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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X092835 審判 全部申立て 登録を維持 X092835 審判 全部申立て 登録を維持 X092835 |
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管理番号 | 1255335 |
異議申立番号 | 異議2011-900383 |
総通号数 | 149 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-05-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-10-24 |
確定日 | 2012-04-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5427522号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5427522号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5427522号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成22年12月16日に登録出願、第9類、第28類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成23年7月5日に登録査定、同年7月22日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 (1)登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、下記のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標をまとめていうときは「引用各商標」という。)。 (ア)登録第5417002号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成22年12月20日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年6月10日に設定登録されたものである。 (イ)登録第5401330号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ARGO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年3月23日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年3月25日に設定登録されたものである。 (2)理由の要点 本件商標は、欧文字で「algo」と書してなる構成を有し、その構成から「アイゴ」ではなく、むしろ「アルゴ」の称呼が生じる。 本件商標の構成について見ると、2番目の欧文字は、頂部が灰色に着色されており、他の部分の黒色と異なる色彩となっているが、黒色の部分とは分離しておらず、「l」の文字を認識させるものである。 これに対し、引用各商標からは「アルゴ」の称呼が生じるものであり、本件商標から生じる称呼と同一である。 仮に、本件商標からは「アルゴ」の称呼が生ぜず、「アイゴ」の称呼を生じるものであったとしても、「アルゴ」と「アイゴ」とでは、語頭音と語尾音とを共通にし、第二音を異にするに過ぎない。3音からなる比較的短い称呼において3分の2を共通にし、しかも類似判断において重要な位置を占める語頭と語尾を同一にする。 したがって、本件商標は、引用各商標と類似するものである。 さらに、引用各商標の指定商品はいずれも、本件商標の指定商品と抵触する。 したがって、本件商標は、引用各商標との関係で、商標法4条1項11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、やや図案化して表現されているものの、格別特異な表現方法ではなく、欧文字4字を表現したものと容易に看取されるものである。そして、その2文字目に当たる部分については、上部5分の1程を灰色で表し、その下部を黒色で表していることから、視覚上、「i」の文字を図案化したものと認識されるものであって、本件商標の構成全体は、「aigo」の文字をやや図案化して表したものとみるのが自然である。 そうすると、本件商標よりは、該文字に相応した「アイゴ」の称呼を生じ、意味を有する成語ではないから、特段の観念を生じない造語よりなるものというのが相当である。 申立人は、本件商標の2文字目は、頂部の色彩が異なるが分離はしていないから、「l」の文字を表し、「アルゴ」の称呼を生ずる旨、主張している。 しかしながら、本件商標中の該文字は、上部5分の1程で色彩を異にすることにより、上部部分と下部部分とが視覚上分離して把握されるものであり、「i」の文字を表したものと認識させるものといわざるを得ないから、前記のとおり「アイゴ」の称呼を自然に生ずるものである。 他方、引用各商標についてみるに、まず、引用商標1は、平成22年12月20日に登録出願されたものであって、平成22年12月16日に登録出願された本件商標との関係において、「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る」ものということができないから、互いに同一又は類似の商標か否かを検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。 次に、引用商標2は、「ARGO」の欧文字を書してなるところ、該文字に相応した「アルゴ」の称呼を生じ、一般に親しまれた語ではないから、特段の観念を生じないものというのが相当である。 そこで、本願商標より生ずる「アイゴ」の称呼と、引用商標2より生ずる「アルゴ」の称呼を比較するに、両称呼は、第2音において「イ」と「ル」の音の差異を有するものである。そして、該差異音は、「イ」の音が、くちびるを平たく開き、舌の先を下方に向け、前舌面を高めて硬口蓋に接近させ、声帯を振動させて発するのに対し、「ル」の音が、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音〔r〕と、母音〔u〕との結合した音節であり、両音は、調音方法を異にするものであって、これらの母音「i」と「u」が近似した関係にないものであるから、その音質、音感を異にするものであり、両称呼のわずか3音という短い音構成にあっては、該差異音が全体の称呼に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはないというべきである。 また、両商標は、前記のとおりの構成よりなるから、外観上も顕著な差異を有するものであり、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 してみれば、本願商標と引用商標2とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標1) |
異議決定日 | 2012-04-05 |
出願番号 | 商願2010-97813(T2010-97813) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(X092835)
T 1 651・ 261- Y (X092835) T 1 651・ 262- Y (X092835) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 平澤 芳行、大房 真弓 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
内山 進 板谷 玲子 |
登録日 | 2011-07-22 |
登録番号 | 商標登録第5427522号(T5427522) |
権利者 | アイゴ デジタル テクノロジー カンパニー リミテッド |
商標の称呼 | アイゴ |
代理人 | 柏原 三枝子 |
代理人 | 中山 健一 |
代理人 | 柴田 雅仁 |