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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1268499 
異議申立番号 異議2012-900143 
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-05-28 
確定日 2012-12-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5473590号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5473590号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5473590号商標(以下「本件商標」という。)は、「COOLiRMOS」の欧文字を書してなり、2010年12月16日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成23年5月9日に登録出願、第9類「電力トランジスター・変圧器を用いてなる電力変換・電圧変換・電力管理・電力供給用の電気回路,電子回路,電力トランジスター,ダイオード,変圧器,インダクター,集積回路,半導体,パッケージに組み込んだ半導体素子,電力変換装置,電圧変換装置,電力管理装置,電力供給装置」を指定商品として、同24年2月6日に登録査定、同月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4412550号商標は、「COOLMOS」の欧文字を標準文字により表してなり、平成11年10月4日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同12年8月25日に設定登録され、その後、同22年3月9日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)国際登録第832509号商標は、「CoolMOS C5」の文字を書してなり、2004年4月2日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2004年(平成16年)7月6日に国際商標登録出願、第9類「Electronic components, in particular power semiconductor devices, power transistors and switches.」を指定商品として、平成17年6月10日に設定登録されたものである。
(以下、これらをまとめて単に「引用商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、世界的に著名な半導体メーカーである。その製品中、商標「CoolMOS」のパワートランジスタ製品は、12年前の発売以来、累計35億個以上が販売され、全世界の50%のラップトップの電源部に使用実績があり、当該商標は、この分野の需要者・当業者の間で周知・著名である(甲第4号証)。
引用商標は、周知・著名である故に、たとえ商標の類似の度合いが低い場合であっても混同が容易に生じやすい。
引用商標は、「COOLMOS」又は「CoolMOS C5」の文字を書してなるから、「クールモス」の称呼が生ずる。
これに対し、本件商標は、上記1のとおり、「COOLiRMOS」の文字からなるところ、これは、引用商標と共通する文字列「COOL」と「MOS」との間に、欧文字2文字の組み合わせからなる「iR」の文字を挿入しただけの構成からなるものである。
ところで、商標権者は、同人のウェブサイトにおいて、頻繁に「IR」の略称を用いており、その略称をもって需要者・取引者に認識されていると推測できるから、本件商標の構成中の「iR」の2文字は、商標権者を表すことが明らかであって、商標の構成中に名称や略称が含まれているとき、その名称や略称部分にはあまり注意は払われず、その他の部分に自他商品識別力を発揮し得る要部が求められるものである。
そうすると、本件商標は、その構成中、商標権者を表す「iR」の文字部分より「COOL」及び「MOS」の文字部分が、自他商品識別力を発揮する要部として機能することが明白であり、本件商標と引用商標とは、本件商標の構成中にあって注目度合いが一段低い「iR」の文字部分を除けば、ともに「COOL」及び「MOS」の文字を同じくするものであって、外観上類似の商標であり、また、該文字から生ずる「クール」及び「モス」の称呼は、引用商標から生ずる「クールモス」と共通するものであって、称呼上類似の商標である。そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、互いに類似する。
してみれば、本件商標は、引用商標と外観及び称呼において類似の商標であり、その指定商品の需要者・取引者を同一とするものであるから、本件商標がその指定商品について使用されたときは、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれが極めて高く、また、本件商標の構成中、自他商品識別力を発揮する要部である「COOL」及び「MOS」の文字部分は、申立人の周知・著名商標である「CoolMOS」と一致することから、本件商標がその指定商品について使用されたときは、申立人の業務に係る商品と出所の混同を招くおそれが高い。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当し、その登録は、同法第43条の2第1号の規定により取り消しを免れない。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記1のとおり、「COOLiRMOS」の欧文字からなるところ、その構成中の「i」の文字が小文字で表されているものの、すべて同じ書体及び大きさをもって、等間隔に配置されている。
また、申立人は、本件商標の構成中の「iR」の文字部分は商標権者の略称と理解されるものである旨主張するが、商標権者のウェブサイト内におけるトップページ及び商品紹介ページの写しとされるもの(甲第5号証)において、「IR」の表示が用いられているものの、これから直ちに本件商標の構成中の「iR」が商標権者の略称を表したものとして認識されるとはいい難い。そして、ほかに上記「iR」の文字部分から特定の意味合いを想起させると認めるに足る事実も見いださせない。
さらに、本件商標の構成全体から生ずると認められる「クールアイアアルモス」又は「クーリアーモス」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすると、本件商標は、たとえその構成中の「i」の文字が小文字で表されているとしても、そのことをもって分断されるなどとはいい難く、むしろ、その構成全体をもって、一つのまとまりのある標章として看取、把握されるとみるのが相当であり、その構成中の「iR」の文字部分を捨象し、残余の「COOL」及び「MOS」の文字部分が要部となって、取引に資されることはないというべきである。
したがって、本件商標は、その構成中の「COOL」及び「MOS」の文字部分が自他商品識別力を発揮する要部として機能することを前提に、該文字部分が引用商標と一致することを理由として、本件商標と引用商標とが類似の商標であるとする申立人の主張は、その前提において誤りがあるというべきであり、採用することができず、ほかに、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の事情は見いだせない。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
申立人の提出に係る「インフィニオン、高速ボディ・ダイオード・650V『CoolMOS(TM)』(決定註:該「(TM)」の文字部分は、該「S」の欧文字の右方に、いわゆる上付き文字のように小さく表された「TM」の文字を指す。以下同じ。)を発売。エネルギー効率を世界規模で向上させる『CoolMOS(TM)』の累積生産個数は35億個を突破」を表題とする2011年(平成23年)2月7日付けのニュースリリース(甲第4号証)によれば、申立人の生産に係る「CoolMOS」と称するパワートランジスタ製品の累積生産個数が同年1月19日に35億個に達したことなどがうかがわれるものの、我が国における引用商標を付した申立人の業務に係る商品についての取引の事実や、宣伝・広告などの具体的な取引の状況は不明であり、ほかに引用商標が本件商標の登録出願時に既に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る事実を見いだせない。
そして、本件商標と引用商標とは、上記(1)においてした認定のとおり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとの申立人の主張も、理由がない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-12-17 
出願番号 商願2011-31429(T2011-31429) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (X09)
T 1 651・ 271- Y (X09)
T 1 651・ 262- Y (X09)
T 1 651・ 261- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松浦 裕紀子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 酒井 福造
田中 敬規
登録日 2012-02-24 
登録番号 商標登録第5473590号(T5473590) 
権利者 インターナショナル レクティフィアー コーポレイション
商標の称呼 クールアイアアルモス、クールアイアアルエムオオエス、クールアイ、クール、アイアアルモス、アイアアルエムオオエス、アアルモス、アアルエムオオエス 
代理人 杉村 憲司 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 村松 由布子 
代理人 山崎 和香子 
代理人 齋藤 宗也 

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