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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X031416212528 審判 全部申立て 登録を維持 X031416212528 |
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管理番号 | 1266138 |
異議申立番号 | 異議2012-900163 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-06-11 |
確定日 | 2012-11-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5481622号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5481622号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5481622号商標(以下「本件商標」という。)は、「スミダツリー」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年3月8日登録出願、別掲に記載した商品を指定商品として、同年12月26日に登録査定、同24年3月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由の要旨 (1)商標法第4条第1項第7号について 「東京スカイツリー」は、東京都墨田区に建設された電波塔として著名であり、本件商標は、「墨田区(スミダ)にあるツリー」として「東京スカイツリー」を認識させるものであって、「東京スカイツリー」の名声名誉にただ乗りするものであり、公益性の高い東京スカイツリーの事業主体である東武鉄道株式会社及び東武タワースカイツリー株式会社(いずれも本件登録異議申立人である。以下「申立人ら」という。)と何ら関係のない一私人に指定商品について独占使用を認めることは、公正な競業秩序を害するものであって公の秩序又は善良の風俗に反するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 「東京スカイツリー」は、東京都墨田区に建設された電波塔として著名であり、東京都墨田区業平橋・押上地区の大規模複合開発による東東京エリアの活性化を牽引するとともに、国際観光都市東京の実現に貢献することを基本理念の一つとしており、「東京スカイツリー」の内部及びその足元に大規模な商業施設「東京ソラマチ」が東京スカイツリーの開業に合わせて建設された。 そして、「東京スカイツリー」を中核とした商業施設において広範な営業活動がなされているため、本件商標を使用して提供された商品が、申立人ら又は申立人らと組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る商品であるかのごとく需要者に認識されて、出所の混同を生じるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)本件商標と引用標章との類似性の程度について ア 本件商標について 本件商標は、「スミダツリー」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔の片仮名で、一連にまとまりよく表されており、これより生ずる称呼「スミダツリー」もよどみなく一連に称呼し得るものである。 次に、観念についてみると、「スミダ」の文字は、「墨田、隅田、住田、澄田、角田」の様々な漢字を、また、「ツリー」の文字は、「樹木」の意味を有する「tree」の英語をそれぞれ片仮名で表記したものであるとしても、本件商標は、全体として一定の語義を有する語としては知られていないものであるから、一体不可分の造語と認められるものであって、特定の観念を生じないというのが相当である。 イ 引用標章について 引用標章は、「東京スカイツリー」の文字よりなるところ、該構成文字に相応して「トウキョウスカイツリー」の称呼を生じ、電波塔である「東京スカイツリー」の観念を生ずるものである。 ウ 本件商標と引用標章との類否について 本件商標の外観と引用標章の外観とを比較すると、両者は、後半に位置する「ツリー」の文字を共通にするものの、標章の識別上、重要な位置を占める前半の「東京スカイ」又は「スミダ」の文字において顕著な差異を有することから、外観において、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。 本件商標から生ずる「スミダツリー」の称呼と引用標章から生ずる「トウキョウスカイツリー」の称呼とを比較すると、両者は、後半に位置する「ツリー」の音を共通にするものの、称呼の識別上、重要な位置を占める前半の「トウキョウスカイ」と「スミダ」の音において顕著な差異を有することから、称呼においても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。 本件商標の観念と引用標章の観念とを比較すると、本件商標は、特定の観念を有しない造語であることから、両者は、同一の観念が生じないものであって、観念においても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。 そうすると、本件商標と引用標章とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれがなく、非類似の商標というべきものである。 (2)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、上記1に記載したとおり、「スミダツリー」の片仮名を標準文字で表してなるものであるから、その構成からみて商標の構成に着目した公序良俗に違反するものではない。 次に、本件商標は、その登録出願の経緯が社会通念に照らして著しく妥当性を欠き国家、社会の利益を害する場合のような主体に着目した公序良俗に違反するか否かについて検討する。 申立人らは、本件商標が、「東京スカイツリー」を認識させるものであって、その名声名誉にただ乗りするものであり、公益性の高いその事業主体である申立人らと何ら関係のない一私人に指定商品について独占使用を認めることは、公正な競業秩序を害するものであって公の秩序又は善良の風俗に違反するものである旨主張する。 しかしながら、本件商標は、上記(1)に記載したとおり、引用標章とは、類似しない別異の商標というべきものである。また、東京スカイツリーが東京都墨田区に存在する電波塔であることから、仮に、本件商標がこれを暗示させる場合があるとしても、本件商標は、直ちに、該電波塔を認識させる表記ということはできないから、「東京スカイツリー」の観念を生じるものではない。 してみれば、本件商標は、その名声にただ乗りするものであるとはいえないものであるから、申立人らの主張は採用することができない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものということはできない。 (3)商標法第4条第1項第15号について 申立人らは、まず、本件商標の商標権者が、著名な「東京スカイツリー」を認識させる構成で本件商標の登録出願をし、その登録を受けたと主張するものと解される。また、申立人らは、「東京スカイツリー」の内部及びその足元に大規模な商業施設「東京ソラマチ」が東京スカイツリーの開業に合わせて建設され、「東京スカイツリー」を中核とした商業施設において広範な営業活動がなされているため、本件商標を使用する商品が、申立人ら又は申立人らと組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る商品であるかのごとく需要者に認識されて、出所の混同を生じるおそれがある旨主張する。 しかしながら、本件商標は、上記(1)に記載したとおり、引用標章とは、類似しない別異の商標というべきものであって、仮に、本号適用の判断基準時である本件商標の登録出願時(平成23年3月8日)及び登録査定時(同24年1月10日)の時点において、「東京スカイツリー」の名称が著名になっていたとしても、上記(2)に記載したとおり、本件商標は、必ずしも「東京スカイツリー」を認識させるとはいえないものである。 そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、申立人ら又は申立人らと組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る商品であるかのごとく需要者に認識されて、出所の混同を生じるおそれはないというべきものであるから、申立人らの主張は採用することができない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標の指定商品 第3類「靴クリーム,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」 第14類「貴金属,キーホルダー,記念カップ,記念たて,身飾品,宝玉及びその模造品,時計」 第16類「紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製テーブルナプキン,紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」 第21類「食器類,水筒,アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆,ようじ入れ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,お守り,おみくじ,花瓶,化粧用具」 第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」 第28類「愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,運動用具」 第29類「乳製品,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),加工野菜及び加工果実,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ」 第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,米,脱穀済みのえん麦,食用粉類」 第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」 第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」 |
異議決定日 | 2012-11-02 |
出願番号 | 商願2011-16804(T2011-16804) |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Y
(X031416212528)
T 1 651・ 271- Y (X031416212528) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 幸一、山田 正樹 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 前山 るり子 |
登録日 | 2012-03-30 |
登録番号 | 商標登録第5481622号(T5481622) |
権利者 | 株式会社ケイ・シー・エス |
商標の称呼 | スミダツリー |
代理人 | 藁科 孝雄 |
代理人 | 村田 幸雄 |
代理人 | 藁科 孝雄 |