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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0942 審判 全部申立て 登録を維持 X0942 |
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管理番号 | 1268489 |
異議申立番号 | 異議2012-900137 |
総通号数 | 158 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-02-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-05-24 |
確定日 | 2012-12-21 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5473359号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5473359号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5473359号商標(以下「本件商標」という。)は、「TradeBook」の文字を標準文字で表してなり、平成23年8月24日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同24年1月17日に登録査定、同年2月24日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。 1 申立人が使用する商標の著名性について 申立人「ブルームバーグ リミテッド パートナーシップ」及び同「ブルームバーグ・ファイナンス・ツー・エル・ピー」(以下、両者をまとめて「申立人」ということがある。)が使用する「ブルームバーグ トレードブック」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)(異議決定注:申立人は使用商標を「ブルーグバーグ トレードブック」と記載しているところがあるが、当該記載は誤記と認めた。)は、申立人の業務に係る「有価証券等の取引の媒介・取次ぎ又は代理」「電子計算機用プログラム」「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」などを表示するものとして、需要者の間に広く認識されている。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について 本件商標は、「TradeBook」の文字からなり、「トレードブック」の称呼及び「取引の本」の観念を生じるものである。 他方、使用商標「ブルームバーグ トレードブック」は、上記1のとおり申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであり、13音で比較的冗長であることなどから、その構成中の代表的出所表示部分「ブルームバーグ」を省略して、「トレードブック」の称呼をもって取引にあたることが多いといえるので、「トレードブック」の称呼及び「取引の本」の観念をも生じるものである。 したがって、本件商標と使用商標とは、「トレードブック」の称呼及び「取引の本」の観念を共通にする類似のものである。 また、本件商標の指定商品及び指定役務は、使用商標の使用に係る商品及び役務と同一又は類似のものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 使用商標は、上記1のとおり、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして本件商標の指定商品及び指定役務分野の取引者・需要者の間で著名な商標となっているから、これと相紛らわしい本件商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合には、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 第3 当審の判断 1 申立人が使用する商標の著名性について (1)申立人提出の証拠(甲3?甲10)によれば,次のとおりである。 ア 甲第3号証及び甲第5号証は、商標登録第4606619号及び商標登録第4435259号に係る商標出願・登録情報検索(結果)の写しであり、これらによれば、前者は、使用商標と同じ「ブルームバーグ トレードブック」の文字からなり、第36類に属する役務を指定役務とするものであって、申立人のうち「ブルームバーグ・ファイナンス・ツー・エル・ピー」が権利者となっており、後者は、「TRADEBOOK」の文字からなり、第36類に属する役務を指定役務とするものであって、申立人のうち「ブルームバーグ リミテッド パートナーシップ」が権利者となっている(職権調査により事実確認。)。 しかしながら、これらには両商標の具体的な使用の状況についての記載はない。 イ 甲第4号証は、2011年ころに作成したと認められる「SEE ALL SIDES」と題する申立人の会社案内とするものであるが、その内容は、多くが「ブルームバーグ」の語を用いて同社の業務内容等を説明するものであり、使用商標に関しては、5ページ目に「SOLUTIONS FOR AN EVER-CHANGING MARKETPLACE」の表題の下、「ブルームバーグ トレードブック」の項があり、そこに「世界有数のブローカーサービスプロバイダーとして、・・・トレーディング戦略執行をお手伝いします。」と記載され、9ページ目に「BLOOMBERG/TRADEBOOK」の表題の下、「ブルームバーグトレードブックは、ブルームバーグのエージェンシー/ブローカーとして・・・革新的な技術に基づくソリューションを提供しています。トレードブックは、株式、先物、オプション、・・・取引戦略執行を積極的に管理できるツールを提供します。」などと記載されているのみである。 しかも、この会社案内の発行部数、頒布の地域・期間・手段等は一切不明である。 ウ 甲第6号証は、「Bloomberg ブルームバーグ」と称するウェブページの抜粋写しと認められるものであり、これには、「ブルームバーグ/トレードブック」の表題の下に「トレードブックは取引戦略やリサーチ分析ツールを、執行から決済、受け渡しに至るすべての取引フローを包括的に支援するソリューションと組み合わせ、・・・」「・・・ブルームバーグトレードブック●(異議決定注:「○」の中に「R」の記号。以下同じ。)は世界有数のブローカーサービスを提供しており・・・」「日本においては、アルゴリズム取引のためのテクノロジーも提供。」「そこで、トレードブックがフロントエンド・テクノロジーの役割を担い・・・」「トレーダーにとって最高の執行サービスであるブルームバーグトレードブック。」「そして、トレードブックはさらに一歩進んだ付加価値を提供しています。」「・・・お客様はトレードブックを使うだけで他のプロダクトやサービスにアクセスすることができるのです。」などの記載が、コンピュータ画面の写真とともに掲載されている。 しかしながら、当該ウェブページの掲載日、掲載期間、アクセス数等は一切不明である。 エ 甲第7号証は、「BLOOMBERG’S BROKERAGE SOLUTION」「ブルームバーグのブローカレッジ・ソリューション」と題するパンフレットの写しであり、これには、その表紙に「Bloomberg」と「Tradebook」の文字が二段に横書きされているほか、2ページ以降に「ブルームバーグ トレードブック●」と題して、「トレードブック」などについての説明が記載されている。 しかしながら、当該パンフレットの発行日、発行部数、頒布の地域・期間・手段等は一切不明である。 オ 甲第8号証ないし甲第10号証は、「楽天証券」「金融庁」又は「日本情報産業新聞」のウェブページの抜粋写しであり、これらには使用商標の表示が一切見られないばかりでなく、いずれも各ページの右下に表示された数字から、本件商標の登録出願の日後である2012年(平成24年)8月22日又は同月1日にプリントアウトされたものといえる。 (2)以上によれば、使用商標が申立人の業務に係る電子計算機用プログラム、電子計算機用プログラムの提供等について使用されていることがうかがえるものの、その使用の期間、地域、規模等をはじめ、使用商標を使用した商品・役務についての取引数、販売高、販売期間・地域、宣伝広告などについての具体的事実が一切明らかでないから、使用商標は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されているものとは到底認めることはできない。 その他、使用商標が、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証拠はない。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について (1)使用商標が、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されているものと認められないこと、上記1(2)のとおりである。 (2)本件商標と使用商標とを比較すると、本件商標は「TradeBook」の文字からなり、「トレードブック」の称呼を生じ、「取引の本」程の意味合いを想起させるものである。他方、使用商標は「ブルームバーグ トレードブック」の文字を一体的に表してなるものであり、構成文字全体が一体不可分のものとして看取され、「ブルームバーグトレードブック」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。 なお、申立人は、使用商標中の「ブルームバーグ」が代表的出所表示部分であり、「トレードブック」が個別商標として認識されるなどとして、使用商標から単に「トレードブック」の称呼及び「取引の本」の観念が生じる旨主張しているが、使用商標の使用に係る証拠及び使用商標の構成からすれば、使用商標については上記のとおり判断するのが相当であるから、申立人の主張は採用することができない。 そして、両商標は、その構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。また、本件商標から生じる「トレードブック」の称呼と使用商標から生じる「ブルームバーグトレードブック」の称呼とは、構成音数の差、「ブルームバーグ」の音の有無という顕著な差異により容易に区別することができるものである。更に、使用商標は特定の観念を生じないものであるから、両者は観念においても相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標と使用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (3)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標と使用商標とは、上記2(2)のとおり相紛れるおそれのない非類似の商標であり、別異の商標というべきものであるばかりでなく、使用商標が申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されているものと認められないことからすると、たとえ本件商標の指定商品及び指定役務が使用商標の使用に係る商品又は役務と同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標又は申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品及び役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2012-12-13 |
出願番号 | 商願2011-60474(T2011-60474) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X0942)
T 1 651・ 25- Y (X0942) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 矢澤 一幸 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
堀内 仁子 梶原 良子 |
登録日 | 2012-02-24 |
登録番号 | 商標登録第5473359号(T5473359) |
権利者 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ |
商標の称呼 | トレードブック |
代理人 | 坂上 正明 |
代理人 | 曾我 道治 |
代理人 | 曾我 道治 |
代理人 | 坂上 正明 |
代理人 | 岡田 稔 |
代理人 | 岡田 稔 |
代理人 | 羽切 正治 |