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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0912 審判 全部申立て 登録を維持 X0912 |
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管理番号 | 1261677 |
異議申立番号 | 異議2012-900036 |
総通号数 | 153 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-02-02 |
確定日 | 2012-08-20 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5448697号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5448697号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5448697号商標(以下「本件商標」という。)は、「イージースマート」の文字を標準文字で表してなり、平成23年4月14日に登録出願、第9類「自動車用扉の施錠・解錠の操作を行なうための電子回路を内蔵した携帯機,自動車用扉の施錠・解錠及びエンジンの始動操作を行なうための電子回路を内蔵した携帯機,電子回路を内蔵した携帯機を用いた自動車用扉の施錠・解錠装置,電子回路を内蔵した携帯機を用いた自動車用扉の施錠・解錠及びエンジン始動装置,電気式又は電子式盗難防止装置,電気式又は電子式施解錠装置,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第12類「自動車用盗難防止装置,自動車の部品及び附属品」を指定商品として、同年9月16日に登録査定、同年11月4日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4479179号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成10年12月11日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同13年6月1日に設定登録され、その後、同23年5月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (2)登録第4645527号商標(以下「引用商標2」という。)は、「SMART」の欧文字を横書きしてなり、1995年3月31日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成7年9月28日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同15年2月21日に設定登録されたものである。 (3)登録第4693972号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成11年8月11日に登録出願、第12類「エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車椅子,動力伝導装置,タイヤ又はチューブの修繕用ゴム貼り付け片」を指定商品として、同15年7月25日に設定登録されたものである。 (4)国際登録第951207号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)12月11日に国際商標登録出願され、第12類「Automobiles and their parts, included in class 12.」及び第37類「Car maintenance, in particular cleaning, servicing and repair, including the replacement of all parts and accessories necessary to maintain operating ability.」を指定商品及び指定役務として、平成21年8月7日に設定登録されたものである。 (5)登録第4356634号の2商標(以下「引用商標5」という。)は、「SMART」の欧文字と「スマート」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成8年11月20日に登録出願、同12年1月28日に設定登録された登録第4356634号商標の商標権の分割に係るものであって、第9類「消防車,自動車用シガーライター」を指定商品として、同13年2月27日にその分割移転の登録がされたものであり、その後、同21年12月1日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (6)登録第4356623号の2商標(以下「引用商標6」という。)は、「スマート」の片仮名と「SMART」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成7年7月5日に登録出願、同12年1月28日に設定登録された登録第4356623号商標の商標権の分割に係るものであって、第9類「消防車,自動車用シガーライター」を指定商品として、同13年2月27日にその分割移転の登録がされたものであり、その後、同21年12月1日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (以下、引用商標1ないし引用商標6をまとめて「引用商標」という場合がある。) 3 登録異議の申立ての理由(要旨) (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、その構成中の「イージー」の文字部分が自他商品識別力の極めて弱いものであり、その要部は「スマート」の文字部分であることから、本件商標からは、「スマート」の称呼も生じる。 他方、引用商標から「スマート」の称呼が生じることは、明らかである。 したがって、本件商標と引用商標とは、少なくとも「スマート」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、2000年以降継続して、我が国において、申立人の業務に係る独創的なデザインの主に2人乗りの小型自動車(以下「申立人商品」という。)について使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、自動車関連商品の取引者及び需要者の間で、申立人商品の出所を表示する商標として、広く一般に知られるに至っている(甲第10号証ないし甲第22号証)。 また、本件商標は、上記(1)のとおり、引用商標と類似の商標である。 したがって、本件商標をその指定商品について使用した場合、それが引用商標のバリエーションの一として容易に認識され、該商品があたかも申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じるおそれがある。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり、「イージースマート」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、該文字は、その構成全体が同じ書体及び大きさをもって、等間隔にまとまりよく一体的に表されているばかりでなく、その構成文字全体から生ずると認められる「イージースマート」の称呼も無理なく一気に称呼し得るものである。さらに、本件商標の構成中の「イージー」の文字部分は、「安易な、平易な」等の意味を有する英語「easy」を片仮名表記したものと、同じく、「スマート」の文字部分は、「気のきいた、賢明な、スマートな」等の意味を有する英語「smart」を片仮名表記したものと容易に理解されるものであって、いずれの語も我が国において親しまれて使用されている平易な言葉といえるから、両文字部分は、本件商標に接する者をして、そのいずれか一方が強く印象づけられるなどとはいい難く、特に軽重の差があるものとはいえない。 そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が、その構成中の「イージー」の文字部分と「スマート」の文字部分とに分離し、後半の「スマート」の文字部分のみを抽出して観察するとみるべき合理的理由は見いだせない。 してみれば、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「イージースマート」の一連の称呼のみを生ずるというべきである。 したがって、本件商標から「スマート」の文字部分を分離、抽出し、これを前提に、本件商標と引用商標とが「スマート」の称呼を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することができない。 その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。 以上のとおり、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 引用商標の著名性 申立人の提出した甲第10号証ないし甲第22号証によれば、「スマート(smart)」は、ドイツ・ベーブリンゲンを本部とし、主に小型車を製造・販売する自動車メーカーの名称ないし同社の製造・販売に係る小型車のブランドであり、同社は、申立人の完全子会社であること、上記小型車のうち、「フォーツークーペ」なる車種は、2000年(平成12年)12月に、「スマートクーペ」として、ダイムラー・クライスラー日本株式会社によって日本での正規販売が開始され、その後、上記「フォーツークーペ」なる車種は、2007年(平成19年)までの間に数回モデルを変更して日本で販売されたこと、「フォーツークーペ」以外にも、7種類ほどの車種名の小型車が日本で販売され、2008年(平成20年)度の日本での新規登録台数は、1,111台であること(甲第10号証及び甲第11号証)、また、メルセデス・ベンツ日本株式会社(甲第10号証によれば、2007年に、ダイムラー・クライスラー日本株式会社から社名変更している。)や株式会社ヤナセの各ウエブサイト(いずれも掲載日は不明。ただし、これらがプリントアウトされた日付は、いずれも2012年(平成24年)3月30日である。)には、引用商標4と酷似する商標と共に、申立人商品が掲載されていること(甲第12号証及び甲第13号証)、申立人は、2005年(平成17年)6月10日付け朝日新聞並びに同年9月2日付け朝日新聞、読売新聞及び日本経済新聞に、また、雑誌「TITLE」(2004年(平成16年)11月号)、雑誌「SWITCH」(2004年(平成16年)12月号)、雑誌「UOMO」(2005年(平成17年)8月号)及び映画「ダ・ヴィンチ コード」のパンフレット(2006年(平成18年)5月20日発行)に、それぞれ引用商標4と酷似する商標と共に、申立人商品の広告を掲載したこと(甲第14号証ないし甲第21号証)、さらに、引用商標4と酷似する商標を表示した申立人商品のカタログを作成したこと(甲第22号証。ただし、カタログの発行日は明らかではない。)、などを認めることができる。 しかしながら、申立人の関連会社等のウエブサイト(甲第12号証及び甲第13号証)の掲載日は明らかでなく、また、新聞や雑誌等による広告についてみても、2004年(平成16年)から2006年(平成18年)にかけて、数回程度行っただけであり、しかも、我が国における極めて膨大な自動車保有台数からみれば、申立人商品の2008年(平成20年)度の日本での新規登録台数は、決して多いものとはいえないこと、などを併せ考慮すると、申立人の提出した証拠のみをもってしては、引用商標が、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成23年4月14日)及び登録査定日(同年9月16日)の時点において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることは、困難であるといわざるを得ない。 イ 出所の混同 上記アのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。加えて、上記(1)認定のとおり、本件商標は、その構成中の「スマート」の文字部分が独立して把握、認識されるものではなく、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。 してみると、本件商標に接する需要者が引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。 したがって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 1 引用商標1(登録第4479179号商標) 2 引用商標3(登録第4693972号商標) (色彩については、原本参照のこと。) 3 引用商標4(国際登録第951207号商標) |
異議決定日 | 2012-08-07 |
出願番号 | 商願2011-26286(T2011-26286) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X0912)
T 1 651・ 271- Y (X0912) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 石戸 拓郎 |
特許庁審判長 |
寺光 幸子 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 田中 敬規 |
登録日 | 2011-11-04 |
登録番号 | 商標登録第5448697号(T5448697) |
権利者 | 株式会社東海理化電機製作所 |
商標の称呼 | イージースマート、スマート |
代理人 | 宮嶋 学 |
代理人 | 塩谷 信 |
代理人 | 中川 拓 |
代理人 | 黒瀬 雅志 |
代理人 | 宮城 和浩 |
代理人 | 高田 泰彦 |
代理人 | 宇梶 暁貴 |
代理人 | 勝沼 宏仁 |