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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09164143
管理番号 1258409 
異議申立番号 異議2011-900425 
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-11-28 
確定日 2012-06-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5434256号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5434256号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5434256号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成23年3月1日に登録出願、第9類、第16類、第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年7月26日に登録査定、同年8月26日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下(1)ないし(5)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3007517号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年5月22日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年10月31日に設定登録され、その後、平成16年6月29日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(2)国際登録第920443号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、2006年(平成18年)12月1日に国際商標登録出願、第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成20年4月18日に設定登録されたものである。
(3)国際登録第920444号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、2006年(平成18年)12月1日に国際商標登録出願、第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成20年4月18日に設定登録されたものである。
(4)国際登録第920445号商標は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、2006年(平成18年)12月1日に国際商標登録出願、第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成20年4月18日に設定登録されたものである。
(5)国際登録第1038672号商標は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、2010年(平成22年)4月5日に国際商標登録出願、第32類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成23年5月27日に設定登録されたものである。
上記(1)ないし(5)の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、「ビール」の分野において、申立人の業務を表示するものとして、本件商標の出願日はもちろん、現在においても、周知・著名になっている。
本件商標は、「魔法」の文字が視覚的に分離されるうえ、「スパイステクニック」の文字部分も識別力が強いとはいい難く、さらに、全体の称呼も冗長であるため、「マホウ」の称呼をもって取引に資される場合もないとはいえず、そうとすると引用商標と類似するものである。
また、昨今、飲料、食品メーカーが、自社商品の販売促進の範囲を超え、独自の「料理教室」や「食べ物に関する講習会」を関催しているという実例も多くみられ、場合によってはそれらの情報が印刷物や電子出版物として需要者に販売される可能性も十分に存在する。
さらに、企業の多角経営の可能性をも考慮すると、本件商標が指定商品又は指定役務に使用された場合、あたかも申立人又はこれと何らかの関連を有する者の販売又は提供に係る商品又は役務であると混同することも否定することができない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
ア 甲第7号証の1ないし甲第13号証によれば、申立人は、1890年に、スペイン国マドリッドに設立された主としてビールの製造販売を業とする企業であって、その業務に係るビール(以下「申立人商品」という。)には、引用商標中の「Mahou」の文字を含む商標が使用されてきたこと(甲7の1ないし甲11)、申立人商品の我が国への輸出は、CORDON VERT社を通じて、2007年(平成19年)ころには開始されたこと(甲13。なお、甲13によれば、申立人とCORDON VERT社との間で、申立人商品を含む申立人の業務に係る商品の取引があったことは推認することができるが、甲13における取引書類の種類や日付順等は、極めてランダムに綴られているばかりか、これらの訳文の提出もなく、したがって、我が国に輸入された申立人商品の正確な数量を確認することができないのみならず、提出された書類の中には、引用商標が付された商品が輸入されたのかさえも確認することができない書類も存在する。)、また、申立人商品に関し、本件商標の登録出願日(平成23年3月1日)前に、申立人やCORDON VERT社が日本において、積極的に広告活動をした事実を示す証拠の提出はないものの、ブログなどを通じて、「MAHOU(マオウ)」、「マオウ(MAHOU)」などと記載されて数件程度紹介されたこと(甲12)、などを認めることができる。
イ 前記アで認定した事実によれば、申立人商品は、我が国において、ビール愛飲家のうちでも、外国産のビールを愛飲する一部の需要者等の間には、ある程度知られていたと推認することができるが、ビール愛飲家全般に限ってみたとしても、さほど広く知られていたものと認めることができず、したがって、申立人商品に付される引用商標についても、本件商標の登録出願時に、ビールの分野における需要者等の間に広く認識されていたと認めることはできない。その他、引用商標が、本件商標の登録出願日及び登録査定日(平成23年7月26日)の時点において、我が国における少なくともビールの分野において、その需要者等の間に広く認識されていたと認めるに足りる的確な証拠は見出せない。
(2)本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり、オレンジ色を施した「魔法のスパイステクニック」の文字(当該文字中の「魔法」の文字部分の上部は、オレンジ色がかすれているように表され、また、「の」の文字部分は、他の文字に比べ小さく表されている。)を横書きしてなるものであるところ、該文字は、ほぼ同一の色彩で統一され、かつ、同一の書体で、いずれの文字の間にも大きな切れ目がなく一連に書されているものであるから、外観上極めてまとまりのある一体的な商標を表したと理解されるといえるばかりでなく、構成する文字全体から、「料理を作るときの魔法のようなスパイスの使い方(手法)」なる意味合いを想起させるものといえる。そうすると、本件商標は、その外観及び観念の点からみて、「魔法の」の文字部分と「スパイステクニック」の文字部分の不可分一体性は決して弱いものということはできない。
してみれば、本件商標は、構成全体をもって、一体不可分の商標を表したと認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「マホウノスパイステクニック」の一連の称呼のみを生ずるものというべきであって、その構成中の「魔法」の文字部分が独立して把握、認識されるものではない。
(3)出所の混同について
前記(1)で認定したとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、我が国のビールの分野の需要者等の間に広く認識されていたと認めることができないものである。
また、前記(2)で認定したとおり、本件商標は、その構成中の「魔法」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではない。
さらに、本件商標の指定商品及び指定役務は、第9類「電子出版物」、第16類「印刷物」、第41類「料理に関する知識の教授,電子出版物の提供」及び第43類「飲食物のメニュー・レシピ又は食材に関する情報の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」であるから、引用商標が使用される「ビール」とは、商品の品質・用途・原材料・販売場所等及び役務の提供場所・提供の用に供する物・用途等において著しく相違するのみならず、商品の生産者・流通系統・販売場所等及び役務の事業者・規制される法律等においても大きく相違するものである。
以上によれば、本件商標に接する取引者、需要者は、引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、該商品及び役務が申立人又はこれと何らかの関係のある者の業務に係る商品又は役務であるかのように、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
したがって、本件商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するとする申立人の主張は理由がない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(以下、(1)及び(3)ないし(6)の商標の色彩については、原本を参照されたい。)
(1)本件商標



(2)登録第3007517号商標



(3)国際登録第920443号商標



(4)国際登録第920444号商標



(5)国際登録第920445号商標



(6)国際登録第1038672号商標



異議決定日 2012-05-24 
出願番号 商願2011-14298(T2011-14298) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X09164143)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 瑠美 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 前山 るり子
豊瀬 京太郎
登録日 2011-08-26 
登録番号 商標登録第5434256号(T5434256) 
権利者 アイランド株式会社
商標の称呼 マホーノスパイステクニック、マホーノスパイス、スパイステクニック、スパイス、テクニック、マホー 
代理人 市川 久美子 
代理人 勝見 元博 
代理人 鮫島 睦 
代理人 川本 真由美 

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