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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117
管理番号 1269549 
審判番号 取消2012-300047 
総通号数 159 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-03-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2012-01-25 
確定日 2013-01-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第1564422号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1564422号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1564422号商標(以下「本件商標」という。)は、「LATICRETE」の文字を横書きしてなり、昭和53年7月4日に登録出願、第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年1月28日に設定登録され、その後、平成5年12月22日及び同14年11月19日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年4月7日に、指定商品を第17類「セメント・モルタル・その他の建築用又は構築用材料に使用される高分子物質混合物からなるラテックス(原料),ゴム基礎製品,その他のゴム」とする指定商品の書換の登録がされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)弁駁の理由
ア 取引書類について
被請求人は、平成23年11月15日付けのインボイス(写し:乙2)における使用商標の表示が商標法第2条第3項第8号の使用に該当する旨述べる。
しかしながら、仮に当該インボイスが真正な取引書類であるとしても、これのみでは、外国に所在する法人と国内に所在する法人との間に1回限りの取引が存在したことが推測されるにすぎない。すなわち、日本国内における商標の使用に該当するためには、その取引に係る商品の日本国内での流通を目的とすることが必要と解されるところ、上記インボイスのみでは、当該取引が、国内流通を前提とする取引であるのか否かが不明であり、送付先である「ARC&TEC Co.,Ltd.」がその後、当該商品を国内向けに販売したことも証明されていないから、上記インボイスの存在のみをもって、当該外国法人が通常使用権者として、日本国内において使用商標を主体的かつ実質的に使用したと捉えることはできない。さらに、本件審判の請求直前の1回限りの取引をもって、使用商標が、通常使用権者又は商標権者によって、本件審判の請求の登録(平成24年2月10日)前3年以内に継続して使用されたと認めることは妥当でない。
イ 使用に係る商品について
被請求人が使用商標を付した商品と述べる「254 Platinum」(以下「使用商品」という場合もある。)は、以下のとおり、商品区分第17類に属する「ラテックス(原料)」ないし「ゴム」ではなく、むしろ、第19類に属すべき建築用モルタル材料であって、本件商標に係る指定商品に該当するものではない。
(ア)乙第4号証ないし乙第6号証には、「THIN-SET MORTAR(thinsetモルタル)」の一般名表示や、「polymer fortified、thin-set mortar(ポリマー強化されたthinsetモルタル)」との記述があり、使用商品がモルタルであることが明示されている。乙第5号証の用法説明には、水を加えて混練するという、モルタルならではのいわゆる「水練り」の作業工程が記載されている。他方、ラテックスはゴムの水分散体であり、本来、接着や硬化のために水を加える必要のないものである。
(イ)また、乙第4号証には、「LATICRETE 254 Platinum is a LATICRETE approved substitute for LATICRETE 211 Powder mixed with LATICRETE 4237 Latex Additives」との記載があり、使用商品は、別途存在する「LATICRETE4237」なるラテックス添加物が混合される「LATICRETE 211」なるパウダーの代替品、と説明されている。
このように、これらの商品説明からは、使用商品がラテックス原料やゴムとして取引されている事情を把握することができない。むしろ、ポリマー強化された建築用のモルタル材料として取引されているというべきである。
この点、本件商標に係る指定商品「セメント・モルタル・その他の建築用又は構築用材料に使用される高分子物質混合物からなるラテックス(原料)」とは、モルタル等の建築材料に添加される前段階のラテックスそのものを意図したものであって、上記のようなポリマー強化された建築用のモルタル材料を含まないことは明らかである。同様に、かかるモルタル材料が、その他の指定商品「ゴム基礎製品、その他のゴム」に該当しないことも明らかである。
(ウ)さらに、ニース国際分類第17類の類見出しによれば、「ゴム、グタペルカ、ガム、石綿及び雲母並びにこれらを材料とする商品であって他の類に属しないもの」とある一方、第19類の類見出しによれば、「金属製でない建築材料」との記載がある。使用商品は、非金属製の建築材料として、むしろ第19類に属するべきであって、「他の類に属しないもの」が属する第17類から予め除外されているというべきである。
事実、商標権者は、本件商標と同一の商標に係る登録第1517170号を有しており(甲1)、その指定商品が第19類「陶磁製タイル・レンガ・石及びその他の表面被覆材の取付用のモルタル・グラウト及びセメント、・・・その他の瀝青ポリウレタン製・ラテックスモディファイド製及び液状ゴム製の建築用又は構築用の専用材料」と表現されていることを考慮すると、商標権者が、ラテックスとモルタルとをプレミックスした建築用材料を第19類に該当すると予め意図していたことが容易に推測される。
(エ)ところで、被請求人は、使用商品について、「ラテックス材料に予めモルタル材料をプレミックスした建築用材料」と述べているが、被請求人が提出するいずれの証拠にも、「ラテックス材料」や「ゴム」が使用商品に予め混合されていることの記述はなく、「polymer fortified(ポリマーで強化された)」との説明があるのみである。すなわち、ラテックス材料に予めモルタル材料をプレミックスした、という被請求人の主張を裏付ける証拠は一切提出されていない。
よって、使用商品は、本件商標に係る指定商品に該当しないと思料する。
ウ 以上のとおり、乙各号証は、本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の日本国内における指定商品についての使用事実を立証するものではない。

3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
(1)商標権者
商標権者は、さまざまな建築用材料、資材ないし備品の開発、製造、販売を行う建築資材メーカーであり、商標権者が提供する建築用材料、資材ないし備品の一例としては、建物の床断熱用資材「Floor HEAT Mat」や壁材用モルタル材料(「LATICRETE Sure Set」、「LATICRETE 4-XLT」)などが挙げられる(乙1)。本件商標を付した商品「LATICRETE 254 Platinum」(使用商品)もその一つである。
(2)使用の事実
ア 乙第2号証は、使用商品が上海のディストリビューター「上海雷帝建筑材料有限公司」を通じて日本に納品されたことを示すインボイス(写し)である。なお、上記「上海雷帝建筑材料有限公司」は、商標権者のアジア地域の正規のディストリビューターである(乙3)。
イ 上記インボイスの左上部分に、使用に係る商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。使用商標は、若干のフォント上の相違はあるものの、商標法第50条第1項にいう「登録商標と社会通念上同一と認められる商標」に該当する。そして、このインボイスは、本件審判の請求の登録前3年以内の2011年11月15日のインボイスデートを有しており、その販売先及び送付先は、日本の東京都品川区上大崎所在の「ARC&TEC Co.,Ltd.」であり、取引書類に該当する。
したがって、インボイスにおける使用商標の表示は、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。
ウ 乙第4号証は、使用商品に関する商品説明書であるところ、使用商品は、建物壁面に塗布し、その上にタイル、レンガ等を貼ることを可能とするラテックス材料に予めモルタル材料をプレミックスした建築用材料である。
エ 乙第5号証及び乙第6号証は、使用商品の包装材の写真及びコピーである。予めラテックス材料にモルタル材料がプレミックスされている使用商品は、建築現場における手間の軽減に大いに寄与している。その使用方法は、包装材の表面に判りやすく図示されているが、これを解説すると以下のとおりである。
(ア)表面をきれいにする。油分、ほこり、ロウは取り除く。
(イ)5.5Qts(5.2l)の水を加える。
(ウ)本商品501bs(22.7kg)を混ぜながら加える。
(エ)5?10分混練する。
(オ)壁に塗布する。
(カ)均一になるように引き延ばす。
(キ)貼付するタイル等の裏面に本製品を塗布する。
(ク)貼り付ける。
(ケ)板等で覆いながら上から叩き、定着させる。
オ このように、使用商品が「セメント・モルタル・その他の建築用又は構築用材料に使用される高分子物質混合物からなるラテックス(原料),ゴム基礎製品,その他のゴム」に該当することは明らかである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者又は商標権者により、その請求に係る指定商品中、少なくとも「第17類 セメント・モルタル・その他の建築用又は構築用材料に使用される高分子物質混合物からなるラテックス(原料),ゴム基礎製品、その他のゴム」について使用がされていたものである。

4 当審の判断
(1)本件審判において争点の一つである使用商品が本件請求に係る指定商品に属する商品であるか否かについて、以下検討する。
ア 乙第1号証、乙第4号証ないし乙第6号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)商標権者のホームページ(乙1)及び商品説明書(乙4)には、商品「254 Platinum」(使用商品)に関し、「PRODUCT DESCRIPTION/The ultimate one-step,polymer fortified,thin-set mortar for interior and exterior installation of ceramic tile,stone,quarry tile,pavers and brick.LATICRETE 254 Platinum,designed to just mix with water,has a long open time with unsurpassed adhesion and workability.LATICRETE 254 Platinum is a LATICRETE approved substitute for LATICRETE 211 Powder mixed with LATICRETE 4237 Latex Additive.」(訳(乙4):商品詳細/セラミックタイル、石、石タイル、舗装、レンガの内外装用据付に、ポリマーで強化された薄いモルタルを究極のワンステップで。LATICRETE 254 Platinumは水と混ぜるだけで長時間にわたって無類の接着力と作業性を発揮します。LATICRETE 254 PlatinumはLATICRETE 4237 ラテックス添加剤を混合したLATICRETE 211パウダーの代用品としても使用することができます。)、「Uses/Excellent for exterior and underwater applications as well as providing superior bond to exterior glue plywood(interior only)and concrete.The ultimate thin-set for porcelain and glass tiles.」(訳(乙4):使用場面/外装用、水中用の塗布に優れた効果を発揮する他、ベニヤ板(内装に限る)及びコンクリートにも優れた接着力を発揮します。)、「Advantages/・・・Ultimate adhesion for porcelain and glass tiles.Incredible bond to exterior glue plywood and concrete.Superior for exterior and submerged applications.」(訳(乙4):長所/・・・磁器製品及びガラスタイルに優れた接着力を発揮します。外装用糊合板及びコンクリートにも優れた接着力を有します。外装及び浸水する場面での使用に効果を発揮します。)などと記載されている。
(イ)使用商品の包装材の写真(乙5)及び包装材のコピー(乙6)には、使用商品の使用方法が図示されているところ、使用方法についての解説を記載した書面(乙5)には、以下の記載がある。
(a)表面をきれいにする。油分、ほこり、ロウは取り除く。
(b)5.5Qts(5.2l)の水を加える。
(c)本商品501bs(22.7kg)を混ぜながら加える。
(d)5?10分混練する。
(e)壁に塗布する。
(f)均一になるように引き延ばす。
(g)貼付するタイル等の裏面に本製品を塗布する。
(h)貼り付ける。
(i)板等で覆いながら上から叩き、定着させる。
また、乙第5号証及び乙第6号証には、英語、フランス語、スペイン語で、それぞれ「THIN-SET MORTAR」、「MORTIER A POSE SIMPLIFEE」、「MORTERO DELGADO」と記載されている。
イ 前記アで認定した事実によれば、使用商品は、セラミックタイル、石、石タイル、舗装、レンガの内外装用据付けを目的として、水5.2lに使用商品22.7kgを加えて混練し、これを壁面に塗布し、均一になるように引き延ばした後、貼付するタイル等の裏面に使用商品を塗布して貼り付ける「thin-set mortar」であり、その特長として、磁器製品及びガラスタイル、外装用糊合板及びコンクリートに優れた接着力を発揮し、また、外装及び浸水する場面での使用に効果を発揮する商品と認められ、建物等の壁面等に取り付けるタイル、石、レンガ等の、いわば接着剤としてのモルタルを主原料とする商品であるということができる。
ウ ところで、本件商標は、前記1のとおり、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行規則別表による第34類(以下「旧34類」という。)に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年1月28日に設定登録され、その後、平成16年4月7日に、指定商品を現行の第17類「セメント・モルタル・その他の建築用又は構築用材料に使用される高分子物質混合物からなるラテックス(原料),ゴム基礎製品,その他のゴム」とする指定商品の書換の登録がされたものである。そして、旧34類は、原則として中間製品又は半加工品をまとめた類であって、後の何らかの加工を施すべき材料であるから、一定の用途に使用される最終商品は含まれない類である。したがって、旧34類に属する「ゴム」も同様に、成型等の加工を何ら施さない原料としてのゴム及びその半加工品(基礎製品)である(特許庁商標課編「商品区分解説」昭和55年4月7日改訂版参照)。
そうすると、旧34類に属する商品を指定商品とし、その後、現行の第17類に属する商品を指定商品とする指定商品の書換の登録がされた本件商標の指定商品は、旧34類に属していた商品の範囲内における商品というべきであるから、成型等の加工を何ら施さない原料としてのゴム(ラテックス)及びその半加工品(基礎製品)に限定されるというべきである。
一方、使用商品は、前記イ認定のとおり、モルタルを主原料とする建物等の壁面等に取り付けるタイル、石、レンガ等の接着剤としての用途を有する商品であって、後に加工が予定されている原料としてのゴム(ラテックス)やその半加工品(基礎製品)とみることはできない。なお、被請求人は、使用商品に関し、ラテックス材料に予めモルタル材料をプレミックスした建築用材料である旨主張するが、これを裏付ける証拠は見出せない。
してみれば、使用商品は、少なくとも第17類「セメント・モルタル・その他の建築用又は構築用材料に使用される高分子物質混合物からなるラテックス(原料),ゴム基礎製品,その他のゴム」の概念に属する商品ということはできない。
エ したがって、商標権者は、本件請求に係る指定商品について、使用商標を使用していたものと認めることはできない。その他、本件商標が、商標権者により、本件請求に係る指定商品について使用された事実を認め得る証拠は存在しない。
してみれば、使用商品が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内に所在する法人に納品されたとしても、使用商品が本件請求に係る指定商品の概念に属しない商品である以上、通常使用権者が本件請求に係る指定商品について使用商標を使用したということもできない。
(2)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成24年2月10日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件請求に係る指定商品について、本件商標を使用した事実を証明し得なかったといわざるを得ない。また、被請求人は、本件商標を使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-08-16 
結審通知日 2012-08-20 
審決日 2012-09-04 
出願番号 商願昭53-49506 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (117)
最終処分 成立  
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 小川 きみえ
鈴木 修
登録日 1983-01-28 
登録番号 商標登録第1564422号(T1564422) 
商標の称呼 ラティクレト 
代理人 田中 光雄 
代理人 中山 俊彦 
代理人 勝見 元博 
代理人 鮫島 睦 
代理人 下坂 スミ子 
代理人 寺田 花子 
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