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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X0941
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X0941
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X0941
管理番号 1262992 
審判番号 不服2010-27305 
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-03 
確定日 2012-09-12 
事件の表示 商願2009-66250拒絶査定不服審判事件について、平成23年9月28日にした審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成23年(行ケ)第10372号、平成24年7月12日判決言渡)があったので、さらに審理の上、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ファンタジーライフ」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第41類に属する別掲1に記載されたとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年8月31日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5275296号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成21年6月30日に登録出願、第9類「オンラインゲームのためのコンピューターソフトウェア、コンピューターゲームのためのソフトウェア、その他のコンピューター用ソフトウェア」及び第41類「インターネット上でのオンラインゲームの提供」を指定商品及び指定役務として、同年10月23日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「ファンタジーライフ」の片仮名を表してなるものであるところ、構成中の「ファンタジー」の文字が「空想。幻想。白日夢。」、同じく「ライフ」の文字が「生活。暮し。生涯。人生。」等の意味(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店発行)を有する外来語として、いずれもよく知られた語であることから、「ファンタジーライフ」の文字は、「ファンタジー」の語と「ライフ」の語を結合したものとして容易に理解、把握されるものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体から「空想生活」ないし「空想上の人生」程の観念を生じるものであり、「ファンタジーライフ」の称呼が生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、デザイン化して表された「mabinogi」の欧文字と該文字中の「b」の文字から「o」の文字の下に該文字よりやや小さく袋文字風に表した「マビノギ」の片仮名を書し、さらに、「mabinogi」と「マビノギ」からなる部分(「以下「『mabinogi/マビノギ』の部分」という。)の右上方に、「fantasy」の欧文字を書し、それに続けて黒色長方形内に白抜き文字で「LIFE」の欧文字を書してなるものである。
そして、「fantasy LIFE」の部分は、「mabinogi/マビノギ」の部分に比し、高さは約5分の1、幅は約2分の1の大きさである。
そうすると、「fantasy LIFE」の部分と「mabinogi/マビノギ」の部分とは、文字の種類及び大きさが異なっているから、分離して認識されるものと認められる。
そして、上記(1)のとおり、「fantasy」は「空想、夢想、ファンタジー」を、「LIFE」は「生命」「生物」「人生」「生活」を意味するいずれも平易な英語であり、「fantasy LIFE」は、この2つの英単語を結合したものと容易に理解、把握されるものであるから、同部分のみを抽出した場合、「空想生活」ないし「空想上の人生」程の観念を生じ、また、同部分から生じる称呼は、「ファンタジーライフ」であると認められる。
他方、「mabinogi/マビノギ」の部分中、「マビノギ」は「mabinogi」の読みを表したものと容易に認識されるものであり、「mabinogi」の欧文字は、「Mabinogion(『マビノギオン』:ウェールズの中世騎士道物語集)」(「小学館ランダムハウス英和大辞典」株式会社小学館発行)に収録されている物語の題号の1つである「マビノギ(Mabinogi)」を指すものである(Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%AE%E3%82%AA%E3%83%B3、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%93%E3%83%8E%E3%82%AE%E5%9B%9B%E6%9E%9D。)が、一般になじみのある語であるとは認められない。
したがって、「mabinogi/マビノギ」の部分からは、特定の観念を生じないか、上記由来を知っている者には、物語の題号の1つである「マビノギ」の観念を生じさせるものであり、また、同部分から生じる称呼は、「マビノギ」であると認められる。
(3)取引の実情等
本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務である第9類「オンラインゲームのためのコンピューターソフトウェア、コンピューターゲームのためのソフトウェア、その他のコンピューター用ソフトウェア」及び第41類「インターネット上でのオンラインゲームの提供」を含む点で共通している。そして、これらコンピュータゲームの分野において、「ファンタジー」の語は、ゲームのジャンル(「空想上の人生・生活を体験することを内容としたゲーム」)を指すものとして使用されていることが認められる。
(4)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標との類否についてみるに、本願商標は、「ファンタジーライフ」の標準文字からなるのに対して、引用商標は、上記のような特徴的な書体で表された「mabinogi/マビノギ」の部分と、右上方の「fantasy LIFE」の部分からなるものであり、両者は外観において著しく異なるものである。
そして、本願商標は、「空想生活」ないし「空想上の人生」程の観念を生じ、「ファンタジーライフ」の称呼を生じるものであるのに対して、引用商標は、「fantasy LIFE」の部分のみを抽出した場合、「空想生活」ないし「空想上の人生」程の観念を生じ、「ファンタジーライフ」の称呼を生じるということができるが、他方、「mabinogi/マビノギ」の部分からは、特定の観念を生じないか、物語の題号「マビノギ」の観念を生じ、「マビノギ」の称呼を生じるものである。
ところで、引用商標は、「fantasy LIFE」の部分と「mabinogi/マビノギ」の部分とからなる結合商標と解されるところ、「mabinogi/マビノギ」の部分は、「fantasy LIFE」の部分よりも大きく(高さは約5倍、幅は約2倍)かつ特徴的な書体で表され、同部分からは特定の観念を生じないか、物語の題号の1つである「マビノギ」の観念を生じさせるから、造語ないし固有名詞として認識され、取引者、需要者に対して商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるものであり、また、同部分から「マビノギ」の称呼が生じることは明らかである。
他方、「fantasy」の語は、「空想、夢想、ファンタジー」を意味する平易な英語であって、「ファンタジー」の語は、コンピュータゲームの分野においてゲームのジャンル(「空想上の人生・生活を体験することを内容としたゲーム」)を指すものとして使用されているから、引用商標の構成中「fantasy LIFE」の部分は、取引者、需要者にコンピュータゲームのジャンルを示すものと認識されることが多いものと認められ、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとは認められない。
そうとすると、引用商標の構成中、「fantasy LIFE」の部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めることはできず、他方、「mabinogi/マビノギ」の部分から出所識別標識として固有の称呼を生じ、観念を生じ得るのであるから、引用商標の構成中「fantasy LIFE」の部分だけを抽出して本願商標と対比することは許されないというべきである。
そして、本願商標と引用商標の構成全体を対比すると、両者は外観において著しく異なり、観念、称呼において一部共通するものの、取引の実情を考慮するならば、類似するとはいえない。
(5)まとめ
以上によれば、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願の指定商品及び指定役務
第9類「携帯電話機用ストラップ及びネックピース,電気通信機械器具,電気通信機械器具の部品及び付属品,レコード,録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD-ROM・DVD-ROM・光ディスク,電子出版物,コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・磁気カード・光ディスク・その他の記録媒体,電子応用機械器具及びその部品,業務用ビデオゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・磁気カード・光ディスク・その他の記録媒体,業務用ビデオゲーム機,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・磁気カード・光ディスク・その他の記録媒体,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・磁気カード・光ディスク・その他の記録媒体,ダウンロードもしくはインストール可能な電子計算機用プログラム及び追加データ,ダウンロードもしくはインストール可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラム及び追加データ,ダウンロードもしくはインストール可能な業務用ビデオゲーム機用プログラム及び追加データ,ダウンロードもしくはインストール可能な携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用プログラム及び追加データ,ダウンロード可能な移動体電話機用ゲームプログラム及び追加データ,ダウンロード可能な映像・画像・音声・音楽,ダウンロード可能な移動体電話用コンピュータプログラム・待ち受け画像・着信音用音楽・着信音用音声,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」
第41類「パーソナルコンピュータによる通信を用いて行なうゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供,家庭用テレビゲームおもちゃまたは業務用テレビゲーム機による通信を用いて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供,携帯用液晶画面ゲームおもちゃによる通信を用いて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供,移動体電話による通信を用いて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供,インターネット又はコンピュータネットワークを通じて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供,電子出版物の提供,パーソナルコンピュータによる通信を用いて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供に関する情報の提供,家庭用テレビゲームおもちゃまたは業務用ビデオゲーム機による通信を用いて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供に関する情報の提供,携帯用液晶画面ゲームおもちゃによる通信を用いて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供に関する情報の提供,移動体電話機による通信を用いて行うゲーム・画像・映像・音声・音楽の提供に関する情報の提供,インターネット又はコンピュータネットワークを通じた対戦ゲームの提供に関する情報の提供,インターネット上で遊戯する電子ゲームの提供に関する情報の提供,娯楽施設の提供,娯楽施設の提供に関する情報の提供,パーソナルコンピュータまたは家庭用テレビゲームおもちゃもしくは業務用ビデオゲーム機用のゲームソフトウェアの解説または攻略方法に関する情報の提供,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のゲームソフトウェアの解説または攻略方法に関する情報の提供,テレビゲームイベントの企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,オンラインによる映像・音楽及び音声の提供,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」

2 引用商標


審決日 2012-08-22 
出願番号 商願2009-66250(T2009-66250) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X0941)
T 1 8・ 263- WY (X0941)
T 1 8・ 261- WY (X0941)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石戸 拓郎田中 敬規浦辺 淑絵 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 大塚 順子
内山 進
商標の称呼 ファンタジーライフ 
代理人 辻 哲哉 

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