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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X43 審判 全部申立て 登録を維持 X43 審判 全部申立て 登録を維持 X43 審判 全部申立て 登録を維持 X43 審判 全部申立て 登録を維持 X43 審判 全部申立て 登録を維持 X43 |
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管理番号 | 1268515 |
異議申立番号 | 異議2012-900183 |
総通号数 | 158 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-02-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-07-06 |
確定日 | 2013-01-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5482378号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5482378号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5482378号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成23年9月7日に登録出願、第43類「飲食物の提供,やきとり料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同24年1月27日に登録査定、同年3月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下のとおりである。 ア 国際登録第1026242号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2009年(平成21年)11月3日に国際商標登録出願、第43類「Services for providing food and drink; cafeteria and restaurant services; reception and hospitality services, namely provision of food and drink; catering services; reservation of hotels and temporary accommodation.」並びに第1類、第3類ないし第7類、第9類ないし第12類、第14類、第16類ないし第19類、第25類、第28類ないし第30類、第32類、第35類ないし第42類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年9月7日に設定登録されたものである。 イ 国際登録第1026243号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、第43類「Services for providing food and drink; cafeteria and restaurant services; reception and hospitality services, namely provision of food and drink; catering services; reservation of hotels and temporary accommodation.」並びに第1類、第3類ないし第7類、第9類ないし第12類、第14類、第16類ないし第19類、第25類、第28類ないし第30類、第32類、第35類ないし第42類及び第44類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2009年(平成21年)11月3日に国際商標登録出願されたものである。 ウ 登録第3275674号商標(以下「引用商標3」という。)は、「オリンピック」の片仮名を書してなり、平成4年10月7日に登録出願、第41類「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,運動施設の提供,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,スポーツに関する講演会の企画・運営又は開催」を指定役務として、同9年4月4日に設定登録されたものである。 エ 登録第4117280号商標(以下「引用商標4」という。)は、「OLYMPIC」の欧文字を書してなり、1993年4月1日スイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、平成5年10月1日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,スポーツの企画・運営又は開催,映画の制作」を指定役務として、同10年2月20日に設定登録されたものである。 オ 登録第3264562号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成4年9月28日に登録出願、第41類「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,運動施設の提供,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,スポーツに関する講演会の企画・運営又は開催」を指定役務として、同9年2月24日に設定登録されたものである。 (2)理由の要点 ア 商標法第4条第1項第6号について 本件商標は、国際オリンピック委員会(「IOC」)により、4年に一度開催される近代オリンピック競技大会を指標するものとして長年にわたり使用されている著名なオリンピック(OLYMPIC)商標と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第6号に該当する。 イ 商標法第8条第1項について 本件商標は、申立人であるIOCが所有する、先願に係る引用商標1及び2と類似する商標であって、かつ、引用商標1及び2の指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第8条第1項に違反している。 ウ 商標法第4条第1項第10号又は同項第15号について 引用商標1ないし5は、本件商標の登録出願時点において、申立人であるIOCが開催するオリンピック競技大会を指標する商標として、わが国において著名であり、また、IOC及びIOCの関連団体は、本件商標の指定役務の分野においてライセンス事業を行なっており、本件商標の指定役務とIOCの事業とは密接な関連性を有している。 よって、本件商標に接した者は、本件商標から直ちにIOCの著名な引用商標1ないし5を連想・想起し、商標権者により提供される役務が、IOC又はその関連団体若しくは企業により提供されるものであるかの如く、役務の出所につき誤認・混同することは必定である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同項第15号に該当する。 エ 商標法第4条第1項第7号又は同項第19号について 本件商標は、オリンピック競技大会を指標する商標として国内外の需要者の間に広く認識された、IOCの著名な引用商標1ないし5を剽窃したものにほかならず、引用商標1ないし5の有する指標力・顧客吸引力及びイメージにただ乗りし、不正の利益を得る目的をもって使用するものであって、国際信義及び公序良俗に反するものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号又は同項第19号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第6号について ア 申立人提出の証拠によれば、引用商標1ないし5を構成する各標章は、非営利公益団体である国際オリンピック委員会(申立人)により、4年に一度開催される近代オリンピック競技大会を指標する標章として長年にわたり使用されていることが認められ、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章として、著名なものとなっていたと認められるものである。 イ 本件商標は、別掲(1)のとおり、上段に、赤色の7個の輪を横一列に鎖状に配置し、それらの中央を横切る黄色の線を描いた図形を配し、下段に、「やきとリンピック」の片仮名を配した構成からなるものである。 しかして、上段の図形と下段の文字とは、それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得ると認められるものであるところ、本件商標は、その構成態様からみても、また、指定役務との関連においてみても、そのいずれの部分からも特定の観念を生じることはないというのが相当であり、「やきとリンピック」の文字に相応して「ヤキトリンピック」の一連の称呼が生じるものである。 一方、引用商標3及び4は、それぞれ、その構成文字の「オリンピック」及び「OLYMPIC」から、「オリンピック」の称呼及び「オリンピック競技大会」の観念が生じること明らかというべきものである。 また、引用商標5は、別掲(4)のとおり、左から青色、黄色、黒色、緑色及び赤色の、5つの輪を、青色と黒色の輪の下方で黄色の輪を連鎖させ、黒色と赤色の輪の下方で緑色の輪を連鎖させて、5個の輪全体が連鎖するようにした図形をもって構成されるものであり、引用商標1は、別掲(2)のとおり、引用商標5を構成する標章と同じ構成態様の図形を黒一色で表したものであり、いずれも、「五輪マーク」として印象し記憶されるものである。 さらに、引用商標2は、別掲(3)のとおり、「OLYMPIC」の文字の左右に引用商標5を構成する標章と略同一の構成からなる図を配したものであり、「オリンピック」の称呼及び「オリンピック競技大会」の観念が生じ、図形部分から「五輪マーク」として印象し記憶されるものである。 しかして、本件商標の図形部分と引用商標1、2及び5を構成する図形を対比すると、鎖状の輪を配した点に共通するところがあるとしても、前者が7個の輪を横一列に配したものであるのに対して、後者は5個の輪を上段に3、下段に2となるように段差をもって配したものであること、前者には黄色い横線があるのに対し、後者には横線がないこと及び色彩が異なることの相違が認められる。 そして、これらの相違は微差とはいい難いものであり、かかる相違によって、両者の全体の印象は明らかに異なったものとして受けとめられるというのが相当であって、本件商標の図形部分と引用商標1、2及び5を構成する図形部分は、構成の軌を一にするものとは認め難く、本件商標の図形部分から五輪マークを発想するものとはいい難いから、両者が類似する標章とは認められないものである。 さらに、本件商標の文字部分についてみても、一連不可分の造語として理解されるものというのが相当であって、直ちに「オリンピック」、「OLYMPIC」と関連付けて看取される構成態様のものとはいえないものである。 ウ してみると、本件商標は、上記アの「公益に関する事業で営利を目的としないものを表示する標章であって著名なもの」に類似する商標と認めることはできないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当するものとはいえない。 (2)商標法第8条第1項について 本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、一方、引用商標1及び2は、別掲(2)及び(3)のとおりの構成からなるものである。 そこで、本件商標と引用商標1及び2とを比較するに、上記(1)イで認定のとおり、本件商標と引用商標1及び2の外観について、明らかに相違するものであるから、外観上、相紛れるおそれはない。 また、本件商標の称呼「ヤキトリンピック」と引用商標2の称呼「オリンピック」を対比しても、両者は、構成音数が相違する上、語頭音を含む「ヤキト」の音と「オ」の音の顕著な差異を有するものであるから、これらを一連に称呼した場合、全体としての音感が異なり、相紛れることなく充分に区別し得るものである。 さらに、本件商標は、いずれの部分からも特定の観念を生じさせないものであり、他方、「五輪マーク」、「オリンピック競技大会」の観念を生じる引用商標1及び2とは、観念上相紛れるおそれはないものである。 してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1及び2に類似する商標であると判断することはできないものである。 したがって、指定役務の類否について論及するまでもなく、本件商標は、引用商標1及び2をもって、商標法第8条第1項に違反して登録されたものとはいえない。 (3)商標法第4条第1項10号及び同項第15号について 引用商標1ないし5を構成する各標章は、上記(1)ア記載のとおり、著名なものと認められ、また、証拠によれば、同各標章は、申立人及び許諾を受けた者によって、各種の役務等について使用がされていることを窺い知るものである。 しかしながら、本件商標が各引用商標と類似するものとは認められないこと前記のとおりである上、本件商標が各引用商標を構成する各標章をその構成の一部に含むなど、さらに両者を関連付けてみるべき事情も認められないから、結局、本件商標と引用商標1ないし5とは別異の出所を表すものとして看取されるというべきである。 しかして、本件商標を指定役務に使用したとしても、これに接する需要者が引用商標1ないし5を想起し連想して、当該役務を申立人の業務に係る役務、あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように誤信するとは認め難いから、本件商標の登録出願時及び査定時において、役務の出所について混同を生じさせるおそれがあったとすることはできないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものとはいえない。 (4)商標法第4条第1項第19号について 引用商標1ないし5が周知・著名な標章に該当するものであるとしても、上記のとおり、本件商標は、引用商標1ないし5に類似する商標とは認められない。 したがって、不正の目的をもって使用するものに当たるか否かなど、本号所定の他の要件に言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとはいえない。 (5)商標法第4条第1項第7号について 上記のとおり、本件商標は、引用商標1ないし5とは別異の標章からなるものであるから、引用商標1ないし5を剽窃したとは認め難いものであり、引用商標1ないし5に関連して、その信用や名声等に故なく依拠し、あるいは信用や名声等を毀損するなどの不正の目的をもって使用するものであると断ずることはできないものである。 そして、本件商標は、その構成からみて、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような構成のものでないことは明らかであり、また、その使用が、法的に禁じられているとか、公正な取引秩序を乱すおそれがあったり、国際信義に反するものとなるとすべき明確な理由は見いだせない。 してみると、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標に当たるとは認められないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものとはいえない。 (6)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第6号、同項第7号、同項第10号、同項第15号、同項第19号及び第8条第1項に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (色彩については、原本参照。) (2)引用商標1(国際登録第1026242号商標) (3)引用商標2(国際登録第1026243号商標) (色彩については、原本参照。) (4)引用商標5(登録第3264562号商標) (色彩については、原本参照。) |
異議決定日 | 2012-12-25 |
出願番号 | 商願2011-64259(T2011-64259) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(X43)
T 1 651・ 25- Y (X43) T 1 651・ 4- Y (X43) T 1 651・ 22- Y (X43) T 1 651・ 21- Y (X43) T 1 651・ 271- Y (X43) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 吉野 晃弘 |
登録日 | 2012-03-30 |
登録番号 | 商標登録第5482378号(T5482378) |
権利者 | 株式会社ひびき |
商標の称呼 | ヤキトリンピック |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 加藤 ちあき |
代理人 | 中村 稔 |