• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013685010 審決 商標
異議2011900004 審決 商標
異議2012900232 審決 商標
異議2010900322 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
審判 全部申立て  登録を維持 X30
審判 全部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1266137 
異議申立番号 異議2012-900108 
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-05-01 
確定日 2012-11-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5465978号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5465978号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5465978号商標(以下「本件商標」という。)は、「in and out」の文字を横書きしてなり、平成23年8月30日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同24年1月5日に登録査定され、同月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当し、その登録は同法第43条の2及び同法第43条の3の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のアないしウのとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
ア 登録第4188436号商標(以下「引用商標1」という。)は、「IN-N-OUT」の文字を横書きしてなり、平成8年5月27日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年9月18日に設定登録されたものである。
イ 登録第4188437号商標(以下「引用商標2」という。)は、「IN-N-OUT BURGER」の文字を横書きしてなり、平成8年5月27日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年9月18日に設定登録されたものである。
ウ 登録第2690799号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成3年12月10日に登録出願、平成6年7月29日に設定登録され、平成17年6月1日に指定商品を第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。
なお、以下、引用商標1ないし3をまとめていうときは、「引用商標」という。
(2)具体的理由
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成文字から、「インアンドアウト」の称呼及び「出たり入ったり」の観念が生じる。
引用商標は、「IN-N-OUT」の文字(又は文字部分)から、「インアウト」の称呼が生じる。また、英語では「and」を「n」と省略して表記することから、上記「IN-N-OUT」の文字は、「in and out」、すなわち、「出たり入ったり」の観念が生じる。
したがって、本件商標と引用商標とは、同一の観念を生ずる類似の商標である。
さらに、引用商標は商品「ハンバーガー」などとの関係で周知著名となっているので、これと観念において同一の本件商標が指定商品に使用されると、引用商標が使用されている商品と同一の出所のものと取引者、需要者が誤認混同するおそれがあるから、本件商標は引用商標と類似するものである。イ 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の業務に係る商品「ハンバーガー」について、1948年以来使用され、かつ、宣伝広告などをした結果、日本国内及び国際的に周知著名な商標となっている(甲第5号証ないし甲第41号証)。
本件商標は、前記アのとおり、引用商標と観念において類似する商標であるから、混同のおそれが生じるものであることは明らかである。
ウ 商標法第4条第1項第19号について
本件商標の商標権者は、著名な引用商標の顧客吸引力にフリーライドする目的をもって使用するものである。かかる不正の目的は、本件商標が、引用商標と類似する構成からなることからも明らかである。
エ むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性について
申立人は、引用商標は申立人の業務に係る商品「ハンバーガー」(以下「申立人商品」という。)を表示するものとして日本国内及び国際的に周知著名な商標である旨述べ、甲第5号証ないし甲第41号証を提出している。
しかしながら、上記証拠からは、申立人商品について我が国で営業を開始した時期や展開している店舗数など、我が国における申立人の具体的な営業活動の状況は明らかでなく、我が国における申立人商品に関する広告の事実を示す証拠として、わずかに雑誌「ブルータス」の2011年(平成23年)8月1日号(甲第39号証)及び平成24年3月27日付け毎日新聞(甲第14号証)が提出されているだけである。
そうとすれば、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願の時(平成23年8月30日登録出願)ないし登録査定時(平成24年1月5日登録査定)において、日本国内の需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。
さらに、申立人は米国カリフォルニア州を中心に260以上の店舗をチェーン展開している一方、申立人商品に関する宣伝広告は、そのほとんどのものが作成日又は撮影日が不明のものであったり、インターネット上に掲載されたものは、その掲載日が不明なものである。また、ラジオ、テレビ等による宣伝広告やニュース番組にしても、その放送年月日などを明確には把握することができないものである。
そうすると、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、米国のカリフォルニア州を中心とした一部の地域においては、その需要者に、ある程度知られていたとうかがい知ることができるものの、その範囲を超えてなお、米国などの外国において周知・著名性を獲得していたと認めることは困難であるといわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「in and out」の文字からなるものであり、該文字に相応して、「インアンドアウト」の称呼を生ずるものであって、「内と外」のごとき意味合い(観念)を想起させるものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、前記2(1)アのとおり、「IN-N-OUT」の文字からなるものである。そして、該構成文字はまとまりよく一体に表されているものであって、それから生ずると認められる「インアウト」の称呼も一気に称呼し得るものである。
そうすると、引用商標1は、その外観及び称呼からみて、その構成全体をもって一体不可分の商標を表したものと理解され、また、その構成文字は、全体として特定の意味を有するものとして、我が国において親しまれているものとはいえないから、特定の観念(意味合い)を生じないものと理解されるというのが相当である。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「インアウト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというべきである。
(イ)引用商標2は、前記2(1)イのとおり、「IN-N-OUT BURGER」の文字からなるものであって、その構成中「BURGER」の文字部分は、指定商品「チーズバーガー,ハンバーガー」との関係から、自他商品の識別機能を有しない部分といえる。
そうすると、引用商標2は、その構成文字全体から「インアウトバーガー」の称呼を生じるほか、その構成中の「IN-N-OUT」の文字部分が独立して自他商品の識別機能を果たし得るというべきであるから、該文字に相応し「インアウト」の称呼をも生ずるものである。
また、引用商標2は、前記(ア)で認定した引用商標1と同様の理由により、特定の観念を生じないものというべきである。
(ウ)引用商標3は、別掲のとおり、下部から斜め左上に上昇し、中程で右に折れ、やや右下に向かう矢印を輪郭で表し、該矢印の下部を貫くように、「IN-N-OUT」の文字を大きく横書きし、該文字の右下に、「BURGER」の文字を小さく横書きしてなるものであり、その構成中の「BURGER」の文字部分は、ハンバーガーなどの指定商品との関係から、自他商品の識別機能を有しない部分といえる。
そうすると、引用商標3に接する取引者、需要者は、該商標の構成中の顕著に表された「IN-N-OUT」の文字部分に着目して取引に当たる場合が少なくないというのが相当である。
してみれば、引用商標3は、前記(イ)で認定した引用商標2と同様の理由により、「インアウトバーガー」及び「インアウト」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を生じないものというべきである。
(エ)なお、申立人は、引用商標を構成する「IN-N-OUT」の文字のうち、中間部の「N」は、「and」を省略するものとして使用されているから、引用商標は「出たり入ったり」の観念が生ずる旨主張する。
しかし、「and」を、その省略形(短縮形)として「’n」と表すことがあるとしても、本件商標のように、大文字「N」で表し、かつ、その左右にハイフンを配したものが、「and」の省略形(短縮形)を表すものとして、我が国において普通に使用され認識されると認め得る事情は見いだせない。
してみれば、引用商標を構成する「IN-N-OUT」の文字は、前記認定のとおり、特定の観念を生じないものというべきであるから、申立人の主張は理由がなく採用することができない。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、それぞれ前記1及び2のとおりの構成からなるものであるから、外観上明らかに区別し得る差異を有するものといえる。
また、本件商標から生ずる「インアンドアウト」の称呼と引用商標から生ずる「インアウト」の称呼とは、中間部において「アンド」の音の有無の差異を有し、該差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼した場合においても、その語調、語感が明らかに相違し、称呼上互いに紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標は前記アのとおり「内と外」ごとき意味合い(観念)を想起させるのに対し、引用商標は前記イのとおり特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 以上によれば、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は理由がない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)認定のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。加えて、前記(2)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
してみると、本件商標に接する需要者が引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする申立人の主張も理由がない。
(4)商標法第4条第1項第19号について
前記(1)認定のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、米国カリフォルニア州を中心とした一部の地域の需要者の間で、ある程度知られていたとうかがい知ることができるものの、その範囲を超えて日本国内又は外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
また、前記(2)認定のとおり、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
してみると、本件商標と引用商標とが類似の商標であること及び引用商標の著名性を前提とし、本件商標が引用商標の顧客吸引力にフリーライドする目的をもって使用するものであるとする申立人の主張は、理由がない。
その他、本件商標が不正の目的をもって使用するものであると認めるに足りる事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する商標と認めることはできない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標3)




異議決定日 2012-10-24 
出願番号 商願2011-61862(T2011-61862) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X30)
T 1 651・ 222- Y (X30)
T 1 651・ 271- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 堀内 仁子
梶原 良子
登録日 2012-01-27 
登録番号 商標登録第5465978号(T5465978) 
権利者 株式会社プロザウス
商標の称呼 インアンドアウト 
代理人 栫 生長 
代理人 中山 健一 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ