ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X14 審判 一部申立て 登録を維持 X14 審判 一部申立て 登録を維持 X14 |
---|---|
管理番号 | 1263128 |
異議申立番号 | 異議2012-900027 |
総通号数 | 154 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-10-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-01-27 |
確定日 | 2012-08-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5447715号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5447715号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5447715号商標(以下「本件商標」という。)は、「NO SWITCH」の欧文字と「ノースイッチ」の片仮名を上下二段に表してなり、平成23年5月31日に登録出願、第14類「キーホルダー,チャーム,身飾品,時計」のほか、第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月12日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用した商標は、次のとおりの登録商標であり(以下、これらの商標を総称するときは「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。 ア 登録第2184860号商標(以下「引用商標1」という。)は、やや図案化された「swatch」の欧文字を書してなり、昭和60年8月30日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年10月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品を、第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする指定商品の書換登録がなされているものである。 イ 登録第4730932号商標(以下「引用商標2」という。)は、引用商標1と同一の「swatch」の欧文字を書してなり、平成15年3月4日に登録出願、第14類「時計,時計の部品及び附属品,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,キーホルダー,貴金属製宝石箱,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」を指定商品として、同年12月5日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、上段に「NO SWITCH」と欧文字の大文字にて記載し、下段に「ノースイッチ」と片仮名にて記載した二段構成からなるところ、上段の「NO SWITCH」のうちの「NO」の部分は、欧文字2文字からなるものであって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であって、自他商品の識別機能はない。また、「NO」の欧文字2文字は、「ナンバー」の意味の略表示として広く一般的に使用され知られている語であり、この点から見ても、自他商品の識別機能はないものである。そうすると、本件商標の上段において、「NO」の部分から自他商品の識別ができないため、「SWITCH」の部分が取引者・需要者に対して自他商品の識別機能を有している。 そこで、本件商標の上段中の「SWITCH」と、引用商標の「swatch」の称呼を比較すると、本件商標の「SWITCH」からは、自然に「スウイィッチ」(審決注:「スウィッチ」の記載ミスと思われる。)との称呼が生じる。他方、引用商標「swatch」からは、「スウォッチ」との称呼が生じ、両者は、称呼の識別において比較的印象の薄い中間において近似した音「ウィ」と「ウォ」の音を相違するにすぎないから、両者を一連に称呼するときは、その語調・語感が近似し相紛れるものである。 よって、本件商標と引用商標は、称呼を類似にする商標であり、本件商標と引用商標は類似する。 なお、このことは、過去の審決例(甲8)からみても首肯されるべきである。 ことに、申立人は、本件商標の出願前から現在に至るまで継続して、商品「時計、身飾品、キーホルダー」等に引用商標を付して、これらをわが国を含む世界各国において販売してきているから(甲9ないし甲12)、「本件商標を付した商品」と「引用商標を付した商品」とが相紛れるおそれは非常に高いものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、その指定商品中、第14類「キーホルダー、チャーム、身飾品、時計」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (3)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について 本件商標の構成中の「SWITCH」とか「スイッチ」という言葉は、「電気回路を開閉する装置。開閉器」の意味の言葉である(甲13)。 また、「NO ☆☆☆」とか「ノー☆☆☆」といった言葉は、「☆☆☆が無い」との意味と受け取られるものである。 そうすると、本件商標「NO SWITCH/ノースイッチ」に接する取引者・需要者は容易に、「電気回路を開閉する装置が無い」、「入切のスイッチが無い」の観念を理解し、「スイッチが無い時計」に使用される場合は、単に商品の品質を表示するに過ぎないものと認められる。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「電気で動く時計で、駆動開始のためのスイッチがあるもの」、「電波時計で、時刻合わせのためのスイッチがあるもの」、「目覚まし時計(目覚まし機能の入切のためのスイッチが不可欠である)」といった、「スイッチがある時計」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり、「NO SWITCH」の欧文字と「ノースイッチ」の片仮名を上下二段に表してなるところ、その構成中上段の「NO」と「SWITCH」の各文字は、半文字程度の空白をもって表されているとしても、同じ書体、同じ大きさで表されており、後半の「SWITCH」の文字部分が前半の「NO」の文字部分より格別目立つように表現されているものではないから、構成中「NO SWITCH」の文字は、外観上一体的に看取されるものである。 そして、下段の「ノースイッチ」の片仮名は、下段の「NO SWITCH」の文字部分の読みを特定するものとして無理なく理解できるものであり、本件商標の構成文字全体からは「ノースイッチ」の称呼を生ずるものであるが、この称呼にしても格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼し得るものである。 また、全体として、「スイッチがない」程の意味合いを生ずるものであり、「NO」と「SWITCH」の両語を結合した構成文字全体が、既成の観念を有する熟語を形成するものとして知られているものではないが、かかる構成よりなる本件商標にあっては、その構成中の「NO」の文字部分と「SWITCH」の文字部分とを分離して、「SWITCH」の文字部分のみを抽出して観察すべきではない。 してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ノースイッチ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「スイッチ」の称呼は生じないものといわなければならない。 してみると、本件商標より「スイッチ」の文字部分を分離、抽出し、これを前提に、本件商標と引用商標とが「スイッチ」の称呼を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきである。 とりわけ、申立人は、引用商標を「時計,身飾品,キーホルダー」等に付して、本件商標の出願前から現在に至るまで継続して、わが国を含む世界各国において販売しているから、本件商標と引用商標が相紛れるおそれが高い旨を述べているところ、仮に、引用商標が、時計の分野において周知、著名なものであったとしても、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない、非類似の別異の商標であることから本件商標を「時計,身飾品,キーホルダー」に使用しても、申立人商品と合い紛れるおそれがなく、申立人の主張は採用できない。 他に、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見出せない。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について 本件商標は、前記(1)で認定したとおり、その構成全体で「スイッチがない」程の観念を生ずるところ、本件商標の指定商品中「時計」との関係を考慮しても、本件商標に接する一般需要者においては、直ちに、申立人の主張する「スイッチが無い時計」とはどのような商品か、にわかに理解しがたいものとみるのが相当であり、それを裏付けるなんらの証拠の提出もない。 さらに、当審において職権をもって調査するも、本件指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表すものとして、「NO SWITCH」又は「ノースイッチ」の文字が、一般に使用されている事実を発見することができなかった。 そうすると、本件商標は、その指定商品に係る商品の品質等を直接的に表示したものとして認識されるとはいえないものであり、むしろ、商品の特定の品質を表示しない一連の造語としてのみ印象付けられて取引に資されるものとみるのが相当である。 してみれば、本件商標は、その指定商品にかかるいずれの商品について使用しても、商品の品質を表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号にも該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同項第16号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2012-08-14 |
出願番号 | 商願2011-37043(T2011-37043) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(X14)
T 1 652・ 13- Y (X14) T 1 652・ 272- Y (X14) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 浜岸 愛 |
特許庁審判長 |
水茎 弥 |
特許庁審判官 |
渡邉 健司 前山 るり子 |
登録日 | 2011-10-28 |
登録番号 | 商標登録第5447715号(T5447715) |
権利者 | ステラケミファ株式会社 株式会社マイサ |
商標の称呼 | ノースイッチ、ノースウイッチ |
代理人 | 吉村 仁 |
代理人 | 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 |