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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X01
審判 査定不服 観念類似 登録しない X01
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X01
管理番号 1264413 
審判番号 不服2012-1954 
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-02-01 
確定日 2012-10-02 
事件の表示 商願2009-12768拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「アクロン」の片仮名を標準文字で表してなり、第1類「未加工人造樹脂,粉末状・顆粒状又はペースト状の未加工プラスチック,未加工合成樹脂,顆粒状・粉末状又はペ-スト状の工業用未加工プラスチック合成物」を指定商品として、平成21年2月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4236858号商標(以下「引用商標」という。)は、「スーパーアクロン」の片仮名を横書きしてなり、平成9年6月12日に登録出願、第17類「プラスチック基礎製品」を指定商品として、同20年9月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、「アクロン」の片仮名を表してなるところ、該文字に相応して「アクロン」の称呼を生じることは明らかであり、観念については、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
他方、引用商標は、「スーパーアクロン」の片仮名を横書きしてなるところ、「スーパー」の文字部分は、「『超…』『上の』『より優れた』の意。」等(株式会社岩波書店 広辞苑 第6版)の意味で一般に親しまれている英語である「super」の表音であって、商品の品質の誇称表示としても広く使用されているものであり、本願の指定商品である「合成樹脂、プラスチックス」関連の商品おいても、以下のとおり、「スーパー」の文字が商品の品質を誇称表示するものとして使用されている実情がある。(下線については、当合議体が付記した。)
ア 三和加工(株)のウェブサイトにおいて、「ポリエチレンフォーム、オプセル、スーパーオプセル:三和化工株式会社」の見出しのもと、「スーパオプセル」の商品説明として、「スーパーオプセルとは、オプセルに燃焼機能を付与した商品です。」の記載がある。
(http://www.sanwa-chemi.co.jp/prodcts/opcell.html)
イ 出光興産(株)のウェブサイトにおいて、「出光ユニテック株式会社について-石油化学-出光興産」の見出しのもと、「出光ユニテック株式会社の主要製品」の項の「シート分野」の欄の製品名に「容器成形用透明PPシート『ピュアレイ』」及び「高透明・高剛性PPシート『スーパーピュアレイ』」の記載がある。
(http://www.idemitsu.co.jp/ipc/archieves/2000_1996/000218_1.html)
ウ DIC(株)のウェブサイトにおいて、「メラミン焼付用アルキド樹脂」の見出しのもと、「製品ラインアップ」の項に、商品名として「オイルフリーアルキド樹脂 ベッコライト BECKLITE スーパーベッコライト SUPER BECKLITE」の記載がある。
(http://www.dic-global.com/jp/ja/products/polyester/thermosetting.html)

そして、「スーパー」の文字を冠した「スーパーアクロン」の文字は、特定の観念を生ずるものではないばかりでなく、「スーパーアクロン」の各文字を常に一体的に把握しなければならない特段の事情も見出すことはできないものである。
そうとすれば、引用商標に接する取引者、需要者は、本願商標を構成する前半の「スーパー」の文字部分については、商品の品質を誇称表示したものと理解し、後半の「アクロン」の文字部分を自他商品の識別機能を有する要部として認識し、これから生じる「アクロン」の称呼をもって商取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、引用商標は、その構成中後半の「アクロン」の文字部分に相応して、単に「アクロン」の称呼をも生ずる。
(3)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標とを比較するに、外観においては、両商標はそれぞれ上記(1)及び(2)のとおりであるから、その全体の構成において相違するものの、「アクロン」の文字を共通にする点において、近似するものである。
次に、称呼においては、両商標は「アクロン」の称呼を同一にするものである。
さらに、観念においては、両商標はともに造語であり、特定の観念を生じるものとはいえないから比較し得ないものである。
してみれば、前記のとおり、本願商標と引用商標は、観念において比較し得ないものであるとしても、外観において「アクロン」の文字部分において共通にするものであり、称呼において「アクロン」の称呼を共通にするものであるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標である。
また、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、需要者、取引者等を共通にする互いに類似する商品であるから、本願商標をその指定商品に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張
請求人は、引用商標が外観上及び称呼上分断する理由がなく、また、「アクロン」の文字が既成の言葉でないので、特定の観念を生ずるものでないから、それに「スーパー」の文字を付加したとしても、具体的に何が優れているのか、検討がつかないため引用商標の「スーパー」の文字が具体的な品質表示としては機能していないことは明らかであり、したがって、引用商標に接する取引者、需要者が「スーパー」の語を捨象しない旨主張している。
しかしながら、本願の指定商品に関連する分野においても、「スーパー」の文字が品質の誇称表示として使用されていることは上記のとおりであり、引用商標においては「アクロン」に対して「より優れたアクロン」程の意味合いを容易に認識させるといえるものであるから、外観、観念の点を考慮しても、本願商標と引用商標とをそれぞれの指定商品に使用したときには互いに相紛れるおそれがあるというべきである。
また、請求人は、過去の審決例を示し、本願商標を登録すべきであると主張しているが、請求人の主張している審決例及び登録例をもって本件の判断が拘束されるものでもないから、かかる請求人の主張は採用の限りでない
(5)結語
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-04-27 
結審通知日 2012-05-07 
審決日 2012-05-21 
出願番号 商願2009-12768(T2009-12768) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X01)
T 1 8・ 262- Z (X01)
T 1 8・ 263- Z (X01)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子山田 正樹 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小俣 克巳
梶原 良子
商標の称呼 アクロン 
代理人 長谷川 芳樹 

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