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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X14
審判 全部申立て  登録を維持 X14
管理番号 1259909 
異議申立番号 異議2011-900302 
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-08-22 
確定日 2012-04-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5412310号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5412310号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5412310号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年8月21日に登録出願、第14類「スイス製の時計,スイス製の宝石,スイス製の宝飾品」を指定商品として、同23年3月18日に登録査定、同年5月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第16号について
スイス国は、時計についてスイス法令を定めており、「Switzerland」や「Swiss」等の表示を行うために当該時計が満たすべき3条件を規定し、スイス製を名乗ることができる時計の範囲を明確にしている(甲第3号証及び甲第4号証)。
スイス法令は、スイス国の国内法であり、日本その他の法域において直接的に効力を有する訳ではないが、日本国内の需要者の間においても広く認識されているものである(甲第4号証ないし甲第11号証)。
したがって、本件商標がスイス法令の定める条件を満たさない時計(非遵守スイス製時計)について使用された場合には、該時計がスイス法令の定める条件を満たす時計(遵守スイス製時計)であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標を非遵守スイス製時計について使用した場合、スイス法令が保護することを目的としたスイス国の国益を著しく害するばかりでなく、日本の需要者もスイス製時計の品質について強い信頼を有しており、非遵守スイス製時計について「SWISS」の表示を認めることは、日本の需要者がスイス製時計について有している強い信頼を害することにもなり兼ねないから、非遵守スイス製時計について「SWISS」の表示を認めないことが日本の国益にも沿うものである。
したがって、本件商標は、日本とスイス国との間の国際信義に反するものであり、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標というべきである
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第16号及び同第7号に該当し、商標登録を受けることができない商標に該当するから、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、別掲に示したとおり、その構成中に「SWISS」の文字を有しており、その指定商品中には「スイス製の時計」を含んでいるものである。
ところで、商標法第4条第1項第16号に規定されている「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」とは、指定商品に係る取引の実情の下で、取引者又は需要者において、当該商標が表示していると通常理解される品質と指定商品が有する品質とが異なるため、商標を付した商品の品質の誤認を
生じさせるおそれがある商標をいうものと解されており、実際に商標を使用した商品がどのような品質を有しているかは、商標法第4条第1項第16号該当性の有無に影響を及ぼすものではないと解されている(例えば、知財高裁平成20年(行ケ)第10086号判決参照)。
そうとすれば、本件商標は、構成中に「SWISS」の文字を有していることに対応して「スイス製の時計」等を指定商品としているものであるから、本件商標が表示していると通常理解される品質と指定商品が有する品質とは符合しているものというべきであり、本件商標をその指定商品中の「スイス製の時計」等について使用しても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
なお付言すれば、本件商標に係る審査段階で請求人(出願人)が提出した意見書(参照資料)によれば、当該商品は、スイス国ビエールビエンネン工房(工場)にて製造された製品であり、真正なるメイドインスイスであって、スイスをはじめ、北米やベルギー、ルクセンブルグ、アラブ首長国、サウジアラビア地域等において販売されているものとのことである。
そうであるとすれば、実際に、本件商標権者が本件商標を使用する「スイス製の時計」は、申立人が主張しているスイス法令の定める条件を満たす時計(遵守スイス製時計)であるとみるのが相当であるから、当該商標が表示していると通常理解される時計の品質を「スイス法令の定める条件を満たす時計(遵守スイス製時計)」とみても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標とその指定商品との関係は、上記のとおりに判断されるから、本件商標をその指定商品中の「スイス製の時計」について使用しても、日本とスイス国との間の国際信義に反するものではなく、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であるということはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものとはいえない。

(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標


異議決定日 2012-03-29 
出願番号 商願2009-67179(T2009-67179) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (X14)
T 1 651・ 22- Y (X14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田口 善久 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 小川 きみえ
鈴木 修
登録日 2011-05-20 
登録番号 商標登録第5412310号(T5412310) 
権利者 永松 ▲つとむ▼ ミルザエ アマ
商標の称呼 アマスイス、アマ、エイエムエイ、エイエムエイスイス 
代理人 窪田 英一郎 

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