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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X33
審判 査定不服 観念類似 登録しない X33
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X33
管理番号 1269619 
審判番号 不服2012-16036 
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-08-17 
確定日 2013-01-24 
事件の表示 商願2010- 84959拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「のぼうの城」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第14類、第16類、第28類、第30類、第32類、第33類及び第41類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成22年11月1日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、同23年4月4日付け及び同24年8月17日付けの手続補正書をもって、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第5490983号商標(以下「引用商標」という。)は、「のぼうの城」の文字と、その下に比較的小さく書した「のぼうのしろ」の文字を二段に横書きしてなり、平成22年7月22日に登録出願、第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、同24年5月11日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、前記1のとおり「のぼうの城」の文字からなり、該文字に相応して「ノボウノシロ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり「のぼうの城」と「のぼうのしろ」の文字を二段に書してなり、その構成文字に相応して「ノボウノシロ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、それぞれの構成は上記のとおりであって、外観においては、「のぼうの城」の文字部分を共通にする類似の商標といえる。
次に称呼においては、両者は、前記のとおり「ノボウノシロ」の称呼を共通にし、観念においては、特定の観念を生じるものとはいえないから比較し得ないものである。
そうとすると、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、取引の実情を考慮すれば、その観念において比較し得ないものであるとしても、外観において「のぼうの城」の文字を共通にし、称呼を共通にする両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、商標の類否判断においては、具体的な取引の実情を参酌すべきであるとし、そして、商標法の目的(第1条)を達成する意図もない商標については、商標法の保護を与えるべきではなく、権利濫用の法理は、先後願においても当然に認められるものであり、引用商標は悪意で出願されたものであるので、商標法第4条第1項第7号、同第19号に該当して無効理由を有し先願としての地位を有さず、同法第4条第1項第11号に規定する先登録商標としての地位を認めること自体失当であるし、悪性の強い商標は、先願としての地位を主張すること自体権利濫用行為であり、商標法の趣旨からすれば、本件においては、登録の審決を行うべきである旨主張している。
しかしながら、取引の実情に照らしてみても、同一構成文字からなる本願商標と引用商標において、その商品の出所の混同のおそれはないとすべき特別な事情が存在するとは認められない。
さらに、商標法が商標登録について無効の審判の制度を設けていること、及び商標法第4条第1項第11号の文言は、そこにいう「他人の登録商標」となるための要件として「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る」ものであること以外には何も定めていないことからすれば、引用商標について、将来においてその登録を無効とする審決がなされ、同審決が確定した場合は別として、それまでは、引用商標が同号にいう「他人の登録商標」に当たるというべきであり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録をすることはできない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)証人尋問について
また、請求人は、株式会社TBSテレビの社員2者の証人尋問を申し立てているが、尋問事項は、甲第1号証の「著作物『のぼうの城』に関する報告書」や甲第34号証の「『請求人と引用商標の商標権者とのこれまでの交渉経過』を内容とする報告書」等としているところ、これらの事実が結論に影響を及ぼすものとは認められず、かつ、本件については上記のとおり判断し得るものであるから、当合議体は、これら2者の証人尋問は必要ないものと判断した。
(4)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-11-15 
結審通知日 2012-11-20 
審決日 2012-12-07 
出願番号 商願2010-84959(T2010-84959) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X33)
T 1 8・ 263- Z (X33)
T 1 8・ 262- Z (X33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉岡 めぐみ冨澤 美加金子 尚人 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 梶原 良子
高野 和行
商標の称呼 ノボウノシロ、ノボーノシロ 
代理人 大西 育子 
代理人 安原 正義 

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