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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
審判 全部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1267203 
異議申立番号 異議2012-900214 
総通号数 157 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-07-27 
確定日 2012-11-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5493658号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5493658号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5493658号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成23年11月10日に登録出願,第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,コーヒー及びココア,菓子及びパン,調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,即席菓子のもと」を指定商品として,平成24年3月22日に登録査定,同年5月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第15号に該当するから,同法第43条の2第1号に該当し,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第7号について
「東京スカイツリー」は,東京都墨田区に建設された電波塔として著名であり,本件商標には電波塔として公益性の高い「東京スカイツリー」の特徴的な外形形状が取り入れられていることが容易に理解・把握できる。
また,本件商標の権利者は,「東京スカイツリー」の事業主体(東武鉄道株式会社及び東武タワースカイツリー株式会社)と何ら関係ない者である。
してみれば,「東京スカイツリー」を認識させる本件商標を公益性の高い「東京スカイツリー」の事業主体と何ら関係のない一私人に指定商品について独占使用を認めることは,公正な競業秩序を害するものであって公の秩序又は善良の風俗に反するものである。
以上のとおり,本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
「東京スカイツリー」は,東京都墨田区に建設された電波塔として著名であるとともに,「東京スカイツリー」の足元に商業施設「東京ソラマチ」等を備えた一大複合施設「東京スカイツリータウン」が建設され,「東京スカイツリータウン」は2012年5月22日に開業し,「東京スカイツリー」を中核とした商業施設において広範な営業活動がなされている。
そのため,電波塔としての公益性の高い「東京スカイツリー」を取り入れていることが容易に理解・把握できる本件商標を使用した商品は,権利者に対して他人である「『東京スカイツリー』の事業主体」または「『東京スカイツリー』の事業主体と組織的又は経済的に何らかの関連のある者」の事業に係る商品であるかの如く需要者に認識されて出所の混同を生じるおそれが大きいと言わざるを得ない。
以上のとおり,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,別掲のとおりからなるところ,その構成は,日本家屋を思わせるような形状をした図形(以下「家屋」という。)と東京スカイツリーを思わせるような塔の形状をした図形(以下「塔」という。)を,同じ筆致のペン書きでイラスト風に表してなるものである。
そして,その構成中の家屋の部分が全体の構成の中心に構成中の多くの割合を占めるように描かれているのに対し,塔の部分は,その一部が家屋の屋根に隠され,いわば,家の背景的に描かれていることから,このような構成にあって,塔の部分のみが強く印象に残るとものということはできず,本件商標は,その構成全体として自他商品の出所表示機能を果たすものとみるのが自然であり,また,特定の称呼及び観念は生じないものということができる。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の主張のとおり,東京スカイツリーの形状及びその名称が需要者の間において著名となっていること,及び,本件商標の構成中,塔の部分が「東京スカイツリー」を思わせるものであることが認められる。
しかしながら,前記(1)のとおり,本件商標は,その構成全体として商品の出所表示機能を果たすものとみるのが自然であり,また,塔の図形にしても,東京スカイツリーの形状を写実的に表したものではなく,ペン書きのイラスト風に描かれ,これが直ちに東京スカイツリーを直感させるとまではいえないものとみるのが相当である。
そうとすれば,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する者に「東京スカイツリー」を直ちに想起,連想させるものではなく,該ツリーの事業主体と経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所についてと混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は,「東京スカイツリー」を認識させる本件商標を公益性の高い「東京スカイツリー」の事業主体と何ら関係のない一私人に指定商品について独占使用を認めることは,公正な競業秩序を害する旨主張する。
しかしながら,本件商標は,前記(1)とおり,その構成全体として一体のものとのみ把握されるものであって,たとえ,その構成中に「東京スカイツリー」を思わせる塔の図形を有するとしても,これに接する者に「東京スカイツリー」を直感させるとはいえないものである。
そうとすれば,本件商標は,これを使用することが社会の一般的道徳観念に反し,公正な競業秩序を害するとともに,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものということができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものではない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 <本件商標>




異議決定日 2012-11-14 
出願番号 商願2011-80789(T2011-80789) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X30)
T 1 651・ 22- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田中 亨子
鈴木 修
登録日 2012-05-18 
登録番号 商標登録第5493658号(T5493658) 
権利者 株式会社森八本舗
代理人 谷山 守 

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