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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y32
審判 全部申立て  登録を維持 Y32
審判 全部申立て  登録を維持 Y32
審判 全部申立て  登録を維持 Y32
管理番号 1256597 
異議申立番号 異議2008-900259 
総通号数 150 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-06-30 
確定日 2012-05-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5122638号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについてした平成23年2月10日付け決定に対し、知的財産高等裁判所において決定取消の判決(平成23年(行ケ)第10203号、平成24年2月21日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり決定する。 
結論 登録第5122638号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5122638号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品とし、平成18年12月19日に登録出願された商願2006-117171号に係る商標法第10条第1項の規定による分割出願である商願2007-98284号をさらに分割出願したものであって、同19年11月7日に登録出願、同20年3月11日に登録査定、同年3月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり(以下、これらを一括していう場合は「引用各商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4953081号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成17年6月1日に登録出願、第30類「コーヒー,コーヒー飲料,代用コーヒー,コーヒー豆,コーヒーを含有した甘味料(天然のもの),コーヒー用砂糖,コーヒー味のキャンデー,コーヒー味のチョコレート,コーヒー味のフォンダン(糖菓),コーヒー味の糖蜜,コーヒー味のパン,コーヒー味の菓子,コーヒーを使用した穀物の加工品,コーヒー味のめん類,コーヒー味のポップコーン,コーヒー味のチップス(穀物製品),コーヒー味のアイスクリーム,コーヒー味のシャーベット,コーヒー味の氷菓,コーヒー味のアイスクリームのもと,コーヒー味のフローズンヨーグルト,コーヒーの香りを有する食品香料(精油のものを除く。),コーヒーの風味を有する食品用エッセンス(エーテルエッセンス及び精油のものを除く。),コーヒーの風味を有するバニラ(精油以外の食品用香味料),コーヒーの風味を有するアイスクリーム用凝固剤,コーヒーの風味を有するホイップクリーム用安定剤,コーヒー味の氷,コーヒー味のシャーベットのもと,コーヒーの風味を有するアーモンドペースト,コーヒー味のサンドイッチ,コーヒーの風味を有する即席菓子のもと」及び第32類「コーヒー味の清涼飲料,コーヒー味の乳清飲料,コーヒー味の果実飲料,コーヒー味の飲料水,コーヒー味の炭酸水,コーヒー入りの飲料用野菜ジュース,コーヒー味のシャーベット水,コーヒー入りのトマトジュース,コーヒー味のアルコール分を含まないカクテル,コーヒー味のアイソトニック飲料,コーヒー入りのアーモンド飲料,コーヒー入りのコーラ飲料,コーヒー入りの清涼飲料のもと,コーヒーシロップ,コーヒー味のシロップ,コーヒー入りの発泡性飲料用錠剤,コーヒー入りの発泡性飲料用粉末,コーヒー入りのビール,コーヒー入りの麦芽ビール,コーヒーの風味を有するビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同18年5月19日に設定登録されたものであるが、その後、商標法第50条に基づく商標権一部取消し審判の請求があった結果、その指定商品中の第32類「コーヒー味の清涼飲料,コーヒー味の果実飲料,コーヒー味の飲料水,コーヒー味の炭酸水,コーヒー味のシャーベット水,コーヒー入りのトマトジュース,コーヒー味のアルコール分を含まないカクテル,コーヒー味のアイソトニック飲料,コーヒー入りのアーモンド飲料,コーヒー入りのコーラ飲料,コーヒー入りの清涼飲料のもと,コーヒーシロップ,コーヒー味のシロップ,コーヒー入りの発泡性飲料用錠剤,コーヒー入りの発泡性飲料用粉末」については、同21年9月8日にその登録を取り消す旨の審決がされ、同年11月13日にその審判の確定登録がされているものである。
(2)登録第4953082号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成17年6月1日に登録出願、第30類「コーヒー,コーヒー飲料,代用コーヒー,コーヒー豆,コーヒーを含有した甘味料(天然のもの),コーヒー用砂糖,コーヒー味のキャンデー,コーヒー味のチョコレート,コーヒー味のフォンダン(糖菓),コーヒー味の糖蜜,コーヒー味のパン,コーヒー味の菓子,コーヒーを使用した穀物の加工品,コーヒー味のめん類,コーヒー味のポップコーン,コーヒー味のチップス(穀物製品),コーヒー味のアイスクリーム,コーヒー味のシャーベット,コーヒー味の氷菓,コーヒー味のアイスクリームのもと,コーヒー味のフローズンヨーグルト,コーヒーの香りを有する食品香料(精油のものを除く。),コーヒーの風味を有する食品用エッセンス(エーテルエッセンス及び精油のものを除く。),コーヒーの風味を有するバニラ(精油以外の食品用香味料),コーヒーの風味を有するアイスクリーム用凝固剤,コーヒーの風味を有するホイップクリーム用安定剤,コーヒー味の氷,コーヒー味のシャーベットのもと,コーヒーの風味を有するアーモンドペースト,コーヒー味のサンドイッチ,コーヒーの風味を有する即席菓子のもと」及び第32類「コーヒー味の清涼飲料,コーヒー味の乳清飲料,コーヒー味の果実飲料,コーヒー味の飲料水,コーヒー味の炭酸水,コーヒー入りの飲料用野菜ジュース,コーヒー味のシャーベット水,コーヒー入りのトマトジュース,コーヒー味のアルコール分を含まないカクテル,コーヒー味のアイソトニック飲料,コーヒー入りのアーモンド飲料,コーヒー入りのコーラ飲料,コーヒー入りの清涼飲料のもと,コーヒーシロップ,コーヒー味のシロップ,コーヒー入りの発泡性飲料用錠剤,コーヒー入りの発泡性飲料用粉末,コーヒー入りのビール,コーヒー入りの麦芽ビール,コーヒーの風味を有するビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同18年5月19日に設定登録されたものであるが、その後、商標法第50条に基づく商標権一部取消し審判の請求があった結果、その指定商品中の第32類「コーヒー味の清涼飲料,コーヒー味の果実飲料,コーヒー味の飲料水,コーヒー味の炭酸水,コーヒー味のシャーベット水,コーヒー入りのトマトジュース,コーヒー味のアルコール分を含まないカクテル,コーヒー味のアイソトニック飲料,コーヒー入りのアーモンド飲料,コーヒー入りのコーラ飲料,コーヒー入りの清涼飲料のもと,コーヒーシロップ,コーヒー味のシロップ,コーヒー入りの発泡性飲料用錠剤,コーヒー入りの発泡性飲料用粉末」については、同21年9月8日にその登録を取り消す旨の審決がされ、同年11月13日にその審判の確定登録がされているものである。
(3)登録第5062478号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成18年9月21日に登録出願、第30類「コーヒー,コーヒー豆,コーヒーを使用してなる菓子及びパン,コーヒー風味の菓子及びパン」及び第32類「コーヒーを使用してなる清涼飲料・果実飲料・乳清飲料・飲料用野菜ジュース,コーヒー風味の清涼飲料・果実飲料・乳清飲料・飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同19年7月13日に設定登録されたものであるが、その後、商標法第50条に基づく商標権一部取消し審判の請求があった結果、その指定商品中の第32類「コーヒーを使用してなる清涼飲料・果実飲料,コーヒー風味の清涼飲料・果実飲料」については、同23年10月25日にその登録を取り消す旨の審決がされ、同24年1月4日にその審判の確定登録がされているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上段に大きく「VOSS」の文字をやや太めの線を用いて横書きし、その下にワンスペースほどの間隔を空けて、「VOSS」の文字よりも細い線で横書きされた「フオス」の文字が併記された構成に係る商標である。すなわち、この2つの文字は、密接不可分に結合された態様の商標であることを示すものとはなっていない。
我々日本人は、多くの欧文文字を英語の発音で称呼しがちであるがゆえに、また、「VOICE」、「VOTE」、「VOCAL」、「VOCABULARY」、「VOLT」、「VOLUNTARY」等我々日本人でも良く知っている英語が「ヴォ」という語頭音で始まる発音により称呼されていることからして、本件商標を構成する「VOSS」から生じる自然称呼は、「ヴォス」であるといわざるを得ない。
本件商標は、当該「VOSS」の文字の下に「フオス」という片仮名が併記されているが、これは、「VOSS」との関係においては一体的な商標であるとは考えられないというべきである。すなわち、本件商標は、全く関係のない2つの構成要素から成立している商標である。
一方、引用各商標からは、「BOSS」の部分が独立して自他商品識別を行う標識として認識される。
したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼において類似すると判断されるべきであり、両指定商品は、同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、上記(1)において引用した商標以外に、「BOSS」、「ボス」という商標あるいはこれらを含む商標(以下「申立人使用商標」という。)について、商品「コーヒー」等を指定して数多くの商標登録を有している。それらは、申立人が1992年以来長年にわたり製造販売している缶入りの「コーヒー」に使用している商標として極めて著名な商標である。商標「BOSS」が使用された当該缶入りの「コーヒー」飲料は、1992年の販売以来、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、交通広告(駅構内・電車内・街頭における広告)を通じて大規模に宣伝・広告を行っており、消費者の間における著名性は極めて高いものである。
したがって、本件商標がその指定商品に使用されると、その商品があたかも申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所の混同を生じるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する。
(3)まとめ
上記(1)及び(2)に述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標との類否について、以下検討する。
ア 本件商標は、別掲(1)のとおりの態様であり、その上段に「VOSS」の欧文字、下段に「フォス」の片仮名が記載されている。
そして、「VOSS」とはノルウェー産のミネラルウォーターのブランドで、ノルウェー語で「滝」という意味を有し、ノルウェーの山間の小さな町の名であるが、我が国においては、その意味合いで知られているとはいえず、また、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語では「VOSS」という語は日常レベルの語としては存在しないことが認められる。
以上からすれば、我が国において、「VOSS」の文字から特段の観念が生じるとはいえず、また、一般に、欧文字と仮名文字とを併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼が、その欧文字部分より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるところ、本件商標においては、「VOSS」の下段に「フォス」と記載されており、これが「VOSS」の読みを特定したものと無理なく認識できるから、本件商標からは、「フォス」の称呼を生ずるものといえる。
イ 引用商標1及び2は、パイプをくわえた男性の斜め横顔のイラスト、「三得利」の文字部分、イラストの周りを取り囲む「BOSS COFFEE COFFEE BOSS COFFEE」の文字部分、「BOSS」の文字部分並びにラベル風図形及びその中に記載された「伯斯」(引用商標1)又は「博斯」(引用商標2)の文字部分の各構成要素を結合した結合商標であり、その称呼は「ボス」、「ボスコーヒー」ないし「サントリーコーヒーボス」であるものと認められる。
また,引用商標3は、経線と緯線のみが描かれている地球儀を背景にしたパイプをくわえた男性の斜め横顔のイラスト部分及びイラストの周りを上下に取り囲む「SUNTORY COFFEE BOSS」の文字部分からなる結合商標であり、その称呼は「ボス」ないし「サントリーコーヒーボス」であると認められる。
そして、我が国でのサントリー関連会社の缶コーヒー取引の実情に関する証拠(甲第2号証ないし同第4号証)からすれば、引用各商標からは「缶コーヒーのボス」といった観念が生じるものと認められる。
また、引用各商標は、いずれも、「パイプをくわえた男性の斜め横顔」の大きなイラスト部分が存在するため、引用各商標からは「パイプをくわえた男性」の観念も生じ得るものと解される。
ウ 以上からすると,本件商標と引用各商標とでは、イラストの有無を含め、外観において大きく異なる上、観念においても、本件商標からは特段の観念が生じないのに対し、引用各商標からは、「缶コーヒーのボス」や「パイプをくわえた男性」といった観念が生じるものである。
そして、本件商標からは、基本的に「フォス」との称呼が生じるのに対し、引用各商標からは、「ボス」、「ボスコーヒー」ないし「サントリーコーヒーボス」との称呼が生じることから、称呼においても非類似というべきである。
そうすると、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似するものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、商標「BOSS」が使用された缶入りの「コーヒー」を1992年に発売して以来、新商品やリニューアル商品にも引用各商標及び申立人使用商標を付しており、また、大規模に宣伝・広告を行い、飲料業界における販売数量も相当程度のものであることからすれば、缶入りの「コーヒー」に引用各商標及び申立人使用商標が使用された結果、取引者、需要者間で広く知られている旨主張する。
しかしながら、本件商標と引用各商標とは、上記(1)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであり、また、申立人使用商標についてみても、引用各商標と同様の称呼及び観念を生じるとはいえるものの、ほかに本件商標と申立人使用商標とが相紛れるおそれがあると認めるに足る特段の事情も見いだし得ないことからすれば、これらも同様に別異の商標とみるのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)引用商標1(登録第4953081号商標)

(色紙については原本参照。)

(3)引用商標2(登録第4953082号商標)

(色彩については原本参照。)

(4)引用商標3(登録第5062478号商標)



異議決定日 2012-05-10 
出願番号 商願2007-113197(T2007-113197) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y32)
T 1 651・ 263- Y (Y32)
T 1 651・ 262- Y (Y32)
T 1 651・ 261- Y (Y32)
最終処分 維持  
前審関与審査官 保坂 金彦大橋 信彦田中 幸一赤澤 聡美 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 寺光 幸子
田中 敬規
登録日 2008-03-28 
登録番号 商標登録第5122638号(T5122638) 
権利者 株式会社 伊藤園 フォス オブ ノルウェー エーエスエー
商標の称呼 フォス、ボス 
代理人 柏原 三枝子 
代理人 高橋 剛一 
代理人 柳生 征男 
代理人 米村 道子 
代理人 足立 泉 
代理人 青木 博通 
代理人 柴田 雅仁 
代理人 中田 和博 

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