• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X05
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X05
管理番号 1259798 
審判番号 不服2010-20891 
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-16 
確定日 2012-06-27 
事件の表示 商願2009-64209拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「レインボー」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年8月21日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、原審において同22年4月21日付け手続補正書により、第5類「衛生マスク」に補正された。

第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5044114号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成18年7月6日に登録出願、第10類「化学物質を充填した患部用保温保冷具を患部に固定するための補助カバー」を指定商品として同19年4月27日に設定登録され、現に有効に存続している。

第3 当審の判断
1 本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記第1のとおり、「レインボー」の文字を標準文字で表してなるところ、該語は、「虹」(「広辞苑第六版」岩波書店2008年1月11日発行)の意味を有する外来語として、我が国において一般に親しまれている語である。したがって、本願商標からは、「レインボー」の称呼が生じ、「虹」の観念が生じるものである。
他方、引用商標は、別掲のとおり、左目を閉じた人物の図形の周りに、擬人化した太陽と「あつーい」の文字と共に汗をかいているような3匹の動物の図形を配し、そして、人物の図形の右側に「百恋」及び「ひゃっこい!!」の文字を右下がりに二段に表し、これらの部分より下には「RAINBOW」の欧文字とこの下に「仙台」の文字とを二段に表してなるものである。
そしてその構成中、「あつーい」の文字は、擬人化した太陽と汗をかいているような3匹の動物の図形近くに配してなる関係から、この文字と図形とは、一体として暑くて汗をかいている様子を表してなるものと認められ、一方、人物の図形は、左目を閉じてほほえんでいるかのように表され、前記の太陽と動物の図形のように暑さを表しているとは認められないものであるから、引用商標の構成中、上部4分の3ほど(以下「上部」という。)にあるこれら図形全体(以下「図形」という。)からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
次に、人物の右側の「百恋」及び「ひゃっこい!!」の文字は、その構成文字から「ヒャクコイ」及び「ヒャッコイ」の称呼を生じるものであり、特定の意味合いを有するものでないことから、一種の造語であると認められ、上部に構成されている図形と相重なる観念を有さないものである。
さらに、「RAINBOW」及び「仙台」の二段書きに表した文字は、本願商標の構成中、下部4分の1ほど(以下「下部」という。)に顕著に表されているものであるところ、「RAINBOW」の文字は、その構成文字から「レインボー」の称呼を生じ、「虹」(「グランドセンチュリー英和辞典第2版」三省堂 2008年12月20日発行)の意味を有する英語として我が国において一般に広く知られているものである。
そうとすると、下部の構成中、「RAINBOW」の文字は、上部に配された図形及び文字と相重なる観念を有さないものであり、また、上部の図形及び文字と下部の「RAINBOW」の文字とは視覚上分離して看取されることから、両者が常に一体不可分のものとしてのみ認識されるべき特段の事情は認められないものである。さらに、その構成中、「仙台」の文字は、宮城県仙台市の地名に通じ、引用商標の指定商品との関係において、単に商品の産地、販売地を表示するものとして認識され取引されることも少なくないところから、自他商品の識別力がないか、自他商品の識別力があるとしても極めて弱いものと認識されるといい得るものである。
してみると、引用商標を構成する前記上部の図形と「百恋」「ひゃっこい!!」の二段に表した文字及び下部の「RAINBOW」の文字は、それぞれ独立して自他商品の識別標識の機能を果たすものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、前記のとおり、その構成中の上部の図形からは、特定の称呼及び観念が生じないものであり、「百恋」「ひゃっこい!!」の二段に表した文字からは、「ヒャクコイ」「ヒャッコイ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じないものである。また、「RAINBOW」の文字からは、「レインボー」の称呼が生じ、「虹」の観念が生じるものである。
そこで、本願商標と引用商標の類否について検討するに、本願商標と引用商標とは、外観については、明らかに区別できるとしても、「レインボー」の称呼及び「虹」の観念を共通にすることから、両商標は全体として相紛れる類似の商標とすべきである。
2 本願商標及び引用商標に係る指定商品の類否について
本願商標の指定商品の「衛生マスク」は、風邪、花粉症対策や防寒、保湿などの目的で薬局、ドラッグストア及びス-パーなどで販売されている。他方、引用商標の指定商品の「化学物質を充填した患部用保温保冷具を患部に固定するための補助カバー」は、温罨法、冷罨法により患部を治療するための補助カバーで薬局、ドラッグストア及びスーパーなどで販売され、共に衛生用品に属する商品であり、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品が、同一のメーカーで製造、販売され、用途を同じにするなどの商取引が普通に行われている実情がある。
これらのことは、以下のインターネット情報により、容易にうかがい知ることができる。
(1)株式会社白元のウェブサイトにおいて、目的別商品一覧の見出しの下、風邪・花粉対策の項に、「アイスノン 寝苦しい時や発熱時の必需品!冷凍庫で冷やし、くりかえし使用することができます。」との記載と「花粉バリアマスク 高密度フィルターが花粉をガード!立体構造で顔にぴったりフィット!」「快適さわやかマスク いつも清潔使いきりタイプのマスク。花粉・ウイルスを含む飛沫99%カット。」「ウイルストッパー 高密度静電フィルターを採用したマスクです。ウイルスを含む飛沫・花粉を99%カット」との記載がある。
(http://www.hakugen.co.jp/products/purpose_list.php?pid=6)
(2)同ウェブサイトにおいて、アイスノンベルト大人用の見出しの下、商品の特長の項に、「洗える専用カバー付き。」との記載と、同見出しの下、用途の項に「●発熱・頭痛・歯痛・打撲・ねんざ時の冷却」との記載がある。
(http://www.hakugen.co.jp/products/character.php?pid=3)
(3)同ウェブサイトにおいて、トピックス&ニュースの見出しの下、「『首用アイスノン リラックマカバー付き』5月下旬新発売」の項に、「『首用アイスノン リラックマカバー付き』は、心地よい感触のパイル地のカバーに『リラックマ』のアップリケが付いたかわいらしいデザインです。本体のゲルは、首の形にぴったりフィットする特殊形状のアイスノンを使用しています。本体ゲルを冷凍庫で3時間以上冷却し、カバーに入れて首に巻くと、ひんやりと冷たい心地よさを実感できます。冷たさは約60分持続。繰り返し凍らせて使用できるので経済的です。またカバーは洗える素材で、いつでも衛生的に使用することができます。」との記載と「販売店:全国の量販店・ドラッグストアなど」との記載がある。
(http://www.hakugen.co.jp/topics/detail.php?tpid=24)
(4)同見出しの下、「『スティッチ アイスノン』5月下旬新発売」の項に、「ディズニーキャラクター『スティッチ』をカバーデザインに採用した、抱っこして使えるアイスノン『スティッチ アイスノン』を5月下旬より発売します。」との記載と「●スティッチデザインの洗える専用カバー付きです。」との記載及び「販売店:全国の量販店・ドラッグストアなど」との記載がある。
(http://www.hakugen.co.jp/topics/detail.php?tpid=29)
(5)同見出しの下、「『ウイルストッパー プリーツタイプ・立体タイプ』10月下旬新発売」の項に、「高密度静電フィルター採用によりウイルス飛沫を99%カットできる、使い捨て不織布マスク『ウイルストッパー プリーツタイプ レギュラーサイズ 30枚入』(中略)を10月下旬より発売します。」との記載と「販売店:全国の量販店・ドラッグストアなど」との記載がある。
(http://www.hakugen.co.jp/topics/detail.php?tpid=40)
(6)小林製薬株式会社のウェブサイトにおいて、製品情報の見出しの下、衛生雑貨品の項に、「のどぬ?る ウイルス対策高密度マスク ウイルス飛沫・花粉99%カット」との記載と「熱さまひんやり首もとベルト 首に巻くだけで、しっかり冷えて暑さが和らぐ首もと用冷却ベルト」との記載がある。
(http://www.kobayashi.co.jp/seihin/menu/category_04.html)
(7)同ウェブサイトにおいて、「熱さまひんやり首もとベルト」の見出しの下、製品特徴の項に、「カバー改良肌ざわりアップ! 凍らせてもカチカチにならない特殊冷却ジェルで、首もとにフィットします。 首もとを締めつけないゆったりサイズで、長さ調節も可能です。 冷凍庫で冷やして、くり返し使えます。 肌にやさしく、肌ざわりのよい素材です。 洗濯OKなので衛生的に使えます。」との記載がある。
(http://www.kobayashi.co.jp/seihin/ns_khb/index.html)
したがって、衛生マスクと化学物質を充填した患部用保温保冷具を患部に固定するための補助カバーは、その生産部門、販売部門、用途及び需要者の範囲を同じにするものであり、互いに類似の関係にある商品といい得るものである。
よって、本願商標と引用商標とは、商標において類似するものであり、かつ、その指定商品も類似する商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、本願商標が僅か4文字の片仮名文字(標準文字)のみから構成され、極めてシンプルな外観となっているのに対し、引用商標は周囲に動物の絵が配された男児の絵が大きく、かつ印象的な体裁で表示されているため、文字部より先に当該絵部が取引者・需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えているものである旨主張するが、商標の類否については、前記1のとおりである。
また、請求人は、本願商標の指定商品の「衛生マスク」と引用商標の指定商品の「化学物質を充填した患部用保温保冷具を患部に固定するための補助カバー」は、構造・形態はもとより、使用時期、使用目的、装着部位、生産部門、販売方法を悉く異にする全く異種の商品である旨主張するが、指定商品の類否については、前記2のとおりである。
さらに、請求人は、過去の審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該審決例等は、商標の構成及び指定商品において本願とは事案を異にするものであり、それらの審決例等をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
4 むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用商標


審理終結日 2011-07-20 
結審通知日 2011-07-25 
審決日 2011-08-31 
出願番号 商願2009-64209(T2009-64209) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X05)
T 1 8・ 263- Z (X05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前山 るり子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 大島 勉
末武 久佳
商標の称呼 レインボー 
代理人 特許業務法人アルガ特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ