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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2012890070 審決 商標
無効2011890101 審決 商標
無効2013890034 審決 商標
無効2012890020 審決 商標
無効2011890023 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X30
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X30
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X30
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X30
管理番号 1268367 
審判番号 無効2012-890058 
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-07-09 
確定日 2012-12-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5429941号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5429941号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5429941号商標(以下「本件商標」という。)は、「芳醇しとやわリッチ」の文字を標準文字で表してなり、平成23年2月8日に登録出願され、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと」を指定商品として、 同23年6月16日に登録査定、同年8月5日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が引用する登録第5341260商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおり、「芳醇」の漢字及びその右に「ほうじゅん」の平仮名を縦書きしてなり、平成20年7月10日に登録出願、第30類「食パン」を指定商品として、平成22年6月3日に商標法第3条第2項の要件を具備するものとして、登録すべき旨の審決がなされ、同22年7月30日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第151号証(枝番を含む。但し、枝番の全てを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。なお、甲第72号証は欠番である。)を提出している。
2 請求の理由
(1)本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「芳醇しとやわリッチ」の文字を標準文字で横書きしてなる。
(2)本件商標の称呼及び観念
本件商標は、「ホウジュンシトヤワリッチ」の称呼が生じるが、以下の理由から「ホウジュン」の称呼及び単なる「芳醇」の観念をも生じる。
ア 「芳醇しとやわリッチ」は、所謂完熟した熟語というものではなく、それぞれ「芳醇」「しとやわ」及び「リッチ」を結合をしているもので、その意味では一種の造語と言えるものではあるが、これら各「芳醇」「しとやわ」及び「リッチ」が強固に結びついて一語を構成しているとは言えない。
イ 本件商標は、「芳醇しとやわリッチ」の9文字という全体が長い文字構成からなる上に、「芳醇」は漢字、「しとやわ」は平仮名、「リッチ」は片仮名とそれぞれの部分で異なった文字が使用され、構成上「芳醇」とそれに続く「しとやわリッチ」との間には段落が認められる。
ウ 一般に最初に書かれている文字部分が他の部分よりもより注目され印象が残る。
特にアで述べたとおり、本件商標は、最初の「芳醇」とその後の文字の種類が異なっていることから「芳醇」の文字部分が特に着目される。
エ 本件商標全体から生ずる「ホウジュンシトヤワリッチ」の称呼では、12音からなるという長い称呼である。
オ 「芳醇」には、「かおりが高く味のよいこと」を意味するものであるが、請求人が製造販売する商品「食パン」に使用された結果、請求人の「商標」として広く全国的に認識されているに至っている。
カ 「芳醇」を除いた「しとやわリッチ」の文字中で「しとやわ」には「しっとり、やわらかい」すなわち「しっとりとしていて柔らかい」商品であることを感得させるものであり、この意味で実際に使用がされており(甲6)、また「リッチ」も滋味豊か、栄養豊富であることを表す商品の品質表示である。
キ 小括
以上から、本件商標からは、「芳醇」の文字部分から単に「ホウジュン」の称呼及び「芳醇」の観念も生じるものである。
(3)引用商標
引用商標は、別掲のとおり、「芳醇」の漢字及びその向かって右側に「ほうじゅん」の平仮名を振り仮名風に配した構成である。
(4)引用商標の称呼及び観念
引用商標からは、「ホウジュン」の称呼が生じ、本来は「酒のかおりが高く味のよいこと。また、その酒。」「よいにおいがして、うるおいがあること。酒の香りが高く味がよいこと。またそのさま。」などの意味があるが、引用商標が請求人の商標として全国的に盛大に使用がされた結果、これらの本来の意味を超えて、「芳醇」といえば、請求人が製造販売する商品「食パン」を表す、請求人の「商標」として認識されるに至っているものである。
(5)引用商標の著名性
引用商標は、請求人が製造販売する商品「食パン」、具体的には「角形の食パン」の商標(甲12の1以下の広告物)として平成19(2007)年4月から現在に至るまで継続して使用をしている。
この「芳醇」は、請求人が先行して製造販売する食パンの大ヒット商品である「超芳醇」の姉妹品、シリーズ商品として販売がされ、この「超芳醇」の知名度と相まって「芳醇」は短期間に販売実績を獲得できたとともに、「食パン」における、いわば定番商品として不動の地位を得ている商標といえる。
「芳醇」に先行した「超芳醇」は、請求人が独自の「湯捏製法」を採用するとともに、平成17年9月からは品質改善・風味向上のため臭素酸カリウムを使用する技術も採用して製造をしている独特の食パンであり、請求人の主力商品として平成12年8月の発売以来、常に年間300?380億円の売上高を記録している食パンの大ヒット商品あり、また、かかる売上げと共に年間15?17億円のテレビによる広告の外に、ラジオ、雑誌、新聞等を通して宣伝広告も継続して行われている。
「芳醇」は「超芳醇」の製法と同じ製法で製造されていながら、「超芳醇」よりも低価格で販売されていることから、「超芳醇」の「超」をはずして「芳醇」としたものである。このような「芳醇」は、小麦価格の高騰によるパン類の値上げや不況による低価格商品への消費者の移行などの近時の経済情勢に合致をして人気商品となり、2008年から急激に売上げを伸ばしてきたもので、同年6月以降は「超芳醇」の売上げを凌ぐものとなっており、既に請求人の食パンにおける主力商品の一つとなっている。
その販売高は、平成19(2007)年 約12億円、20(2008)年 約155億円、平成21(2009)年 約163億円、平成22(2010)年 約138億円、平成23(2011)年 約190億円、平成24(2012)年1月から4月まで約67億円となっている(甲7)。
その間(平成17年4月から同24年4月まで)の宣伝広告費は、テレビコマーシャル(TVCM)放映金額の約12億3千万円、その他CM作成費用、新聞広告費用500万円。雑誌広告費用900万円を含めて、約12億7千万円超となる(甲8)。
その結果、全国消費所帯パネル調査(甲9の1)では、食パン販売高におけるシェア第2位となっており(甲9の2ないし4)、主要な食パン「ブランド」として報道されているものである(甲138の2、甲139の1、2)。
甲第9号証の2は、「食パン」の主要ブランドの調査結果である。各社の食パンに関する主要ブランドの2007年11月から2012年1月までの各月のシェアー(%)と前年同月の増減を表している。
したがって、パネルモニターの購入した全ての食パンのなかで、「芳醇」は2007年11月は0.6%の占有率であったが、その後は飛躍的に占有率を延ばし、特に2008年6月からは8%以上の高い占有率で推移し、以後も現在に至るまで変わらぬ高い占有率を保つという実績が示されている。
甲第9号証の4によれば、「超芳醇」と「芳醇」のシリーズものとしての「チョウホウジュン」が2008年からはほとんどトップとなり、その中で「ホウジュン」すなわち「芳醇」が2008年6月を境として、「超芳醇」を逆転して、少なくともこのモニターの消費者では「芳醇」がより多く購入されるようになっていることが明らかにされている。
以上のことは、甲第138号証の2として提出した平成2009年(平成21年)6月22日付けの「日経MJ」の記事、甲第139号証の2の同年6月16日付けの「日本食料新聞」の記事、さらに甲第9号証の2ないし4「SCI(全国消費世帯パネル調査)」をみればより明らかとなる。
この調査統計、資料をみれば、一般消費者においても「芳醇」が食パンの商標として広く認識され、定番の商品として消費者に定着をして繰り返し購入がされている事実が認識できるものである。「芳醇」は、請求人の食パンのメイン商標の一つとして揺るぎない評価を得ているといえる。
したがって、引用商標は、遅くとも2008年の6月頃(「超芳醇」と「芳醇」とが逆転した頃)には、広く需要者により請求人の業務に係る商標であることを認識されているものと言える。
なお、引用商標に関するテレビコマーシャル、雑誌・新聞等への広告・キャンペーン等も広く行われている(甲10ないし甲151)。広告では、引用商標「芳醇」単独の広告の外に、請求人の製造販売する食パンの販売促進キャンペーンのなかの1つとしても常に引用商標がその対象として継続的に広告がされている。
また、請求人は、引用商標の登録に先立って、「芳醇」に関しては、登録第4441441号及び登録第5103604号を登録している(甲3及び甲4)。
このような販売実績、広告活動及び適正な商標管理等の結果、引用商標は、取引者、需要者間において、請求人の業務に係る商標として広く認識されるに至っているものであり、全国的に広く知られた周知もしくは著名商標と認められるものである。
以上のことは、引用商標の登録を認めた不服2009-14904審決(甲5)においても既に認定がされているところである。
(6)本件商標と引用商標との比較
ア 本件商標からは、「ホウジュン」の称呼及び「芳醇」の観念が生じ、引用商標からも同様の「ホウジュン」の称呼及び「芳醇」の観念が生じるところから、両者は称呼及び観念において類似する類似商標である。
また、本件商標の指定商品には「食パン」が含まれているほか、食パン以外の「菓子及びパン」と引用商標の指定商品「食パン」とは類似する。
したがって、本件商標が指定商品中「食パン」もしくはこれ以外の「菓子及びパン」に使用されると、商標法第4条第1項第11号に該当することとなる。
イ また、「芳醇」は請求人の商品を表す商標として広く全国的に知られている、著名な商標であるから、少なくとも本件商標の「芳醇」が商品「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」に使用されると、これをみた需要者は、請求人の製造販売に係る商品ではないかと混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(7)結論
よって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号により、登録を無効とされるべきものである。

第4 被請求人の主張
被請求人は、前記第3の請求人の主張に対し、なんら答弁するところがない。

第5 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
請求人の提出に係る甲各号証によれば、請求人は、商品「食パン」に引用商標を平成19年4月から現在に至るまで継続的に使用し、その販売実績は、発売を開始した平成19年が約12億円、平成23年が約190億円、平成24年1月から4月で約67億円(甲7)で、広告実績は、平成19年4月から平成24年までで約120億7千万円超(甲8)であり、全国消費世帯パネル調査では、食パン販売高におけるシェアが第2位となっており(甲9の2)、引用商標が請求人の業務に係る主要な食パンのブランドとして報道されているものである(甲138の2、甲139の1)。また、TVコマーシャル(甲10)、雑誌への広告(甲19ないし甲第117、甲138)、新聞等への広告(甲135ないし甲151)、キャンペーン(甲14)等が行われたことが認められる。
そうとすれば、引用商標の使用状況は、本件商標の登録出願時及び登録査定時を含む現在に至るまで、広告宣伝や販売活動などが継続して行われていたものと推認される。
したがって、引用商標は、請求人の業務に係る「食パン」について使用する商標として、本件商標の登録出願時はもとよりその登録査定時においても、需要者の間において広く知られていたものと認め得るものである。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「芳醇しとやわリッチ」の文字を横書きしてなるものである。
そして、本件商標は、その構成文字は文字の種類を異にする漢字、平仮名、片仮名からなることからすれば、「芳醇」、「しとやわ」及び「リッチ」の3語を組合わせたものと容易に認識されるものであって、構成全体としては、特定の観念を生ずるものでない。
しかして、その構成中、語頭の「芳醇」の文字は、前記1のとおり、請求人の業務に係る「食パン」のブランドとして広く認識されているものであることからすれば、該文字が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
してみれば、本件商標は、その構成中前半の「芳醇」に着目して、該文字より生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合も決して少なくないものというのが相当であるから、該文字に相応して「ホウジュン」の称呼及び請求人の業務に係る食パンのブランドの観念を生ずるものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲のとおり、「芳醇」の文字からなるところ、該文字は、前記1のとおり、請求人の業務に係る「食パン」のブランドとして、需要者一般に広く知られているものと認められるから、これより「ホウジュン」の称呼及び請求人の業務に係る食パンのブランドの観念を生ずるものと認められる。
(3)本件商標と引用商標との類否について
前記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、全体としての外観は異なるものの、「芳醇」の文字において、その外観、称呼を及び観念を同じくする類似の商標と認められる。
そして、本件商標に係る指定商品第30類「菓子及びパン,サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」と引用商標に係る指定商品、第30類「食パン」とは、同じ食品分野に属し、その取引者、需要者、販売経路、販売場所を同じくするから、同一又は類似の商品と認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
前記2(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても類似する商標と認められる。
また、引用商標は、前記1のとおり、請求人の業務に係る「食パン」について使用する商標として、本件商標の登録出願時はもとよりその登録査定時においても、需要者の間において広く知られていたものと認められるものである。
そして、本件商標の指定商品中「茶,コーヒー及びココア,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,べんとう,ラビオリ,即席菓子のもと」と引用商標の指定商品とは、日常的に取引され消費される食品であって、その需要者を同じくするから、密接な関連性を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標の類似性、引用商標の周知著名性、両商標が使用される商品間の関連性を総合してみると、商標権者が本件商標をその指定商品中「茶,コーヒー及びココア,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,べんとう,ラビオリ,即席菓子のもと」に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起、連想し、当該商品を請求人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標)


審理終結日 2012-10-16 
結審通知日 2012-10-19 
審決日 2012-10-30 
出願番号 商願2011-8223(T2011-8223) 
審決分類 T 1 11・ 262- Z (X30)
T 1 11・ 271- Z (X30)
T 1 11・ 261- Z (X30)
T 1 11・ 263- Z (X30)
最終処分 成立 
前審関与審査官 吉岡 めぐみ 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小川 きみえ
田中 亨子
登録日 2011-08-05 
登録番号 商標登録第5429941号(T5429941) 
商標の称呼 ホージュンシトヤワリッチ、ホージュンシトヤワ、ホージュン、シトヤワリッチ、リッチ、シトヤワ 
代理人 梅村 莞爾 
代理人 久保山 隆 
代理人 加藤 久 
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