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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X1237
管理番号 1265968 
審判番号 不服2011-17967 
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-08-19 
確定日 2012-10-18 
事件の表示 商願2010- 57649拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「カーボンオフセットカー」の文字を標準文字で表してなり、第12類、第35類及び第37類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年7月22日に登録出願されたものであるが、その後、その指定商品及び指定役務については、原審における平成23年2月1日受付の手続補正書及び当審における同年8月19日受付の手続補正書により、第12類「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車の部品及び附属品」及び第37類「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車の部品の修理又は整備」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせること。』の意味を有する『カーボンオフセット』の片仮名文字と、『自動車』の意味を有する英語、『car』の表音を表したものとして一般に知られ親しまれている『カー』の片仮名文字とを結合した『カーボンオフセットカー』の文字を書してなるところ、近年、環境問題意識の高まりのもと、様々な分野において、カーボンオフセットの仕組みを取り入れた商品の販売又は役務の提供が行われており、また、カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車が販売されている実情がある。してみれば、本願商標は全体として、『カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車』ほどの意味合いを認識させるにすぎず、これをその指定商品・指定役務中、第9類『カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車並びにその部品及び附属品』、第37類『カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車の修理又は整備』に使用しても、単に商品の品質・役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における手続の経緯
当審において、請求人に対し、「本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する」旨の平成24年4月17日付けの審尋書(別記のとおり)を発し、改めて意見を求めた。
これに対し、請求人は、平成24年6月21日受付の回答書を提出した。

第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号について
本願商標は、「カーボンオフセットカー」の文字からなるところ、その構成前半の「カーボンオフセット」の文字は、以下(1)及び(2)によれば、「自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量(クレジット)の購入等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせること」の意味合いを表す語と認められるものである。

(1)「環境省」に係るウェブサイト
(http://www.j-cof.go.jp/document/newsDB/0234_02.pdf)
「平成22年度カーボン・オフセット白書の概要」の見出しの下、「<カーボン・オフセットとは>(1)自らの温室効果ガスの排出量を認識し、(2)主体的にこれを削減する努力を行うとともに、(3)削減が困難な部分の排出量について、(4)他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量(クレジット)の購入等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいいます。」との記載がある。
(2)「現代用語の基礎知識」(2011年1月1日自由国民社発行)
「カーボンオフセット」[Carbon offset]の項には、「日常生活や経済活動にともなう温室効果ガスの排出について、自らによる削減が困難な部分の排出量に見合った削減活動に投資することなどにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。欧州等での取組みが活発であり、日本でも『カーボン・オフセットフォーラム』などによる取組みが進んでいる。」との記載がある。
ところで、近年における環境問題に関する意識の高まりを背景に、様々な分野において、上記意味を有する「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた商品の販売や役務の提供が一般に行われているところであり、このような商品や役務が、例えば、「カーボンオフセットはがき」(http://eco.kinomama.jp/lohas/yogo/337/post_3541/)、「カーボンオフセットカレンダー」(http://www.pripress.co.jp/cos/)、「カーボンオフセットリース」(http://www.ctl.co.jp/service/lease/carbon.html)、「カーボンオフセット旅行」(http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1pagenum=1index=2008000247)及び「カーボンオフセット葬儀」(http://www.willife.com/?page_id=346)のように、「カーボンオフセット」の文字と商品名又は役務名を組み合わせ、「カーボンオフセット○○」(「○○」は商品名又は役務名)と称されている事実がある。

また、「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた自動車が、「カーボンオフセットカー」「カーボンオフセット自動車」「カーボンオフセット車」と称されている事実が、審尋書において示した証拠を含む以下のインターネット情報、新聞記事情報から見いだせる。

(3)「金貸しは、国家を相手に金を貸す」を表題とするウェブサイト
(http://www.financial-j.com/blog/2008/07/000586.html)
「2008年07月04日/炭素本位制時代は来るのか? 2 (『カーボンオフセット』って何?)」の項に、「カーボンオフセットとは、CO2を排出する活動をした際に、その CO2の排出量を計算し、その排出量に見合ったCO2削減活動に投資や寄付することで、排出されたCO2を埋め合わせるという考え方です。」、「以上、3つほど紹介しましたがこれらはほんの一部です。その他、カーボンオフセットカー、・・・などもあります」の記載がある。
(4)「環境省」に係るウェブサイト
(http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset/cc-tpc.pdf)
「カーボン・オフセットの取組に対する第三者認証機関による認証基準」を表題とする平成23年4月作成に係る報告書の16頁には、「参考資料1 認証基準に基づく申請可能な想定事例」の項目に、「商品使用・サービス利用オフセット」の認証区分に対応する想定事例の1として、「 カーボン・オフセット自動車」が挙げられ、「【申請者:製造業者】/製造する自動車の製造時のCO2排出量(工場内における当該製品に係る電力・燃料使用)をオフセットする。」の記載がある。
(5)「株式会社バリュープレス 」に係るウェブサイト
(http://www.value-press.com/pressrelease/29725)
「有限会社VBC カーボンオフセット自動車でレース出場」の見出しの下、「モータースポーツレースチームの運営企業 有限会社VBCは、自動車レースイベント『HDX シリーズ2008』において車輌が走行することで排出される二酸化炭素を植林によりカーボンオフセットを実施した。」の記載がある。
(6)「地球環境改善委員会 」を表題とするウェブサイト
(http://08kakogawajc-tikyuukannkyo.blogspot.jp/2008/03/blog-post.html)
「加古川発・地球温暖化防止地域連携削減推進加古川流域社会モデル 提案発表会」の項目の「趣旨(会および今回の研究会の)」に、「加古川流域の森林・・・の二酸化炭素吸収・炭素固定貢献を、中下流部等の都市や工場・事業者等の温室効果ガス排出量の削減と絡めて、加古川流域全体の温室効果ガスの排出量や吸収量の算定・検証、評価・認証、交換・取引に係わる評価システム全般の制度設計の中で位置づけ、流域および流域社会を温室効果ガス削減のモデルユニットとして提案するものです。基礎的な提案としては、フォレストカーボン・オフセットの加古川流域モデル、およびその実施可能なオフセットメミューを、吸収実績の上がっている山側とカーボンオフセットに期待を寄せる都市排出側(企業等)との交換・取引のマッチングをマネジメントし、その相互のコラボレーション可能な環境づくりに努め、・・・森を中心とした“南北軸連携”を21世紀の持続可能な社会モデルとして提示することで、『低炭素社会』づくりのあり方を世界に向けて提唱することを目的としています。」の記載及び「参考事例」中に、「森林証明書付きカーボンオフセット自動車販売システム 」の記載がある。
(7)「日本環境ジャーナリストの会」に係るウェブサイト
(http://www.jfej.org/kirokubox/kiroku1.htm#2008)
「活動記録/2008」の項目には、「08年度第2回勉強会『カーボン・オフセット』」の見出しのもと、「國田さんはカーボン・オフセットという言葉が、今年度上半期の日経MJ(流通新聞)キーワードの『東の関脇』になったことを取り上げ、『なんで、と思うくらいの注目度を集めている』と切り出した。話題になったのは『カーボンオフセット年賀状』や『カーボンオフセット旅行』、『カーボンオフセット自動車』などなど・・・。今年6月時点で、カーボン・オフセットビジネスは約80件にのぼるといいます。」、「カーボン・オフセットは『知って、減らして、オフセット』。つまり(1)自分が出したCO2排出量を把握する(2)省エネ活動などで削減努力する(3)削減が困難な排出量を把握(4)その排出量をクレジットで埋め合わせる??という流れで、CO2排出量の『見える化』『価値化』を図る。オフセット(=相殺)する3本柱は、植林、グリーン電力証書、CDM(クリーン開発メカニズム)だ。」の記載がある。
(8)「@Press」に係るウェブサイト
(http://www.atpress.ne.jp/view/9766)
2008年12月1日の株式会社カシックスのプレスリリース詳細の項には、「運輸業界初!/“カーボン・オフセット車”の先進的導入を開始!/京都クレジットによる目標達成を後押し」の見出しの下、「京都議定書が生まれた京都を拠点とする物流企業 株式会社カシックス・・・は、このたび『カーボン・オフセット』車両の導入を開始しました。・・なお、リーディングカーであるカーボンオフセット車については、対象期間完了後、誤差値に対する補正(追加償却や目標値の修正)を行い、オフバランス化を図ります。」の記載がある。
(9)「ロジザード株式会社」に係るウェブサイト
(http://www.weekly-net.co.jp/logistics/post-3382.php)
「カーボンオフセットでCO2排出量『ゼロ』の2t車」の見出しの下、「カシックス(京都市伏見区)のトラックは、CO2を出さない究極のトラックだ。見た目は通常の2tディーゼル車だが、同社の藤田周士社長は『このトラックは、カーボンオフセット車。排出するCO2はインドのバイオマス工場との排出権売買によって、排出量がゼロになる』と説明する。」の記載がある。
(10)「車修理ネット便り」と題するウェブサイト
(http://www.recycle-parts.com/tayori/27)
「カーボンオフセット」の見出しの下、「最近耳にする機会の多くなった、カーボンオフセットですが、これってなんでしょう?わかりやすく言うと、既に排出してしまった二酸化炭素を、別な場所や方法で相殺する。って事です。」、「一番新しい商品としては、日産のマーチにカーボンオフセット車が出ました。」の記載がある。

以上のとおり、「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた商品の販売や役務の提供が行われており、このような商品や役務を、「カーボンオフセット」の文字と商品名又は役務名とを組み合わせて「カーボンオフセット○○」と称されていること、また、「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた自動車については、「カーボンオフセットカー」「カーボンオフセット自動車」「カーボンオフセット車」と称されていることが認められる。
してみれば、「カーボンオフセットカー」の文字よりなる本願商標からは、これに接する需要者をして、「カーボンオフセット」と、「自動車」を意味する語としてよく知られている「カー」とを組み合わせたものと理解させ、全体として、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務について使用しても、これに接する需要者が、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車」に関する商品又は役務であることを認識するにとどまり、これ以上に、何ら自他商品及び自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
なお、審尋においても記載したとおり、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶したものであるが、原査定における同法第3条第1項第3号該当性と同第6号該当性については、いずれも、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有するものではなく、同法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという判断に至るものであるから、両者は、その判断の内容において実質的に相違するものではない。

2 請求人の主な主張について
(1)請求人は、審尋に対する回答書において、本願商標は、その指定商品及び指定役務に「自動車」を直接指定しているものでなく、「自動車の部品及び附属品」及び「自動車の部品の修理又は整備」を指定しているところ、指定商品及び指定役務との関連では、間接的に表示する商標であって、その商品の品質又は役務の質を表すものとして、この種業界において、取引上普通に使用されているものとはいえないから、単に商品の品質又は役務の質を表示するにすぎないものではなく、十分に自他役務標識として機能することができるものであり、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない旨、主張する。
しかしながら、審尋においては、本願商標は、「単に商品の品質又は役務の質を表示するにすぎない」と認定したものではない。本願商標は、これをその指定商品又は指定役務について使用しても、これに接する需要者が、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車」に関する商品又は役務であることを認識するにとどまり、これ以上に、何ら自他商品及び自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものといえるものであって、商標法第3条第1項第6号に該当するものといわざるを得ないと述べたものである。
したがって、請求人の上記主張は、その前提において当を得ておらず、採用することができない。
(2)請求人は、前記1に挙げる事例のうち、「カーボンオフセットはがき」(商願2009-65045号)と請求人が挙げる「カーボンオフセット年賀」(登録第5425780号商標)については、いずれも郵政事業株式会社にかかる(登録)商標であるから、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた商品・役務」について各種の商品・役務の分野で「カーボンオフセット○○」と表示し、普通に使用され、親しまれている事例とすることはできない旨、また、前記1に挙げる事例には、「カーボンオフセットカー」の記載がなく、「カーボンオフセットカー」の表示が、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車の部品及び附属品」を意味するものとして取引上普通に使用されていることを立証するものではない旨、主張する。
しかしながら、請求人が挙げる「カーボンオフセット年賀」の登録商標については、「カーボンオフセット」の文字と商品名とを組み合わせたものではなく、当審においても、これを前記1に挙げる事例として採用していない。
また、「カーボンオフセットはがき」に係る商標登録出願は、既に、「『カーボンオフセットはがき』が、『カーボンオフセット』と、商品の普通名称『葉書』の平仮名表記『はがき』の文字とを組み合わせたものであることを前提に、自他商品(自他役務)の識別標識としての機能を果たし得ない」旨の拒絶の査定が確定(平成23年12月7日)しているものである。
加えて、前記1に挙げる事例には、「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた自動車を「カーボンオフセットカー」を始め、「カーボンオフセット自動車」等と称されていることが認められること等からすれば、本願商標は、これに接する需要者をして、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車」程の意味合いを容易に認識させるものである。そうしてみると、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務について使用しても、これに接する需要者が、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車」に関する商品又は役務であることを認識するにとどまり、これ以上に、何ら自他商品及び自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものといえる。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

3 結語
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとした前記第3の審尋書は妥当なものである。
したがって、本願商標は、商標登録することができないから、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別記
【平成24年4月17日付けの審尋書】

本願商標は、以下のとおり、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。
よって、この点につき、改めて意見があれば述べられたい。
なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶したものであるが、原査定における商標法第3条第1項第3号該当性と上記の商標法第3条第1項第6号該当性については、いずれも、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという判断に至るものであるから、両者は、その判断の内容において実質的に相違するものではない。

1 本願商標は、「カーボンオフセットカー」の文字を標準文字で表してなり、第12類、第35類及び第37類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年7月22日に登録出願されたものであるが、その後、その指定商品及び指定役務については、原審における平成23年2月1日受付の手続補正書及び当審における同年8月19日受付の手続補正書により、第12類「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車の部品及び附属品」及び第37類「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車の部品の修理又は整備」と補正されたものである。

2 本願商標は、「カーボンオフセットカー」の文字からなるところ、その構成前半の「カーボンオフセット」の文字は、以下(1)及び(2)によれば、「自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量(クレジット)の購入等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせること」の意味合いを表す語と認められるものである。

(1)「環境省」に係るウェブサイト
(http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=17370&hou_id=13709)
「平成22年度カーボン・オフセット白書の概要」の見出しの下、「<カーボン・オフセットとは>(1)自らの温室効果ガスの排出量を認識し、(2)主体的にこれを削減する努力を行うとともに、(3)削減が困難な部分の排出量について、(4)他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量(クレジット)の購入等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいいます。」との記載がある。
(2)「現代用語の基礎知識」(2011年1月1日自由国民社発行)
「カーボンオフセット」[Carbon offset]の項には、「日常生活や経済活動にともなう温室効果ガスの排出について、自らによる削減が困難な部分の排出量に見合った削減活動に投資することなどにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。欧州等での取組みが活発であり、日本でも『カーボン・オフセットフォーラム』などによる取組みが進んでいる。」との記載がある。
ところで、近年における環境問題に関する意識の高まりを背景に、様々な分野において、上記意味を有する「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた商品の販売や役務の提供が一般に行われているところであり、このような商品や役務が、例えば、「カーボンオフセットはがき」(http://www.carbonoffset-nenga.jp/)、「カーボンオフセットカレンダー」(http://www.pripress.co.jp/cos/)、「カーボンオフセットリース」(http://www.ctl.co.jp/service/lease/carbon.html)、「カーボンオフセット旅行」(http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&p=1&index=2008000247)及び「カーボンオフセット葬儀」(http://www.willife.com/?page_id=346)のように、「カーボンオフセット」の文字と商品名又は役務名を組み合わせ、「カーボンオフセット○○」(「○○」は商品名又は役務名)と称されている事実がある。

また、「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた自動車が、「カーボンオフセット自動車」「カーボンオフセット車」と称されている事実が、以下のインターネット情報、新聞記事情報から見いだせる。
(3)「伊藤忠商事株式会社」に係るウェブサイト
(http://www.itochu.co.jp/ja/business/headquarters/field/04/)
「環境・新エネルギー分野」の項目には、環境・新エネルギー分野における事業紹介のひとつとして「排出権/カーボンオフセット自動車販売」の記載がある。
(4)「日本環境ジャーナリストの会」に係るウェブサイト
(http://www.jfej.org/kirokubox/kiroku1.htm#2008)
「活動記録/2008」の項目には、「08年度第2回勉強会『カーボン・オフセット』」の見出しのもと、「國田さんはカーボン・オフセットという言葉が、今年度上半期の日経MJ(流通新聞)キーワードの『東の関脇』になったことを取り上げ、『なんで、と思うくらいの注目度を集めている』と切り出した。話題になったのは『カーボンオフセット年賀状』や『カーボンオフセット旅行』、『カーボンオフセット自動車』などなど・・・。今年6月時点で、カーボン・オフセットビジネスは約80件にのぼるといいます。」の記載がある。
(5)「@Pressno」に係るウェブサイト
(http://www.atpress.ne.jp/view/9766)
2008年12月1日の株式会社カシックスのプレスリリース詳細の項には、「運輸業界初!/“カーボン・オフセット車”の先進的導入を開始!/京都クレジットによる目標達成を後押し」の見出しの下、「京都議定書が生まれた京都を拠点とする物流企業 株式会社カシックス・・・は、このたび『カーボン・オフセット』車両の導入を開始しました。・・なお、リーディングカーであるカーボンオフセット車については、対象期間完了後、誤差値に対する補正(追加償却や目標値の修正)を行い、オフバランス化を図ります。」の記載がある。
(6)「ロジザード株式会社」に係るウェブサイト
(http://www.weekly-net.co.jp/logistics/post-3382.php)
「カーボンオフセットでCO2排出量『ゼロ』の2t車」の見出しの下、「カシックス(京都市伏見区)のトラックは、CO2を出さない究極のトラックだ。見た目は通常の2tディーゼル車だが、同社の藤田周士社長は『このトラックは、カーボンオフセット車。排出するCO2はインドのバイオマス工場との排出権売買によって、排出量がゼロになる』と説明する。」の記載がある。
(7)「車修理ネット便り」と題するウェブサイト
(http://www.recycle-parts.com/tayori/27)
「カーボンオフセット」の見出しの下、「一番新しい商品としては、日産のマーチにカーボンオフセット車が出ました。」の記載がある。

以上のとおり、「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた商品の販売や役務の提供が行われており、このような商品や役務を、「カーボンオフセット」の文字と商品名又は役務名とを組み合わせて「カーボンオフセット○○」と称されていること、また、「カーボンオフセット」の仕組みを取り入れた自動車については、「カーボンオフセット自動車」「カーボンオフセット車」と称されていることが認められる。
してみれば、「カーボンオフセットカー」の文字よりなる本願商標からは、これに接する取引者、需要者をして、「カーボンオフセット」と、「自動車」を意味する語としてよく知られている「カー」とを組み合わせたものと理解し、全体として、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、「カーボンオフセットの仕組みを取り入れた自動車」に関する商品又は役務であることを認識するにとどまり、これ以上に、何ら自他商品及び自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

審理終結日 2012-07-02 
結審通知日 2012-07-27 
審決日 2012-08-09 
出願番号 商願2010-57649(T2010-57649) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X1237)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 平澤 芳行池田 光治吉田 昌史 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 小川 きみえ
守屋 友宏
商標の称呼 カーボンオフセットカー、カーボンオフセット 
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