• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X09
管理番号 1261591 
審判番号 不服2011-1602 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-24 
確定日 2012-08-07 
事件の表示 商願2009-91617拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「clearbutton」の欧文字を横書きしてなり、第9類「留守番電話機,現金自動預金支払機,計算機,ビデオカメラ,金銭登録機,映画用撮影機,カメラ(写真用のもの),コンピュータプログラム用記録済み磁気カード,電子計算機用ゲームプログラム,中央処理装置(演算装置),コンピュータ用キーボード,コンピュータ用記録装置,コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),コンピュータ用周辺機器,テレビジョン受信機,電子計算機,自動販売機,電気式ドアクローザー,電気式ドアオープナー,DVDプレーヤー,エピディアスコープ,ファクシミリ,蛍光スクリーン,未記録の身分証明書磁気カード,ICカード(スマートカード),ラップトップ型コンピュータ,電気式錠,映写用スクリーン,マウス(データ処理装置),ノートブック型コンピュータ,ポケット型計算機,自動販売機,携帯電話機,電話機械器具」を指定商品として、平成21年12月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『clearbutton』の文字を書してなるところ、その構成中『clear』の文字は『クリア』を英語表記したものであって、『コンピューターなどで、数値や指示が与えられていない状態にすること。また、画面を何も表示していない状態にすること。』(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味するものであり、また、『button』の文字は『ボタン』を英語表記したものであって、『機械などを作動させるために指で押す、突出した部分』(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味するものであることに加え、本願の指定商品との関係においては、数値及び文字等を入力した状態を与えられていない状態にもどす入力キーに『クリアボタン』の文字を使用している例が見受けられることからすれば、これを本願の指定商品中、前記入力キーを有する商品に使用するときは、『数値及び文字等を入力した状態を与えられていない状態にもどす入力キーを有する商品』であることを需要者、取引者に認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「clearbutton」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、別掲(1)ないし(14)に示す内容に照らせば、本願の指定商品中、例えば「電子計算機、コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの)、電話機械器具」との関係においては、「(計算機などで)数値や指示が与えられていない状態にするためのボタン」程の意味を表す語として、一般に広く用いられているものである。
そうとすると、本願商標をその指定商品中の上記指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該意味を表したもの、すなわち商品の品質(機能)を表示したものと認識するにとどまるというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単に商品の品質(機能)を表示してなるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、別掲の(1)ないし(14)に示す新聞記事情報及びインターネット掲載情報等は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについての職権による証拠調べの結果として、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により、既に、平成23年11月8日付け証拠調べ通知書をもって、請求人に通知したものであるが、これに対し、請求人は、何ら意見を述べていない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)「英和コンピュータ用語大辞典 第3版」(日外アソシエーツ株式会社発行)の「clear」の項目中に、「リセットする(reset)と同義.レジスタやカウンタを指定された初期の数の状態にすること.」の記載、同じく、「button」の項目中に、「動作又は対象の選択候補の集まりの中から選択するために使用する,機能キー又は画面領域上でのその模擬機能.」の記載がある。
(2)「標準パソコン用語事典 最新2009?2010年版」(株式会社秀和システム発行)の「クリア clear」の項目中に、「記憶装置やレジスタの値をゼロにして初期状態に戻すこと。」の記載、同じく、「ボタン button」の項目中に、「WindowsやMacintoshの画面上に表示される,四角形の様々な機能を持つスイッチ。マウスでクリックすると、その機能が動作する。」の記載がある。
(3)「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」(株式会社三省堂発行)の「クリア clear」の項目中に、「(計算機などで)数値や指示が与えられていない状態にする.」の記載、同じく、「ボタン button」の項目中に、「原動機・機械・装置などを作動あるいは停止させるために指で押す部分.」の記載がある。
(4)「大辞泉 増補・新装版」(株式会社小学館発行)の「クリア clear」の項目中、「コンピューターの記憶装置や計算機などをゼロの状態にもどすこと。」の記載、同じく、「ボタン button」の項目中に、「指で押して機械類を作動させるための小さい突起物。」の記載がある。
(5)「新明解国語事典 第六版」(株式会社三省堂発行)の「クリアー clear」の項目中に、「〔コンピューターなどで〕表示画面に記号や文字などが、何も表示されていない状態にすること。」の記載、同じく、「ボタン button」の項目中に、「ベルを鳴らしたり機械を動かしたりする時に押す、突き出た部分。」の記載がある。
(6)2000年(平成12年)2月17日付け「北海道新聞」(朝刊全道、14頁)に、「使ってみました『デビットカード』*買い物の代金はキャッシュカードで*手続き2、3分/『使い過ぎ』を防止*暗証番号、見られる恐れも」の見出しの下、「銀行や郵便局のキャッシュカードを使って、買い物代金の決済ができるデビットカード。道内でも利用できる店舗が来月から大幅に増える見込みだ。・・・千円(税別)のハンカチ一枚を買うことにした。販売員に『デビットカードで支払いたい』と伝える。すると、キャッシュカードの暗証番号を打ち込む端末を持ってきた。カードを販売員に渡すと、端末を使って暗証番号を打ち込むよう指示された。端末にはさまざまな機種があり、金融機関が販売するものや加盟店が独自に開発したものがあるという。同店では手のひらより少し大きい計算機型だ。番号が表示される部分が真横や前から見えないように覆いがある。『まず、クリアボタンを押してください。次に郵便局のキャッシュディスペンサーで現金を引き出す際に押している四けたの暗証番号と同じ番号を押してください』と販売員。記者と販売員の間には高さ八、九十センチ、幅四、五十センチほどの台がある。記者が操作している間は、顔をそむけて番号が見えないようにしていた。最後にエンターボタンを押して完了した。」の記載がある。
(7)2002年(平成14年)10月4日付け「日経産業新聞」(21頁)に、「プリンストン、携帯型IP電話機、手のひらサイズ」の見出しの下、「コンピューター関連機器開発のプリンストンテクノロジー(東京、池田譲治社長、03・3863・7131)は携帯電話サイズのIP(インターネットプロトコル)電話機を開発、十月下旬に発売する。・・・電話番号を入力するキーや番号のクリアボタンのほか、ボタンを押すだけで利用者が使うIP電話サービスのサイトに接続する機能も付いている。」の記載がある。
(8)2006年(平成18年)1月28日付け「日本経済新聞」(地方経済面、群馬、43頁)に、「群馬県内信金、ネットバンクで安全策??『画面上キーボード』採用」の見出しの下、「ぐんま信用金庫(前橋市、小川了理事長)や桐生信用金庫(群馬県桐生市、坂田忠男理事長)などの群馬県内信金が、インターネットバンキングの安全対策として、画面上にキーボードを表示させてマウスで英数字を選択する『ソフトウエアキーボード』を導入した。・・・大文字小文字の英字と十の数字、クリアボタンなどが画面に表示される。入力後にOKボタンを押すと、自動的にキーボード表示は消える。」の記載がある。
(9)2007年(平成19年)11月28日付け「読売新聞」(東京朝刊、37頁)に、「[新日本語の現場]マニュアル(37)定着しても和訳は困難(連載)」の見出しの下、「パソコンや携帯電話などで完全に定着したカタカナ語とは何か。だれでも知っているのは『クリア』だ。少しでも機器をいじれば必ず覚えるだろう。英和辞典をみると、形容詞、副詞、動詞で使われる基本語で、『晴れた』『清潔な』『取り除く』などの意味がある。IT機器では、データや指示を消し、何もない状態にすることを指している。これを『消去』『削除』などの言葉に置き換えると、ボタンの機能を正確に表せないだろう。取材班の一人が持っている携帯電話では、『クリアボタン』は一つ前の画面に戻すときのほか、メールの文字を消したり、電話番号を書き換えたりするときにも使われるからだ。」の記載がある。
(10)「価格.com」のサイト中に、「『クリアボタンの押し間違えは?』の口コミ掲示板 ソニー・エリクソン Cyber-shotケータイS003・・・S003ですがセンターキー周りの縦幅がS001より短くなっていて、↓を押そうとしただけで、クリアボタンが押せてしまいました。」の記載がある(http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000111681/SortID=11391760/)。
(11)「週アスPLUS」のサイト中に、「“見た目はケータイ、でもアンドロイド!”なau『IS11SH』とソフトバンク『007SH』速攻インプレ・・・アンドロイドに慣れていてもテンキーを打っているとアタマが“ケータイ脳”に戻ってしまう。十字キーすぐ下にあるはずの“クリアボタン”を押そうとしたり、ホームに戻るのに終話ボタンを押そうとしたり、『IS11SH』では慣れるまでやや打ち間違いが多かった。その点、『007SH』では手が覚えている昔の感覚でスムーズに文字が打てた。」の記載がある(http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/043/43141/)。
(12)「+D Mobile」のサイト中に、「P902i 端末の特徴 薄型の折りたたみボディに“音を飛ばせる”Bluetooth機能を装備。Flashを取り入れたメニューはグラフィカルで見やすくなり、クリアボタンの位置は多くの携帯と同じ位置に変わった」の記載がある(http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/features/902i/p902i.html)。
(13)「株式会社KOUZIRO」のサイト中に、「CMOSクリアボタンを誤って押した場合の対処方法 【対象機種】XZシリーズ(X58B-A搭載機種) 平素は、弊社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。この度は、デスクトップパソコン『XZシリーズ』において、『CMOSクリアボタンを誤って押した場合』についてご連絡させていただきます。『XZシリーズ』に搭載されておりますCMOSクリアボタンは、パソコンの起動に障害が確認された場合など、メーカー修理の際にのみ使用致します。正常動作中に故意、又は誤って押されますとシステムが起動しなくなる事が予測されます。」の記載がある(http://ww2.frontier-k.co.jp/kzwiki/wiki.cgi?page=CMOS%A5%AF%A5%EA%A5%A2%A5%DC%A5%BF%A5%F3%A4%F2%B8%ED%A4%C3%A4%C6%B2%A1%A4%B7%A4%BF%BE%EC%B9%E7%A4%CE%C2%D0%BD%E8%CA%FD%CB%A1)。
(14)「簿記 初心者ガイド」のサイト中に、「クリアボタンとは? クリアボタンは計算結果を消去する機能を持つボタンですが、消去のレベルは厳密に言うと三段階あります。一般的にはオールクリアを知っていれば十分ですが、簿記検定試験や実務で使いこなすためにはメモリを含めてクリアするかどうかを意識してクリアボタンを使い分ける必要があります。」の記載がある(http://bookkeeping.dohow.jp/calc/clear.shtml)。

審理終結日 2012-03-02 
結審通知日 2012-03-05 
審決日 2012-03-27 
出願番号 商願2009-91617(T2009-91617) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 幸志 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 敬規
山田 和彦
商標の称呼 クリアボタン、クリアバトン 
代理人 柳生 征男 
代理人 青島 恵美 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ