ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25 |
---|---|
管理番号 | 1256513 |
審判番号 | 取消2011-300270 |
総通号数 | 150 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-06-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2011-03-10 |
確定日 | 2012-05-01 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5009308号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5009308号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゆとりら」の平仮名を標準文字で表してなり、平成18年6月21日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年12月8日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、平成23年3月30日になされている。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。 本件商標は、その指定商品中、本件審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用された事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。 1 本件商標の使用事実 (1)商標の使用者 ア 乙第1号証「商品口紙」、乙第2号証「商品口紙」には、「イイダ靴下株式会社」及び製品製造工場であるイイダ靴下株式会社佐賀工場の住所「佐賀県杵島郡江北町山口1619」と「アイファン」が表示されている。 また、乙第3号証「発注書」には、「イイダ靴下(株)」及び「アイファン(株)」が表示されている。乙第4号証の「商品発注書」には、「イイダ靴下(株)」が表示されている。 乙第5号証及び乙第6号証の各「商品パッケージ」には、「アイファン株式会社」及び「〒849-0501 佐賀県杵島郡江北町山口1619」が表示されている。 乙第7号証「商品台紙の納品書及び印刷見本」には「発売元 アイファン株式会社」、「イイダ靴下株式会社佐賀工場」及び「〒849-0501 佐賀県杵島郡江北町山口1619」が記載されている。さらに、乙第8号証「商品台紙」には、「発売元 アイファン株式会社」及び「〒849-0501 佐賀県杵島郡江北町山口1619」が記載されている。 イ 乙第9号証「商標の使用に係る許諾書」には、被請求人(商標権者)がアイファン株式会社に本件商標の使用を商品「被服、運動用特殊衣服」について許諾した旨の記載がされている。 (2)使用に係る商品 ア 乙第1号証には、請求に係る指定商品「下着」である品名「モダールインナー」及びこのインナー(肌着)着用写真が掲載されている。また、乙第2号証には、「モダールインナー」のガードル及びこのガードル着用写真が掲載されている。 イ 乙第3号証には、品名「モダールインナー」及びこのインナー(肌着)の品番「LA-46」と、品名「モダール3分丈ガードル」及びこのガードルの品番「LA-461」とが各々記載されている。また、乙第4号証には、品名「モダールシェイプインナー」及びその品番と「LA-46」、品名「モダールソフトガードル」及びその品番「LA-461」とが各々記載されている。 ウ 乙第5号証には、ガードル着用状態写真が掲載されている。また、乙第6号証は、請求に係る指定商品「下着」である腹巻きである。 エ 乙第7号証「商品台紙の納品書及び印刷見本」及び乙第8号証「商品台紙」には、品名「消臭汗取りインナー」及びこの汗取りインナー(肌着)着用写真が掲載されている。 (3)使用に係る商標 乙第1号証、乙第2号証及び乙第5号証ないし乙第8号証の各号証には、本件商標が明示されている。 (4)使用の時期 ア 乙第3号証には、平成21年8月19日付けで同年10月ないし12月及び平成22年1月及び2月において、アイファン株式会社が百貨店向けにイイダ靴下株式会社に「ゆとりら」の使用に係る商品であるモダールインナー及びモダールガードルを発注した旨が記載されている。 イ 乙第4号証には、平成22年11月10日付けで「ゆとりら」の使用に係る商品であるモダールシェイプインナー及びモダールソフトガードルを百貨店の岩田屋本店(所在地;〒810-8680福岡県福岡市中央区天神二丁目5番35号)がイイダ靴下株式会社に対して発注した旨が記載されている。 ウ 乙第7号証には、平成21年5月28日付けでアイファン株式会社が販売する「ゆとりら」の使用に係る商品である消臭汗取りインナー用の台紙が製造元のイイダ靴下株式会社佐賀工場へ納品された旨が記載されている。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者及び通常使用権者の双方により「下着」について使用していることが明らかであることから、本件審判の請求は成り立たない、との審決を求める。 第4 当審の判断 1 被請求人提出の証拠及び主張によれば次のとおりである。 (1)商標権者は、「佐賀県杵島郡江北町山口1619」に佐賀工場を有しており、また、同所所在のアイファン株式会社は、平成19年に商標権者の販売部門が独立して設立された子会社である。また、両者の代表取締役は「飯田 清三」である(被請求人主張、乙第9号証及び職権調査)。 (2)乙第1号証は、モダールインナー(以下「使用商品1」という。)の商品口紙であり、それには「ゆとりら/SERIES(「SERIES」の文字は「と」と「り」の間に小さく表されている。)」の表示(以下「使用商標1」という。)があり、「モダール混ソフトインナー」「ソフトタッチのモダールインナー」「イイダ靴下株式会社」及び「佐賀県杵島郡江北町山口1619」などの記載とともに、商品を着用した状態の写真が表示されている。 (3)乙第3号証は、発注書であり、右上に「平成21.8.19」、中央上に「アイファン(株) 百貨店」、左上に「イイダ靴下(株)御中」と記載され、その下の表には、品名欄に「モダールインナー」の記載があり、「サイズ」などとともに、10月ないし2月の月別の数量、金額が記載されている。 (4)乙第7号証は、乙第8号証の商品の商品台紙の印刷見本及び該台紙の納品書・控であるところ、印刷見本には、左上部に「消臭汗取りインナー」、最下部に「発売元 アイファン株式会社/佐賀県杵島郡江北町山口1619」、右中央に「消臭汗取り/インナー」の記載とともに、「ゆとりら」の表示(以下「使用商標2」という。)があり、その上下に商品の着用写真が表示されている。また、納品書・控には、右上に「納品日 21年5月28日」、その下に「サガシキ印刷株式会社/佐賀市高木瀬西六丁目3番2号」、左に「佐賀県杵島郡江北町山口1619/イイダ靴下株式会社 佐賀工場 様」の記載があり、その下の表には、「品名・規格」欄に「汗取りわきサララ ゆとりら 台紙」、「数量」欄に「5000」、単価及び金額などの記載があり、表の下に「上記の通り納品申し上げます。」と記載されている。 (5)乙第8号証は、乙第7号証の台紙とともに包装袋に収納されている「消臭汗取りインナー」(以下「使用商品2」という。)である。 (6)乙第9号証は、「商標の使用に係る許諾書」であり、該許諾書には、「平成20年1月1日」「許諾を受ける者」として「住所 佐賀県杵島郡江北町山口1619/名称 アイファン株式会社/代表取締役社長 飯田 清三 殿」「商標登録番号 第5009308号」「上記の商標権に係る商標『ゆとりら』の指定商品『被服,運動用特殊衣服』について、貴社が使用することを許諾します。」の記載があり、右下には「商標権者」として「住所 奈良県御所市138番地/名称 イイダ靴下株式会社/代表取締役社長 飯田 清三」の記載とともに、代表取締役の捺印がある。 2 判断 (1)上記1によれば、次のとおり認めることができる。 ア 商標権者は、平成20年1月1日に佐賀県杵島郡江北町山口1619の「アイファン株式会社」(以下「アイファン社」という。)に本件商標をその指定商品「被服,運動用特殊衣服」について使用することを許諾した(上記1(6)) そして、被請求人(商標権者)は、アイファン社が通常使用権者である旨述べていることから、アイファン社は通常使用権者とみて差し支えない。 イ 乙第1号証の商品口紙に記載された「モダールインナー」「イイダ靴下株式会社」と乙第3号証の発注書に記載された品名「モダールインナー」、あて先の「イイダ靴下(株)」とが一致すると認められることから、佐賀県杵島郡江北町山口1619のイイダ靴下株式会社は、平成21年8月19日にアイファン(株)からの発注を受けて使用商標1が表示された商品口紙で包装された使用商品1を平成21年10月ないし同22年2月頃に納品(引き渡し)したと推認することができる(上記1(2)、(3))。 そして、該会社は、その住所及び名称が商標権者の佐賀工場の住所及び名称と一致するから、商標権者と認めることができる(上記1(1))。 ウ 乙第7号証の商品台紙の納品書・控によれば、サガシキ印刷株式会社からイイダ靴下株式会社佐賀工場(佐賀県杵島郡江北町山口1619)に5,000部納品したと推認できる(上記1(4))。 乙第7号証の「納品書・控」のあて先と商品台紙に記載された発売元が異なっているが、両者が親子関係の会社であること、両者の所在地が同一であること及び両者の代表取締役が同一人であること(上記1(1))からすれば、乙第7号証の商品台紙はアイファン社が受領したものとみて差し支えない。 そして、乙第7号証の商品台紙と乙第8号様の商品台紙とは同一のもの(上記1(5))であることを併せみれば、アイファン社(通常使用権者)は、平成21年5月28日以降相当の期間(終日は明らかでないが、本件審判の請求の登録前3年以内とみるのが自然である。)、商品「消臭汗取りインナー」5,000個に使用商標2を付したものと推認することができる(上記1(4))。 (2)使用に係る商品 使用商品1(モダールインナー)及び使用商品2(消臭汗取りインナー)は、商品台紙の着用写真、その名称及び包装袋に収納された商品から、いずれも本件請求に係る指定商品中の「下着」の範ちゅうに属するものである。 (3)使用の時期 上記(1)イの使用商品1の納品時期及び使用商標2を付した時期と推認される平成21年10月ないし同22年2月頃まで及び平成21年5月28日以降相当の期間(遅くとも同23年3月29日まで)は、いずれも本件審判の請求の登録前3年以内である。 (4)本件商標と使用商標1及び2 本件商標は上記第1のとおり、「ゆとりら」の文字からなるものある。 使用商標1は上記1(2)のとおり、「ゆとりら」の文字の「と」と「り」の間に「SERIES」の文字が小さく表されてなるものであるが、「ゆとりら」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものである。 そして、該「ゆとりら」の文字部分と本件商標とは、いずれも「ゆとりら」の文字からなるものであるから、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一と認められる。 また、使用商標2は、上記1(4)のとおり「ゆとりら」の文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められること明らかである。 (5)まとめ 上記(1)ないし(4)からすれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に本件審判の請求に係る指定商品中「下着」の範ちゅうに属する商品「モダールインナー」の包装に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。以下同じ。)を付したものを納品(引き渡し)(商標法第2第3項第2号)し、また、通常使用権者であるアイファン社は、同じく商品「消臭汗取りインナー」の包装に本件商標を付した(商標法第2第3項第1号)といえる。 そうとすれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者及び通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」に含まれる「下着」の範ちゅうに属する商品について本件商標の使用をしていることを証明したといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-03-02 |
結審通知日 | 2012-03-06 |
審決日 | 2012-03-21 |
出願番号 | 商願2006-57590(T2006-57590) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y25)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大橋 信彦 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 瀧本 佐代子 |
登録日 | 2006-12-08 |
登録番号 | 商標登録第5009308号(T5009308) |
商標の称呼 | ユトリラ |
代理人 | 平井 安雄 |
代理人 | 濱田 俊明 |