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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X43 審判 全部申立て 登録を維持 X43 |
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管理番号 | 1266130 |
異議申立番号 | 異議2012-900083 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-04-05 |
確定日 | 2012-11-02 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5469769号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5469769号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5469769号商標(以下「本件商標」という。)は、「すしざむらい」の平仮名を標準文字で表してなり、平成23年9月2日に登録出願、第43類「飲食物の提供,飲食物の提供に関する指導・助言・情報の提供,会議のための施設の提供」を指定役務として、同24年1月19日に登録査定され、同年2月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5003675号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成14年6月19日に登録出願、第30類「すし」及び第43類「すしを主とする飲食物の提供」を指定商品又は指定役務として、同18年11月17日に設定登録されたものである。 3 本件登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当すものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申し立て、その理由の要旨以下のように述べ、甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「すしざむらい」を標準文字で表してなり、引用商標は、その構成中の「すしざんまい」の文字が「つきじ喜代村」及び「SUSHIZANMAI」に比べて圧倒的な大きさをもって中心に大きく目立つように書かれていることから、引用商標に接した需要者・取引者は「すしざんまい」の文字部分に注意を引きつけられることから、「すしざんまい」の部分が引用商標の要部といえる。 そこで、両者を比較すると、本件商標から生ずる「スシザムライ」と引用商標から生ずる「スシザンマイ」とは、比較的強い印象を受ける先頭の「スシザ」の3音を共通にし、語尾の「イ」の音も一致し、4音目の「ム」の音と「ン」の音は、語感(語音)が極めて弱く、5音目の「ラ」の音と「マ」の音は、母音が共通し、語の響きが非常に近いものであり、「シスザムライ」と「スシザンマイ」を一連で発音した場合には、これらを聞き間違えるおそれが極めて高く、両者は称呼上類似する。さらに、本件商標と引用商標は、文字数が同一で、共に漢字を含まない平仮名6文字の構成であり、相違する文字は文字列全体の中間位置にあって目立たないことから、外観上類似するものである。そして、本件商標は、引用商標に係る指定役務をその指定役務として含むものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、「すしざんまい」の名称で東京を中心として毎年のように複数の寿司店を開店し、全国に40数店舗の展開を行うに至っている。 申立人は広告宣伝を積極的に行い、マスコミに頻繁に取り上げられることにより、申立人の店舗は、「すしざんまい」の名称で、広く需要者・取引者間に親しまれ、全国的に知られるようになった(甲第3号証ないし甲第19号証)。 したがって、本件商標がその指定役務に使用された場合、文字構成や語感の共通性と相まって、申立人の業務に係るものであると誤って認識するおそれが高いものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり、「すしざむらい」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成全体で、「鮨」に通ずる「すし」と「侍」に通ずる「さむらい」を連綴させ、「さ」を連濁したものと認められ、これよりは、「鮨の侍」程の意味合い(観念)を生じ、「スシザムライ」の称呼を生ずるものである。 他方、引用商標は、別掲のとおり、筆書き風文字で上段に「つきじ喜代村」、同じく筆書き風文字で中段に「すしざんまい」(「す」の文字の左下方に「し」の文字が縦書きされている。)、下段に「SUSHIZANMAI」の欧文字を三段に横書きしてなるものであるところ、上段の「つきじ喜代村」は、地名「築地」と申立人の社名「喜代村」との結合によりなるものと把握され、これよりは、「築地の喜代村」の観念を生じ、「キヨムラ」又は「ツキジキヨムラ」の称呼を生じ、さらに、中段の「すしざんまい」は、「鮨」に通ずる「すし」と「むやみやたらにするさま。」を意味する「三昧」に通ずる「ざんまい」の文字とを連綴してなるものと把握され、これよりは、「すしをむやみやたらにする(食する)」程の意味合い(観念)を生じ、更にまた、下段の「SUSHIZANMAI」は、中段の「すしざんまい」のローマ字表記と認められるものであるから、これらよりは、「スシザンマイ」の称呼を生ずるものと認められる。 そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観においては、十分に区別し得る差異を有するものであり、称呼においては、本件商標の称呼が「スシザムライ」であるのに対し、引用商標の称呼は、「キヨムラ」、「ツキジキヨムラ」又は「スシザンマイ」であるから、「スシザムライ」と「キヨムラ」又は「ツキジキヨムラ」の称呼とは、その音構成及び構成音数が明らかに相違するから十分に聴別できるものである。 また、「スシザムライ」と「スシザンマイ」の称呼とを比較すると、さほど冗長とはいえない6音の音構成において、その内の中間音に位置する4音目の「ム」と「ン」、5音目の「ラ」の音と「マ」の音の2音が相違するところ、該差異音が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえないことから、両者をそれぞれ一連に称呼したときは、その語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。 そして、本願商標と引用商標とは、観念においては、明確に区別し得るものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人の提出した甲各号証によれば、申立人「株式会社喜代村」は、2001年4月に、すし店「すしざんまい」を開店し、その後、本件の登録出願前において首都圏(37店舗)、横浜・川崎(各1店舗)、北海道(2店舗)、福岡(3店舗)の合計44店舗を展開し、売上高については、2001年には約15億円あり、毎年増加し、2011年には約90億円(甲8)であることが認められる。 そして、テレビには81回(甲4)、新聞・雑誌には100回(甲5)取り上げられており(但し、放映の掲載内容は不明)、また、本件商標の登録出願後ではあるが、平成24年1月5日頃に、大間産の鮪を高額で落札したとの記事が11紙(甲6ないし16)の新聞に掲載された。 以上からすれば、申立人の経営するすし店「すしざんまい」は、本件商標の登録出願時において、役務「すしの提供」を表示する店舗名として、取引者、需要者の間に一定程度知られていたものといえるものである。 しかしながら、本件商標は、前記1のとおり、「すしざむらい」の文字を標準文字で表してなるものであり、申立人のすし店の店舗名「すしざんまい」とは、前記(1)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似のものであるから、申立人の経営するすし店「すしざんまい」が、取引者、需要者の間に知られているとしても、本件商標をその指定役務について使用した場合に、これに接する取引者、需要者が申立人若しくは申立人の経営するすし店を連想、想起するようなことはないというべきであり、該役務が申立人若しくは申立人の経営するすし店、又は申立人及び申立人の経営するすし店と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
異議決定日 | 2012-10-25 |
出願番号 | 商願2011-63160(T2011-63160) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X43)
T 1 651・ 262- Y (X43) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 清棲 保美 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 内山 進 |
登録日 | 2012-02-10 |
登録番号 | 商標登録第5469769号(T5469769) |
権利者 | 株式会社モンテローザ |
商標の称呼 | スシザムライ、ザムライ |
代理人 | 増子 尚道 |
代理人 | 三田 大智 |
代理人 | 中畑 孝 |
代理人 | 市橋 俊一郎 |