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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X03 審判 査定不服 観念類似 登録しない X03 |
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管理番号 | 1258214 |
審判番号 | 不服2011-16249 |
総通号数 | 151 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-07-27 |
確定日 | 2012-05-14 |
事件の表示 | 商願2010- 56310拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品」を指定商品として、平成22年7月15日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定は、本願の拒絶の理由に下記の登録商標(以下、まとめていうときは「各引用商標」という。)を引用し、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断した。 (1)登録第5259870号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成20年7月17日に登録出願、第25類「被服,履物」及び第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝石及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同21年8月285日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (2)登録第5261878号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成19年4月2日に登録出願、第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電球類及び照明用器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝石及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年9月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲(1)のとおり、抽象的な模様が描かれた円形の図形(青色で着色された円形に、白抜きで抽象的な模様が曲線で描かれている。以下同じ。)と「Self」の欧文字(青色で着色されている。また、冒頭の「S」の文字は、左隣の円形の図形とほぼ同じ大きさで書されている。以下同じ。)を一列に並べた文字と図形の組み合わせよりなるものである。 しかして、本願商標の構成中、円形の図形部分は、抽象的な模様が曲線で描かれており、直ちに特定の観念を生じさせないが、「Self」の文字部分は、本願商標の構成全体に占める割合も約4分の3と大きく、かつ、「自分自身」等の意味を有する平易な英語であって記憶に残りやすいことからすれば、本願商標は、構成中の「Self」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 そうとすれば、本願商標は、構成中の「Self」の文字部分より、「セルフ」の称呼及び「自分自身」の観念を生ずるものというのが相当である。 一方、引用商標1は、別掲(2)のとおり、ややデザイン化された「Self」(「f」の文字の横線部分が、水色で塗りつぶされた小さな円で表されている。以下同じ。)の欧文字及び当該「Self」の文字の左下に、水色で塗りつぶされた小さな円(前記「f」の文字の横線部分とほぼ同じ大きさの図形。)を2つ並べた、文字と図形の組み合わせよりなるところ、これよりは、一見して顕著に表された「Self」の欧文字部分が取引者、需要者に対し商品・役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 そうとすれば、引用商標1は、構成中の「Self」の文字部分より、「セルフ」の称呼及び「自分自身」の観念を生ずるものというのが相当である。 また、引用商標2は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、デザイン化されているとはいえ、一見して「SeLF」(各文字は同じ高さ、大きさで表され、青色で着色されているが、「L」の文字のみ青色の縦線の部分に接して、水色、緑色、橙色の3色の細いラインが描かれている。また、各文字の下から4分の1程のところに、細い切れ込みの横線が入っている。以下同じ。)の欧文字を表したものと理解し得るものである。 そうとすれば、引用商標2は、デザイン化した「SeLF」の欧文字より、「セルフ」の称呼及び「自分自身」の観念を生ずるものというのが相当である。 そこで、本願商標と各引用商標の類否について検討するに、両商標は、外観において差異を有するとしても、「Self」又は「SeLF」の欧文字部分から生ずる「セルフ」の称呼及び「自分自身」の観念を共通にするものであるから、互いに類似の商標と認められる。 また、各引用商標の指定役務のうち「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、「化粧品・歯磨き及びせっけん類」の小売業務においてされる顧客に対する各種の便益(サービス)を提供するというもので、上記「化粧品・歯磨き及びせっけん類」が、本願商標の指定商品「化粧品」を包含することは明らかである。 そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定役務との間で、一般的にそれぞれ異なる事業者が主体となるものではないし、用途や販売ないし提供される場所も格別異なるものでもなく、需要者の範囲も一般的には一致するものである。 してみれば、本願商標の指定商品と各引用商標の上記指定役務に同一又は類似の商標を使用するときは、出所について混同を生じるおそれがあるから、本願商標の指定商品と各引用商標の上記指定役務は類似するものと認められる。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 これに対し、請求人は、「本願商標の場合、その印象的な部分を踏まえて、需要者が『青い地球マークのセルフ』、『青い水紋の付されたセルフ』、『青い観世水模様のあるセルフ』等との外観及び観念を記憶して称呼することを否定し得るものでない。そしてかかる記憶に基づいて、店頭においてビューティーアドバイザに、例えば『「青い水紋の付されたセルフ」というブランドの化粧水が欲しい』として商品を求める(取引に資する)場合も決して少なくないものと思う。したがって、本願商標と各引用商標は、外観、観念及び称呼が相違する。」旨主張している。 しかしながら、前記したとおり、本願商標の構成中、抽象的な模様が描かれた円形の図形部分からは、これに接する者に、直ちに何らかの特定の観念(「青い地球」、「青い水紋」、「青い観世水模様」等)を生じさせるものとは認められないから、請求人の主張を採用することはできない。 また、請求人は、「仮に、本願商標と各引用商標が称呼において類似しているとしても、外観及び観念が異なっており、混同を生じない商標といえる。」旨主張している。 しかしながら、前記したとおり、本願商標と各引用商標とは、外観において差異を有するとしても、「セルフ」の称呼だけでなく、「自分自身」の観念をも共通にする類似の商標と認められるから、請求人の主張は採用することができない。 さらにまた、請求人は、「各引用商標の商標権者は本願商標の指定商品である化粧品を販売していないこと、本願商標の指定商品『化粧品』は店頭販売されていないこと、各引用商標の商標権者の役務の対象も本願商標の商品の対象も会員制による限られた顧客(需要者)を対象としていること等の取引の実情ないし経験則によって、出所の誤認混同の可能性がないから、本願商標と各引用商標とは、商標非類似と結論付けることができる。」旨主張している。 しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、単に当該商標が現在使用されている商品・役務についてのみの特殊的、限定的な実情を指すものではなく、指定商品・役務全般についての一般的、恒常的な実情を指すものと解すべきである(最高裁判 第一小法廷昭和49年4月25日判決・昭和47年(行ツ)第33号参照)ところ、請求人主張に係る取引の実情(第3ないし11号証)は、他人である引用商標権者が現在販売している商品(本願商標の指定商品「化粧品」を現在販売していないこと)、他人である引用商標権者及び請求人自身が行っている現在の販売方法(会員制による限られた顧客を対象としていること)等を今後も変化する余地のないものとして述べているにとどまるものであって、これは指定商品・役務全般についての一般的、恒常的な実情とはいえないから、請求人の主張を採用することはできない。 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (1)本願商標(色彩については原本参照) (2)引用商標1(色彩については原本参照) (3)引用商標2(色彩については原本参照) |
審理終結日 | 2012-03-19 |
結審通知日 | 2012-03-23 |
審決日 | 2012-03-29 |
出願番号 | 商願2010-56310(T2010-56310) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X03)
T 1 8・ 262- Z (X03) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 幸一 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
森山 啓 田中 亨子 |
商標の称呼 | セルフ |
代理人 | 富樫 竜一 |