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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X093638414245
審判 全部申立て  登録を維持 X093638414245
審判 全部申立て  登録を維持 X093638414245
管理番号 1261683 
異議申立番号 異議2011-685023 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-11-08 
確定日 2012-06-18 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1041762号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1041762号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1041762号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2009年10月23日にドイツにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2010年(平成22年)4月22日に国際商標登録出願、平成23年4月14日に登録査定され、第9類、第36類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年8月19日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下(1)ないし(4)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5353981号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成21年7月14日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年9月17日に設定登録されたものである。
(2)登録第5353980号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成21年7月14日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年9月17日に設定登録されたものである。
(3)登録第4594994号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、1998年8月3日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成11年2月3日に登録出願、第9類、第16類及び第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年8月16日に設定登録され、その後、同24年4月3日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(4)登録第5426866号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲5のとおりの構成からなり、平成21年7月14日に登録出願、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23年7月22日に設定登録されたものである。
(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
(1)引用商標の著名性について
申立人の親会社であるザ・トラベラーズ・インシュランス・カンパニーは、1864年にアメリカ合衆国で設立され、1865年に生命保険業の提供サービスを開始しており、今日のアメリカ合衆国では、営利損害保険及び代理店を通しての個人保険のいずれについても、2番目に位置する大手の売り手であって、従業員数は3万人に及び、直接的及び間接的にアメリカ合衆国及び世界各国の個人、法人、団体に保険、金融サービスを提供し続けており、申立人関連業社は、世界90カ国以上にネットワークを有し、アメリカ合衆国内だけでも1万3千の代理店がある。
引用商標を含む傘のロゴマークは、1960年に正式に申立人及びその関連会社のコーポレート・シンボルとして採用されて以来、日本その他の国において、継続的かつ広範囲に使用されている。
以上のとおり、引用商標は、長年にわたり世界各国で、申立人に係るものとして、保険業務を中心に使用された結果、本件商標の国際登録日前に、世界的に著名な商標となっていることから、少なくとも保険業務に関連する商品、役務について、一般需要者は、引用商標が申立人に係る商品、役務を指し示すものと理解する可能性が非常に高い。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、一見して「傘」を表したものと認識できるから、「傘」の称呼及び観念が生ずるものである。
他方、引用商標1ないし引用商標3は、一見して「傘」を表したものと認識できるから、「傘」の称呼及び観念が生ずるものであり、また、引用商標4は、「TRAVELLERS」の欧文字と「傘」の図形とから構成されるものと認識できるから、その図形部分に相応して、「傘」の称呼及び観念を生ずるものである。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし引用商標3とは、外観、称呼及び観念において類似するものであり、また、本件商標と引用商標4とは、称呼及び観念において類似するものである。
また、本件商標に係る指定商品及び指定役務と引用商標に係る指定商品及び指定役務とは、類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
上記(1)及び(2)において述べたとおり、引用商標は、保険及び金融関連の商品及び役務の分野においては、申立人に係る商品及び役務を指し示すものと理解されているというのが実情であり、また、本件商標と引用商標とは、類似するものであることからすれば、一見して「傘」を表したものと認識される本件商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合、該商品又は役務が申立人の業務に係るものであるかのように、その商品又は役務の出所について誤認混同されるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同項第15号に該当する。
(4)まとめ
上記(2)及び(3)のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号又は同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、略半円形と一端を湾曲させてなる直線との組み合わせからなるものであって、その構成全体を赤色の極太線により一筆書き風に表してなるものであるところ、その構成態様に照らせば、直ちに特定の事物を表したものとして看取、把握されるものとはいい難いとみるのが相当であるから、これより、特定の称呼及び観念を生ずることはないものである。
イ 引用商標1及び引用商標2
引用商標1及び引用商標2は、それぞれ別掲2及び3のとおり、上向き略半円形の下線部を3つの等長の上向き弧線で表してなるものと、その下方の該上向き弧線の中央部に近接した位置に欧文字の「J」のように表してなる細線を配してなるものであって、前者は、その構成全体について赤色の彩色を施してなる一方、後者は、その構成全体について黒色の彩色を施してなるところ、その構成態様に照らせば、「傘」を図案化したものとして看取、把握される場合があるとみるのが相当である。
そうとすると、引用商標1及び引用商標2は、それぞれ図案化してなる赤色の傘及び図案化してなる黒色の傘を表したものとして認識され得るものであるが、特定の称呼及び観念を生ずるとまではいい難いものである。
ウ 引用商標3
引用商標3は、別掲4のとおり、その構成態様を概ね引用商標2と同じくするものであって、その構成中の上向き略半円形の頂部に突起を有するものである。
そうとすると、上述した引用商標2における場合と同様に、図案化してなる黒色の傘を表したものとして認識され得るものであるが、特定の称呼及び観念を生ずるとまではいい難いものである。
エ 引用商標4
引用商標4は、別掲5のとおり、「TRAVELLERS」の欧文字の右方に近接して、引用商標2と同一の標章を配してなるところ、その構成中の欧文字部分は、「トラベラー」の読み及び「旅行者」の意味を有する英語として一般に広く知られている「traveller」の複数形を表したものとして容易に理解されるものであることからすれば、引用商標4は、上記意味を有する既成の英単語と図案化してなる黒色の傘を表したものとして認識され得る図形とを組み合わせてなるものとして看取、把握されるとみるのが相当である。
そうとすると、引用商標4は、その構成中の「TRAVELLERS」の文字部分から、「トラベラーズ」の称呼及び「旅行者」の観念を生ずるとはいえるものの、その構成全体又はその構成中の図形部分から特定の称呼及び観念を生ずるとまではいい難いものである。
オ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、それぞれ別掲1ないし5に示すとおりの構成からなるものであって、外観において明らかな差異を有するものであるから、容易に区別し得るものである。
また、本件商標は、上記アにおいて述べたとおり、特定の称呼及び観念を生ずることのないものであるのに対し、引用商標1ないし引用商標4は、上記イないしエにおいて述べたとおり、それぞれの構成態様に相応して、特定の称呼及び観念を生ずることがないか又はその構成中の「TRAVELLERS」の文字に相応する「トラベラーズ」の称呼及び「旅行者」の観念を生ずるものであるから、両商標は、称呼及び観念において、互いに紛れるおそれのないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして取引者、需要者に広く認識されている旨主張しているが、申立人の提出に係る甲各号証からは、引用商標が、USPTO(アメリカ特許商標庁)やOHIM(欧州共同体商標意匠庁)において、第36類に属する役務について登録されていることや、自らのホームページにおいて、引用商標4(ただし、その構成中の図形部分には赤色の彩色が施されている。)を使用していること等をうかがい知ることはできるものの、本件商標の登録出願日に既に取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、引用商標が、申立人の業務に係る商品及び役務(特に保険業務に関連するもの)について使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表すものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められない。
そして、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品又は指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標又は申立人を連想、想起するようなことはなく、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのごとく、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】





異議決定日 2012-06-13 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X093638414245)
T 1 651・ 271- Y (X093638414245)
T 1 651・ 25- Y (X093638414245)
最終処分 維持  
前審関与審査官 千葉 麻里 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田中 敬規
酒井 福造
登録日 2010-04-22 
権利者 Tjark Auerbach
代理人 加藤 義明 
代理人 太田 誠治 
代理人 山崎 和香子 
代理人 北村 修一郎 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 村井 康司 

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