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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X07
審判 全部申立て  登録を維持 X07
審判 全部申立て  登録を維持 X07
審判 全部申立て  登録を維持 X07
管理番号 1266141 
異議申立番号 異議2012-900187 
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-07-05 
確定日 2012-11-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5485778号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5485778号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5485778号商標(以下「本件商標」という。)は,「Z Steamer」の欧文字を横書きしてなり,平成23年10月24日に登録出願,同24年3月2日に登録査定,第7類「スチームトラップ」を指定商品として,同年4月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3366317号商標は,別掲のとおりの構成からなり,平成4年8月10日に登録出願,第7類「スチームトラップ,凝縮水排除器」を指定商品として,同9年12月12日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由
申立人は,申立ての理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,商標権者の名称の一部と目されるところの「Z Steamer」の文字を表示しており,「スチーム」,「ゼット」等の称呼,観念を生ずるものである。
これに対し,引用商標は,図形「STEAM・Z」と文字列「スチーム・Z」よりなることが明らかであるから,これより「スチーム」,「ゼット」の称呼,観念を生ずるものとするのが取引の実情に即して妥当である。
したがって,本件商標と引用商標とは,共に「スチーム」,「ゼット」の称呼,観念を共通にし,指定商品は,同一のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は,1983年創業以来,特許商品である「オリフィス式スチームトラップ」について,「STEAM・Z」と明らかに認識し得る図形若しくは「スチーム・ゼット」と容易に称呼し得る文字からなる商標又はこれらの結合からなる商標を広く使用し今日に至っており,商品「STEAM・Z」の我が国における市場占有率も極めて大きい。
したがって,本件指定商品の分野の需要者は,「Z」を表示する本件商標が本件指定商品について使用された場合には,申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
(3)結び
本件商標と引用商標とは,類似の商標であり,指定商品も同一又は類似のものであるから,本件商標登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであり,取り消されるべきである。
本件商標登録は,商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから,取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,前記1のとおり,「Z Steamer」の欧文字を表してなるところ,構成全体として,まとまりよく表されているものであり,これより生ずる「ゼットスチーマー」の称呼も無理なく一連に称呼できるものである。
そして,本件商標は,たとえ,その構成中の「Steamer」の欧文字が「蒸気で動く物,蒸す人」等を意味するよく知られた英語(「プログレッシブ英和中辞典」小学館)であるとしても,アルファベットの「Z」と一連に「Z Steamer」と表した係る構成においては,その構成全体をもってその商品の出所を表示する商標として認識されるものとみるのが相当である。
そうとすれば,本件商標は,その構成文字に相応して「ゼットスチーマー」の称呼のみを生ずるものであって,構成全体としては特定の観念は生じないものである。
他方,引用商標は,別掲のとおり,「STEAM・Z」(「Z」部分は,やや図案化してなるものの容易にアルファベット文字の「Z」を認識させるものである。以下「Z」と表記する。)の文字を,大きく横書きしてなり,その上にやや小さく「スチーム・ゼット」の片仮名を横書きに配した構成からなるところ,上段の「スチーム・ゼット」の文字は,下段の「STEAM・Z」の読みを特定しているものと無理なく認められるから,引用商標からは,「スチームゼット」の称呼が生じ,「STEAM」の欧文字が「水蒸気,蒸気」等の意味を有する英語(「プログレッシブ英和中辞典」小学館)であるとしても,構成全体としては特に観念を生じないものということができる。
そこで,本件商標と引用商標とを比較するに,両商標は,外観において明らかに相違し,相紛れるおそれはないものである。
そして,本件商標から生ずる「ゼットスチーマー」の称呼と,引用商標から生ずる「スチームゼット」の称呼とは,その音数及び音構成において明らかに異なるものであるから,互いに聞き誤るおそれのないものというのが相当である。
また,観念においては,いずれも特定の観念が生じないから,比較することができない。
そうとすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
なお,申立人は,本件商標と引用商標とは,「スチーム」,「ゼット」等の称呼,観念を共通にする旨主張するが,本件商標は,構成全体をもって一体不可分の構成よりなるものと認められること上記のとおりであって,また,本件商標の「Steamer」部分から「スチーム」の称呼及び観念が生ずるとは到底いい得ないものであるから,申立人のかかる主張は採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は,引用商標が申立人の商標として広く知られていると主張し,甲第2号証ないし甲第4号証を提出している。
そこで検討するに,甲第2号証は,引用商標が掲載された商標公報(写)であり,甲第3号証は,「Z・STEAMER」と題する本件商標権者の商品カタログであるから,これらは,引用商標が申立人の商標として広く知られている事実を証する証拠ではない。
甲第4号証は,引用商標が表示された申立人の商品カタログであるところ,「スチーム・トラップを超えた凝縮水排水装置の決定版」,「STEAM・Zは,まったく新しい考え方のドレン排水装置(ドレーナー,DRAINER)です。」との記載があり,「スチーム・Z(標準型)」「スチーム P型,LP型」「スチーム・Z F型」等の商品が紹介されているものであるから,引用商標が,「凝縮水排水装置」の商品カタログに使用されていることが認められる。
しかしながら,該カタログの制作日や,カタログの配布地域,配布数等を確認することができず,また,「凝縮水排水装置」に引用商標の使用を開始した時期,使用地域,商品の譲渡の数量,広告宣伝の方法,回数及び内容等については,これを証する証拠の提出がない。
そうとすれば,申立人の提出に係る証拠によっては,引用商標が申立人の業務に係る商品「凝縮水排水装置」に使用され,本件商標の登録出願時において,我が国の需要者の間において広く知られているものと認めることができない。
そして,本件商標と引用商標とは,上記(1)のとおり,何ら相紛れるおそれのない別異の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても,これに接する取引者,需要者に申立人の引用商標を想起,連想させるものではなく,申立人又は同人と経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 <引用商標>



異議決定日 2012-10-31 
出願番号 商願2011-79447(T2011-79447) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X07)
T 1 651・ 263- Y (X07)
T 1 651・ 262- Y (X07)
T 1 651・ 271- Y (X07)
最終処分 維持  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
前山 るり子
登録日 2012-04-13 
登録番号 商標登録第5485778号(T5485778) 
権利者 株式会社ゼットサービス
商標の称呼 ゼットスチーマー 

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