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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X33
審判 全部申立て  登録を維持 X33
審判 全部申立て  登録を維持 X33
管理番号 1259915 
異議申立番号 異議2012-900043 
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-02-17 
確定日 2012-07-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5451568号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5451568号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第55451568号商標(以下「本件商標」という。)は、「プレーンハイ」の文字を標準文字で表してなり、平成23年6月14日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年10月28日に登録査定、同年11月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議の申立人(以下「申立人」という。)は、申立の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証を提出した。
本件商標は、「プレーンハイ」の文字を標準文字で表してなるところ、「プレーン」の語は、「簡素なさま。淡泊なさま。何も加えていないさま。」をいう語であって、「ハイ」の語は、「酎ハイ」の味覚表示語である「レモン」「ライム」とともに風味付けした酎ハイ群を形成する場合「レモンハイ」「ライムハイ」のように「酎」を省略して用いられているものである。
他方、これら風味付酎ハイ群とは逆に、「味を付けない何も加えていない生(き)のままの酎ハイ」「プレーンな味わいの酎ハイ」を単に「プレーン」と称したり、「プレーンハイ」と称する事実があるから、本件商標は、「味を付けない何も加えていない生(き)のままの酎ハイ」「プレーンな味わいの酎ハイ」の品質表示にすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本件商標は、「味を付けない何も加えていない生(き)のままの酎ハイ」「プレーンな味わいの酎ハイ」を想起するに至らないまでも、味覚表示語の「プレーン」と酎ハイに多用される「OOハイ」の想起から容易に「プレーン」な味の「酎ハイ」に通じる酒を想起させ、かかる理解の下では、需要者はいずれの者の業務に係る商品であるかを認識できないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
そして、本件商標は、文字どおり「何も加えていない生(き)のままの酎ハイ」を表すか、もしくは、単に「プレーン」な味の「酎ハイ」に通じる酒を想起させるから、これを「何も加えていない生(き)のままの酎ハイ」以外の商品に使用するときは、当該商品が「何も加えていない生(き)のままの酎ハイ」であるかのごとく、商品の品質について誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号又は同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当して登録できない商標であるにもかかわらず誤って登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同第6号該当性について
ア 本件商標は、前記1のとおり、「プレーンハイ」の文字を同書、同大、等間隔でまとまりよく表されてなるところ、これよりは、特定の観念を生じない造語よりなるものというのが相当である。
イ しかして、申立人の提出に係る甲第3号証ないし甲第26号証によれば、「タカラ缶チューハイ」では「プレーン」の語が「レモン」「ライム」とともに使用されていることが認められるが、本件商標とは構成態様を異にするから、「酎ハイ」に「プレーンハイ」の語が使用されていることを証明するものとはいえない。
ウ 甲第28号証の1ないし16及び甲第29号証の1ないし11によれば、居酒屋などの飲食店のドリンクメニューには、「酎ハイ」「サワー」「焼酎」等の項に「ウーロンハイ」「緑茶ハイ」「レモンハイ」「ライムハイ」「プレーンの酎ハイ(焼酎と炭酸)」「○○ハイは焼酎ベースのお酒」「プレーン酎ハイ」「酎ハイプレーン」「プレーン」の記載が認められるが、「プレーンハイ」のみが使用されている事実は見当たらない。
エ 甲第30号証に掲載の「からからはなれ すすきの店」のドリンクメニュー(http://md-create.com/susukino/drink1)には、「酎ハイ」の項に「プレーン」の記載があるが、「プレーンハイ」の記載は見当たらない。
甲第31号証に掲載の「中華料理店華房」のドリンクメニュー(http://www.ka-bo.com/drink01.html)には、「COCKTAIL&サワー」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
甲第32号証の「ぐるなび 串焼き居酒屋 なかいち」(http://r.gnavi.co.jp/gb42100/index.html)は、現在掲載がなく、職権によって調査すると「西葛西の串焼き居酒屋【なかいち】」のウェブサイト(http://nakaichi.plimo.jp/)には、「サワー(プレーン)」の記載があるが、「酎ハイ」の項もなく、「プレーンハイ」の記載も見当たらない。
甲第33号証の「ぐるなび Chicago KaLbi 福島店」のドリンクメニュー(http://r.gnavi.co.jp/kajk300/menu4.html)には、「チューハイ」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
甲第34号証の「立ち飲み 串かつ どて焼きの赤垣屋」のウェブサイトのドリンクメニュー(http://www.akagakiya.com/menu/aka_drink.html)には、「サワー」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
甲第35号証の「ぐるなび 焼肉レストラン 松屋 天王寺ミオ店」のドリンクメニュー(http://r.gnavi.co.jp/c817502/menu5.html)には、「サワー」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
甲第36号証の「ちゃ味鶏の名物炭火焼鳥」のドリンクメニュー(http://www.chamidori.com/menu/drink.html)には、「チューハイボール」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
甲第37号証の「呑処 hana」のドリンクメニュー(http://www.hana-2010.com/menu/index.html)には、「Chuhai」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
甲第38号証の「KARAOKE STLAND米田店」のドリンクメニュー(http://tatsumix.com/karaoke/yoneda-menu_drink.html)には、「チューハイ」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
甲第39号証の「クーポンスタイル ひつじ家」のドリンクメニュー(http://cpstyle.jp/shops/30949/menus/9)には、「酎ハイ 」の項に「プレーンハイ」の記載がある。
オ 以上のとおり、甲第31号証、甲第33号証ないし甲第39号証からすれば、居酒屋などの飲食店のドリンクメニュー「酎ハイ」「サワー」には、「プレーンハイ」の記載が少なからずあるが、決して多いものとはいえないものであり、また、「プレーンハイ」の文字が何も加えていない酎ハイ又はサワーを表すものとして用いられていることを証するものということはできない。
カ 甲第40号証の「Amebaブログ」のウェブサイトでは、2007年8月6日付け投稿記事「745枚目☆海鮮居酒屋で、誕生日を祝う♪」のタイトルで「プレーンハイを呑んで・・・」の記載がある。
甲第41号証の「kyoto*kyoto」のウェブサイトでは、2008年10月10日付け投稿記事には、「『あいば』のすだちチューハイが旨い(寺町高辻)[居酒屋・ダイニング]」のタイトルで「・・・プレーンハイを注いで・・・」(http://www.kyotoxkyoto.com/2008/10/10213916.html、現在のアドレス)の記載がある。
甲第42号証の「NN4.jpカクテル編:好きなカクテルは?2009年5月22日アーカイブ」のウェブサイトでは、「呑んべぇさん/プレーンハイ・・・」の記載がある。
甲第43号証の「2ちゃんねる」のウェブサイトでは、「おまえは生ビール派?瓶ビール派?」のタイトルの下、2009年6月8日付け投稿記事には、「245 :名無しさん@お腹いっぱい。:プレーンハイが売り切れなので生ビールを頼む夢を見た。俺は夢の中でも生ビール派。」(http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/drunk/1240588074/、現在のアドレス)の記載がある。
キ しかしながら、甲第40号証ないし甲第43号証は、個人のブログなどの投稿記事にすぎないものである。
ク 以上のとおりであるから、甲第30号証ないし甲第43号証によっては、「酎ハイ」のドリンクメニューに「プレーンハイ」のみが記載されているものは、多いものとはいえないから、本件商標に接する需要者が「味を付けない何も加えていない酎ハイ」ないし「プレーンな味わいの酎ハイ」といった意味合いを認識するものとは認め難いものである。
ケ さらに、当審において、職権をもって調査したところ、本件指定商品を取り扱う業界において、「プレーンハイ」の語が特定の商品の品質を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できなかった。
コ そうすると、本件商標は、本件指定商品との関係において、直ちに特定の商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表示するものとして一般に認識、把握されていないというのが相当である。
したがって、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質を表すものとはいえず、かつ、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとはいえない。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第6号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上述したとおり、「味を付けない何も加えていない酎ハイ」「プレーンな味わいの酎ハイ」を表したものと需要者に認識させるとはいえないものであるから、これを本件指定商品のいずれに使用しても、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるともいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」について、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-07-12 
出願番号 商願2011-41140(T2011-41140) 
審決分類 T 1 651・ 16- Y (X33)
T 1 651・ 272- Y (X33)
T 1 651・ 13- Y (X33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大橋 洋子 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 大橋 良成
田中 亨子
登録日 2011-11-18 
登録番号 商標登録第5451568号(T5451568) 
権利者 アサヒグループホールディングス株式会社
商標の称呼 プレーンハイ 
代理人 小暮 君平 
代理人 工藤 莞司 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 井上 博人 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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