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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X25 審判 全部申立て 登録を維持 X25 |
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管理番号 | 1268497 |
異議申立番号 | 異議2012-900133 |
総通号数 | 158 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-02-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-05-21 |
確定日 | 2012-12-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5472277号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5472277号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5472277号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成23年9月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成24年1月24日に登録査定、同年2月17日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立ての理由の要点 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。 1 別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標」という。)は、申立人によって被服、バッグ等に永年使用された結果、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願の時及び査定時において、その指定商品分野の取引者・需要者の間で周知・著名な商標となっているものであり、これと相紛らわしい本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 2 本件商標は、英国王室御用達である申立人の引用商標と相紛らわしいところ、これが申立人の業務に係る商品を表示するものとして周知著名であることを承知の上で、申立人の承諾もなく、引用商標に化体した信用・名声及び顧客吸引力に便乗し、不当な利益を得る等の目的のもとに登録を受けたものであるから、商取引の秩序を乱すものであり、また、英国王室御用達である申立人の引用商標と相紛らわしい本件商標を登録することは英国王室の尊厳と権威を損ね、国際信義に反するものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 第3 当審の判断 1 引用商標の著名性について 申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、申立人は、被服、バッグ等を製造、販売する1815年創業の英国法人であり、ランパント・ライオンをトレードマークとして使用してきたこと、英国王室御用達であること、及び引用商標は本件商標の登録出願前から我が国において使用されていることが認められる。 しかしながら、引用商標を使用した商品についての我が国(英国も)における具体的な取引状況(販売期間、販売数量、売上高等)が一切明らかでないばかりでなく、上記商品についての宣伝広告も、どの程度の規模(地域、期間、媒体、回数等)で行われているのか明らかでない。 さらに、職権調査によっても、引用商標が、本件商標の登録出願の時ないし査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠は見いだせない。 そうすると、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、英国においては、その需要者にある程度知られているとうかがい知ることができるとしても、本件商標の登録出願の時ないし査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第15号について (1)本件商標は別掲1のとおりの構成から、また、引用商標は別掲2のとおりの構成からなり、両者は、ともに立ち上がったような四つ足動物をシルエット風に描いた図形からなる点において共通するものの、四肢及び尾の形状や胸部の太さが明らかに相違することにより、看者に対し、全体の外観が異なる印象を与えるものとみるのが相当である。 してみると、本件商標と引用商標とは、外観においてはその構成態様から相紛れるおそれのないものというべきである。 また、本件商標と引用商標は、いずれも、特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当であるから、両者は、称呼及び観念において相紛れるおそれのないものである。 そうとすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 さらに、引用商標は、上記1のとおり、本件商標の指定商品の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 (2)したがって、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標又は申立人を連想、想起することはなく、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、上記2(1)のとおり、引用商標とは別異の商標というべきものである。 そして、申立人が英国王室の御用達であるとしても、本件商標は、上記2(2)のとおり、引用商標又は申立人を連想、想起させるものではなく、英国王室御用達の商品を想起させるものともいえないから、本件商標を登録することが、英国王室の尊厳と権威を損ね、国際信義に反するものということはできない。 また、本件商標が不正の利益を得る目的、申立人に損害を加える目的その他不正の目的をもって登録を受けたものであることを示す証左はない。 さらに、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような図形とはいえないし、その指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものでもない。 したがって、本件商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標とはいえず、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標) |
異議決定日 | 2012-12-19 |
出願番号 | 商願2011-65683(T2011-65683) |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Y
(X25)
T 1 651・ 271- Y (X25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 村田 有香 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 堀内 仁子 |
登録日 | 2012-02-17 |
登録番号 | 商標登録第5472277号(T5472277) |
権利者 | ウォルトン インターナショナルリミテッド |
代理人 | 坂上 正明 |
代理人 | 特許業務法人創成国際特許事務所 |
代理人 | 曾我 道治 |
代理人 | 岡田 稔 |