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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X03
管理番号 1261584 
審判番号 不服2011-4042 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-23 
確定日 2012-08-01 
事件の表示 商願2009- 22094拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「HYDRO」の文字を標準文字で表してなり、第3類に属する出願時の願書に記載のとおりの商品を指定商品として平成21年3月26日に登録出願され、その後、指定商品については、同23年12月27日受付けの手続補正書をもって、第3類「シェービングソープ,シェービング用発泡性化粧品,シェービングローション,シェービング用クリーム,シェービングムース,シェービングバーム,アフターシェーブ用剤,その他のひげそり用化粧品」と補正されたものである。

2 原審における拒絶の理由の要旨
(1)本願商標は、「水の」の意味で複合語をつくることで知られ、本願の指定商品との関係では、その商品が液状であることを直感させるほど液状の商品に多用されている「HYDRO」の文字よりなるから、これをその指定商品中液状の商品に使用しても、商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、国際登録第970893号の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)原査定は、本願商標は上記(2)の拒絶の理由に該当する旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審において通知した審尋
当審において請求人に対して、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして、平成23年10月24日付けで通知した審尋の内容は、別掲のとおりである。

4 審尋に対する請求人の意見
請求人は、上記3の審尋に対して、要旨次のように意見を述べている。
(1)審尋で示された使用例のうち、別記1ないし3の使用例は本願商標が自他商品識別標識としての機能を有しないものとする根拠にはなり得ないこと、「HYDRO」の文字(語)は保湿効果という商品の性質を暗示的に表現している可能性は否定できないが直接的に表現しているとは言えないこと、同文字は複数の意味合いが連想できるため該文字から連想できる意味合いは「保湿効果のある商品であること」には限定されないこと、及び「保湿効果のある商品」であることを表すものとして「保湿、しっとり、うるおい、moisture」等実際に頻繁に使用されている文字(語)が存在するので、流通過程又は取引過程に置く場合に何人も使用をする必要があるとはいえないことから、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たすものであり、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)本願商標は、仮に商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、商標法第3条第2項により登録が認められるべきである。

5 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり「HYDRO」の文字からなるものである。
そして、前記3の審尋のとおり、「HYDRO」の文字(語)は、本願指定商品を取り扱う業界において、商品の普通名称などの語と結合して「保湿効果のある商品」であることを表すものとして使用されていることからすれば、商品の品質を表示するものとして一般に使用され、認識されているというのが相当である。
そうすると、「HYDRO」の文字からなる本願商標は、これをその補正後の指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、該文字を「保湿効果のある商品」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の意見について
請求人は、前記4のとおり、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たすものであり商標法第3条第1項第3号に該当しない旨、及び本願商標は仮に商標法第3条第1項第3号に該当するとしても商標法第3条第2項により登録が認められるべきである旨主張しているが、「HYDRO(ハイドロ)」の文字(語)は、審尋で示したとおり使用されている事実(別記1は除く。)があることからすれば、該文字(語)は、複数の意味合いを想起させるとしても、補正後の本願指定商品に係る取引者、需要者に「保湿効果のある商品」であること、すなわち商品の品質を表示するものとして一般に使用され、認識されているものであって、取引上何人もその使用を欲し独占適応性を欠くものと判断するのが相当である。
してみれば、前述のとおり、本願商標は自他商品識別標識としての機能を有しないものと判断するのが相当である。
また、請求人提出の証拠(証拠9ないし証拠13)及び同人の主張によっては、本願商標の使用の実績((シェービングジェル以外の実際に)使用している商品、補正後の指定商品についての使用開始時期、商品の売上高、広告宣伝の方法・回数など)が確認できず、また、審尋で示したとおり請求人以外の者によって「HYDRO(ハイドロ)」の文字(語)が商品の品質を表示するものとして使用されているから、本願商標は商標法第3条第2項に該当するものということはできない。
以上のとおりであるから、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(平成23年10月24日付けで通知した審尋の内容)
この商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「HYDRO」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、「HYDRO」の文字(語)は、「水に関する語の接頭辞」等の意味を有するもの(現代用語の基礎知識2009 自由国民社)であるが、本願指定商品を取り扱う業界においては、「HYDRO」、「Hydro」の文字(語)及びその読みを片仮名で表示した「ハイドロ」の文字(語)が、単独で若しくは「商品の普通名称」等の語と結合して「保湿効果のある商品であること」、すなわち商品の品質を表示するものとして、別記のとおり使用されている。
してみれば、「HYDRO」の文字(語)は、本願指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものとして、一般に使用され、認識されているというのが相当である。
そうとすれば、「HYDRO」の文字(語)からなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該文字を「保湿効果のある商品」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、この審尋と原審における拒絶理由通知書の理由1の内容は、いずれも本願商標が識別力を有しないというものであるから、実質的な内容を変更するものではない。
【別記】
1 「シック・ジャパン株式会社」のホームページにおいて、「シェービング剤」の見出しの下、「シック ハイドロ」の項に、「・・・うるおい成分配合でシェービング後も肌本来の水分を保つ!・・・」の記載とともに、「HYDRO」の文字を使用した商品(シェービング用剤)が掲載されている。(http://www.schick-jp.com/mens/products/shaving_foam.html)
2 「花王株式会社」のホームページにおいて、「ニュースリリース」の「発表資料:2007年2月20日」の見出しの下、「・・・、肌に水分補給するみずみずしいジェル『リフレッシュハイドロジェル』、・・・」の記載とともに、「HYDRO GEL」の文字を使用した商品(男性用スキンケア用の化粧品)が掲載されている。(http://www.kao.com/jp/corp_news/2007/1/n20070220-02nv.html)
3 「株式会社ファイブセンツ」が管理する「JUST」と称するウェブサイトにおいて、「VJハイドロジェル 50ml|商品詳細」の見出しの下、「弾力あふれるプルプル肌へ。保湿を高めるジェル」の記載とともに、「HYDRO GEL」の文字を使用した商品(保湿ジェル)が掲載されている。(http://www.just-japan.com/item_detail/itemId,38/)
4 「ナチュラルレーベン株式会社」が管理する「LAVERE」と称するウェブサイトにおいて、「商品紹介」の見出しの下、「ハイドロシリーズ 天然由来成分だけから究極の保湿効果を生み出したシリーズです。」の記載とともに、各種化粧品が掲載されている。(http://lavere-naturalcosmetic.jp/product.html)
5 「株式会社美訓物産」が管理する「エチュードハウスや韓国コスメ人気商品の通販:I LOVE SEOUL」と称するウェブサイトにおいて、「【ハンスキンハイドロマスク】水分補給と潤い保湿効果のシートマスク4枚セット」の見出しの下、「HYDRO MASK」の文字を使用した商品(化粧用マスク)が掲載されている。(http://www.iloveseoul.co.jp/SHOP/pack010123.html)
6 「HERB STYLE」と称するウェブサイトにおいて、「HOME>化粧品(コスメティック)>クレンジング(メイク落とし)>ガイア・エヌピー(GAIA・NP)[ロブサ・デ・コル]ハイドロクレンジングジェル150g[メイク落とし]」の項に、「素肌に残る潤い」の見出しの下、「Hydro Cleansing Gel ハイドロ クレンジング ジェル(クレンジング料)」と記載されている。(http://www.herb-style.com/SHOP/4959508131487.html)
7 「アテックス株式会社」が管理する「SAVO ONLINE SHOP」と称するウェブサイトにおいて、「ホーム>メンズ>ハイドロ リップ バーム(HYDRO LIP BALM)」の項に、「ハイドロ リップ バーム(HYDRO LIP BALM)」の記載とともに、「商品説明」として「ホホバ保湿成分で唇の乾燥を防ぎ、やわらかさとうるおいを保ちます。モヒートの香り」と記載され、「HYDRO SALVE」の文字を使用した商品(リップバーム)が掲載されている。(http://www.savo.jp/onlineshop/products/detail/249)
8 「Gabi-Webshop wella(ウエラ)専門店」と称するウェブサイトにおいて、「Wella(ウエラ)SP|System Professional」の見出しの下、「WELLA SP ハイドロシャンプー」の項目に「強力な保湿効果のある複合保湿成分配合で髪の内部までうるおいを与え、しっとりを持続させます。」の記載と「ハイドロシャンプー」と称する商品(シャンプー)の写真が掲載されている。(http://www.gabi-cota.jp/wella/hydoro.html)


審理終結日 2012-02-27 
結審通知日 2012-03-02 
審決日 2012-03-13 
出願番号 商願2009-22094(T2009-22094) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前山 るり子田中 幸一 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
高野 和行
商標の称呼 ヒドロ、ハイドロ 
代理人 小沢 慶之輔 

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