるから、構成態様を明らかに異にし、しかも図形全体から受ける視覚的印象も全く異にするところ、時と処を異にして両商標を離隔的に観察した場合であっても、それぞれ異なったものとして、看者に印象を与え、記憶されると見るのが相当であり、外観において相紛れるおそれはなく、両商標は判然と区別し得る外観上非類似の商標である。
イ 称呼及び観念について
請求人は、本件商標の外観構成態様からは、「黒猫(BLACK CAT)」の観念が生じ、また「クロネコ」若しくは「ブラックキャット」の称呼が生じると主張するとともに、引用商標の外観構成態様からも「黒猫(BLACK CAT)」の観念が生じ、また「クロネコ」若しくは「ブラックキャット」の称呼が生じると主張する。
しかしながら、本件商標は、ネコ科の動物の顔と思しき図形ではあるものの、写実的ではなく、図案化されたものであり、これより直ちに黒猫であることを想起させるものではないから、本件商標は、特定の称呼、観念を生ずるとは認められない。
また、引用商標は、上記したように全体が不可分一体の商標と把握、認識するものと判断するのが相当である。そうとすれば、たとえ白抜き線の輪郭が、「ネコ科の動物の顔と思しき図形」と想起し得るとしても、商標の類否判断においては、引用商標は、特定の称呼及び観念を生じないものというべきである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、直ちに特定の称呼及び観念を生ずることはないものと認められるから、称呼及び観念については比較すべくもなく、相紛れるおそれのないものである。
したがって、本件商標と引用商標とが、称呼及び観念上類似する商標であるとする請求人の主張は認められない。
また、本件商標と引用商標とが非類似の商標であることは、特許庁における本件商標の審査過程(乙1、乙7)を見ても明らかなように引用商標が存在している状況下で、商標法第4条第1項第11号に該当するという拒絶理由通知を何ら受けることなく本件商標が登録されている事実からして、明白である。
本件商標を審査した審査官は、上記した審決例(乙3ないし乙6)等の内容を十分に認識したうえで、本件商標と引用商標とが非類似の商標であり、本件商標を登録すべきものと、判断されたものと思料する。
(4)まとめ
上記のとおり、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼、及び観念において類似するものではなく、他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき格別の理由も見出せない。
したがって、本件商標は、引用商標とは、その外観、称呼、及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本件商標は、引用商標との関係で第11類に属する指定商品に関し商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標の構成について
本件商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、ネコ科の動物の顔と思しき図形を黒塗りシルエットで表してなるものである。
しかして、当該顔の左右輪郭部分は、下顎部から頭部に向けて顔の幅がやや収斂するように直線状に描かれ、その延長線上の頭頂部には、これに接して耳と思しき部分が上向き直角三角形状に左右対象に配置され、また、下顎部分は下向きに二等辺三角形状に形成されて顔の下部に接して描かれており、さらに、顔の中央部分よりやや下方には、下端部を水平にした略扇形図形をもって目と思しき図形が白抜きで左右対称に描かれてなるものである。
(2)引用商標の構成について
引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、黒塗りの横長長方形の内部に、白線の輪郭をもって、ネコ科の動物の顔と思しき図形を黒塗りシルエットで表してなるものである。
そして、当該顔の左右輪郭部分は、下顎部から頭部に向けて顔の幅がやや収斂するように直線状に描かれ、その延長線上の頭頂部には、これに接して耳と思しき部分が上向き直角三角形状に左右対象に配置され、また、下顎部分は下向きに二等辺三角形状に形成されて顔の下部に接して描かれており、さらに、顔の中央部分よりやや下方には、下端部を水平にした略扇形図形をもって目と思しき図形が白抜きで左右対称に描かれてなるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 引用商標の要部について
被請求人は、「引用商標における『黒塗りされた横長長方形』は、その内部に白抜き線でネコ科の動物の顔と思しき図形を描くための背景として重要な構成要素となっており、単なる枠ではない。しかも、その横幅が、白抜き線で内部に描かれたネコ科の動物の顔と思しき図形の横幅の約2倍もあるところ、引用商標に接する取引者、及び需要者は、まず、背景として広い面積を有する黒地の横長長方形に強い印象を受けるものであり、『黒塗りされた横長長方形』も引用商標の重要な構成要素であって、全体が不可分一体の商標であると把握、認識するものと判断するのが相当であると考えられる。」旨主張しているので、この点について検討する。
引用商標の構成は前記したように、黒塗りの横長長方形の内部に、白線の輪郭をもって、ネコ科の動物の顔と思しき図形を黒塗りシルエットで表してなるものであるところ、この黒塗りシルエット図形は、写実的な手法によるものではなく、一定の独創性を有する図形といえ、それ自体、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える外観上の特徴を有するものというべきである。
これに対して、上記の横長長方形は、内部の黒塗りシルエット図形を囲むように比較的大きく表されているものであるが、この図形は「横長長方形」であるとの装飾的な形象を呈するにすぎないものであって、それ以上に、外観・観念上、強い印象を与える図形ということはできないものである。
そして、ほかに、引用商標が常に一体不可分のものとして認識、把握されなければならない特別の理由があるとも認められない。
よって、上記の請求人の主張は採用することはできない。
そうであれば、引用商標は、それが一体的に把握、認識されるほか、上記の、看者に強く支配的な印象を与える、ネコ科の動物の顔と思しき黒塗りシルエット図形部分が視覚的に分離して看取され、これが独立して自他商品を識別する機能を有する、いわゆる引用商標の要部ということができるものである。
イ 本件商標と引用商標との類否
(ア)外観について
本件商標の外観は、前記(1)のとおりであり、また、引用商標の、前記アで判断した要部の外観は、前記(2)のとおりのものであって、本件商標と外観上ほぼ相似形をなすものであり、外観において酷似するものである。
したがって、本件商標は、引用商標の要部と外観上類似するものである。
(イ)観念及び称呼について
本件商標及び引用商標の要部は、ネコ科の動物の顔と思しき黒塗りシルエット図形よりなるものであるが、これらは、写実的な手法によるものではないことから、取引者、需要者に、ネコ科の動物の顔と思しき黒塗りシルエット図形との印象を与えるにとどまり、ここから直ちに特定の親しまれた具体的な観念及び称呼を生じさせることはないとみるのが相当である。
よって、この点に関する請求人の主張は採用することはできない。
なお、仮に本件商標から、「ネコ科の動物」との観念や「クロネコ」との称呼等が生じるとしても、当該の観念及び称呼は引用商標のそれと同一というべきであるから、下記した本件の類否判断の結論を左右するものではない。
(ウ)指定商品について
請求人が、無効にすることを求めている本件商標の指定商品、第11類「乗物用発電ランプ,自動車用ヘッドランプ,二輪自動車用ヘッドランプ」は、引用商標の指定商品、第11類「電球類及び照明用器具」中に含まれるものである。
(エ)判断
本件商標及び引用商標は、前記したように、ともに特定の称呼及び観念が生じるものとはいえず、両者は、専らその外観をもって取引に資されるものといえ、上記した両者の外観上の類似性からすれば、両商標を時と処を異にして観察するときには、互いに混同するおそれのある外観上類似の商標というべきである。
また、本件商標の指定商品中、第11類「乗物用発電ランプ,自動車用ヘッドランプ,二輪自動車用ヘッドランプ」は、引用商標の指定商品、第11類「電球類及び照明用器具」と同一又は類似するものである。
ウ 被請求人の挙げる登録異議の決定及び審決例について
被請求人は、乙第3号証ないし乙第6号証をもって、引用商標に接する取引者、及び需要者は、白抜き線で内部に描かれたネコ科の動物の顔と思しき図形部分のみに着目することはなく、黒地の横長長方形内に、同一色(黒色)でネコ科の動物の顔と思しき図形が描かれたものと、すなわち、「黒塗りされた横長長方形」も引用商標の重要な構成要素であって、全体が不可分一体の商標であると把握、認識するものと判断するのが相当であると考えられると主張している。
しかしながら、被請求人の挙げる事案は、内部の図形が互いに構成を異にする(乙3)、外側の六角図形部分が特異な形状であって当該登録商標は一体的に把握される(乙4)、図形の構成に明らかな差異がある(乙5)、互いの構成印象が相違する(乙6)とされたものであり、外側の図形が装飾的形象を呈するにすぎず、内部の図形が相似形ないし酷似する本件の場合とは、事例を明らかに異にするものであって、これらをもって本件の結論が左右されるものとはいえない。
エ したがって、本件商標は引用商標と類似する商標であって、指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第11類「乗物用発電ランプ,自動車用ヘッドランプ,二輪自動車用ヘッドランプ」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲





別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)


【参考】(引用商標の内部の抽出図形)


審理終結日 2012-12-04 
結審通知日 2012-12-07 
審決日 2012-12-18 
出願番号 商願2008-4260(T2008-4260) 
審決分類 T 1 12・ 262- Z (X11)
T 1 12・ 261- Z (X11)
T 1 12・ 263- Z (X11)
最終処分 成立 
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 前山 るり子
内山 進
登録日 2008-10-31 
登録番号 商標登録第5177304号(T5177304) 
代理人 駒津 啓佑 
代理人 井内 龍二 
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