ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X03 審判 全部申立て 登録を維持 X03 審判 全部申立て 登録を維持 X03 審判 全部申立て 登録を維持 X03 |
---|---|
管理番号 | 1259910 |
異議申立番号 | 異議2011-900421 |
総通号数 | 152 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-08-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-11-25 |
確定日 | 2012-07-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5434021号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5434021号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5434021号商標(以下「本件商標」という。)は、「オリーク」及び「ORIKS」の文字を二段に横書きしてなり、平成21年5月8日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成23年8月26日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第22号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 申立人の周知商標「ORIKS」について (1)申立人は、1997年6月に台湾において成立された輸入及び高級インテリア用品の製造業者であり、2004年末から、化粧品などのコンシューマープロダクツの輸入を中心とした業務を行い、全ての商品の製造を韓国で行い、その全てを輸入し、商品の販売を行っている。主たる商品は、コスメティック並びにケア用品である。 2007年には、韓国の「ORIKS」ブランドを入手し、EU、台湾、マレーシア、アメリカ及びタイにおいて商標登録を、中国において公告決定を受けており、各国においてこれらの商品について大々的な販売活動を行っている。 2008年には、宣伝にタレントを起用し、大々的な宣伝広告をおこない、現在も継続して行っている。 このような、申立人の企業努力により、「ORIKS」は、台湾におけるBBクリームのトップブランドとなった。 申立人の商標「ORIKS」を付した商品は、主として「COSMED(台湾における大手ドラッグストア)」「ファミリーマート」の他、薬局、量販店及び各大手チェーン店で販売され、少なくとも台湾において広く知られるに至っている。 また、2007年に、エバー航空の機内誌においても販売を行い、その結果、国内外においても広く知られるに至った。 (2)申立人の商標「ORIKS」の周知度については、十分に広告、宣伝され、流通経路も併せて考慮すると、十分に普及しているといえ、「ORIKS」の商標は成語ではなく、特定の意味合いを有さない創造標章であり、申立人の主力ブランド名として、複数の国で製造販売され、かつ、宣伝広告されていることから、申立人の商標「ORIKS」は、少なくとも台湾を中心として各国においても、本件商標の出願時及び登録査定時において周知であるというべきである。 2 商標法第4条第1項第7号について 申立人の商標「ORIKS」は、2007年から申立人が台湾で使用し、本件商標の出願時及び登録査定時において、台湾において周知であり、EU、アメリカ、マレーシア、タイ、中国においても、化粧品(BBクリーム)に実際に使用されている。 この事実を参酌すると、申立人が、近い将来、日本へ進出することは、同種の業者であれば、容易に想到し得るものであり、本件出願は、外国における周知商標の知名度及び信用にフリーライドするひょう窃的な出願であるというべきである。 このような、商標が登録された場合、いずれ日本へ進出した場合に、代理店契約の強制や、買取りをせざるを得なくなり、国際信義に反するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 3 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 引用商標は、本件商標の出願時及び登録査定時において、少なくとも台湾において周知であり、EU、アメリカ、マレーシア、タイ、中国においても、化粧品(BBクリーム)に現に使用されている。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 また、本件商標に接する需要者及び取引者は、外国で周知である申立人の業務と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の商品であると認識し、その出所について、具体的混同をじゃ起する危険性があるというべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 商標法第4条第1項第19号について 申立人が、日本へ進出することは、同種の業者であれば、容易に想到し得るものであり、本件出願は、外国における周知商標の知名度及び信用にフリーライドするひょう窃的な出願であり、不正の目的を有していると言わざるを得ない。 このような、商標が登録された場合、いずれ日本へ進出した場合に、代理店契約の強制や、買取りをせざるを得なくなり、商標法第4条第1項第7号と同様に国際信義に反するものである。 したがって、本件商標は、同法第4条第1項第19号に該当する。 5 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は商標法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである。 第3 当審の判断 (1)申立人の商標「ORIKS」の周知性について 申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、申立人は、台湾において2004年から化粧品を韓国から輸入したこと、2007年に韓国の「ORIKS」ブランドを購入し、台湾、韓国、マレーシア及びアメリカ等において、そのブランド名の商標登録を受けたこと、2008年に宣伝タレントを起用したこと、台湾における「ORIKS」は、COSMED、ファミリーマートの他、薬局や大手チェーンで販売されていること、2007年にエバー航空の機内誌において販売を行ったこと、2009年5月15日ないし8月14日及び2010年5月10日ないし7月9日に台北市内の路線バスに広告宣伝を行ったこと、及び2009年1月ないし2011年7月に台湾の雑誌に広告を掲載したことを伺い知ることができる(甲第14号証の1、甲第9号証、甲第10号証及び甲第17号証ないし甲第19号証)。 しかしながら、「ORIKS」の商標を付した商品の販売額などを示す具体的な証左はなく、台湾市内の路線バスの広告は本件商標の登録出願後であって(広告内容も確認できない。)、また、雑誌の広告も「化粧品」に「ORIKS」の商標が付されていることは認められるものの、申立人による広告であることが確認できないうえ、本件商標の登録出願前のものは甲第17号証の1ないし4のみである。 そうとすれば、申立人の商標「ORIKS」(以下「申立人商標」という。)は、本件商標の登録出願の時に、台湾において申立人の業務に係る化粧品(BBクリーム)を表示するものとして需要者の間に周知になっていたものと認めることはできないというのが相当である。 また、申立人は、平成23年11月の時点で、日本においてまだ大々的な販売活動を行っていないのである(甲第21号証及び甲第22号証)から、申立人商標が、本件商標の登録出願の時に、我が国において申立人の業務に係る商品を表示するものとして周知となっていたとは到底認めることはできない。 さらに、職権調査によっても、申立人商標が、本件商標の登録出願の時ないし査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして台湾及び我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠は見いだせない。 してみれば、申立人商標は、本件商標の登録出願の時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして台湾及び我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 本件商標は、「オリーク」の片仮名と「ORIKS」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるから、これより「オリーク」及び「オリクス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 一方、申立人商標は、「ORIKS」の文字からなり、これより「オリクス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 そうとすれば、本件商標と申立人商標とは、外観において「ORIKS」の構成文字を、称呼において「オリクス」の称呼を共通にするものであって、観念において比較できないものであるから、両者の外観、称呼及び観念を総合してみれば互いに相紛らわしい類似の商標と判断するのが相当である。 しかしながら、申立人商標は、上記(1)のとおり、(台湾及び)我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。 また、申立人商標は、(台湾及び)我が国における取引者・需要者の間で広く認識されているものと認めることができないものであるから、本件商標は商標権者がこれを本件申立てに係る指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人商標を連想、想起するものとはいえず、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、その構成自体において、公序良俗を害するおそれがある商標に該当しないことは明らかである。 また、本件商標の出願が、申立人商標の知名度及び信用にフリーライドするひょう窃的な出願であること、及び本件商標を使用することが国際信義に反するものであることの証左は提出されていないし、かつ、他にこれを認めるに足る証拠は見いだせない。 したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、上記(2)のとおり、申立人商標と類似する商標と認められるものである。 しかしながら、上記(1)のとおり、本件商標は,台湾又は我が国における需要者に広く認識されている商標とは認められないものである。 さらに、本件商標の出願がひょう窃的な出願であること、代理店契約の強制や商標の買い取りを要求する等の不正の目的をもって使用をするものであることの証左は何ら示されていないし、かつ、他にこれを認めるに足る証拠は見いだせないから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2012-07-02 |
出願番号 | 商願2009-34152(T2009-34152) |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Y
(X03)
T 1 651・ 222- Y (X03) T 1 651・ 271- Y (X03) T 1 651・ 25- Y (X03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松田 訓子、大塚 順子 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 堀内 仁子 |
登録日 | 2011-08-26 |
登録番号 | 商標登録第5434021号(T5434021) |
権利者 | イワキ株式会社 |
商標の称呼 | オリーク、オリクス |
代理人 | 高橋 康夫 |
代理人 | 三浦 光康 |