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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X03 審判 全部申立て 登録を維持 X03 審判 全部申立て 登録を維持 X03 |
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管理番号 | 1255314 |
異議申立番号 | 異議2011-900320 |
総通号数 | 149 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-05-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-09-02 |
確定日 | 2012-04-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5416085号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5416085号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5416085号商標(以下「本件商標」という。)は、「ラグシア」の文字を標準文字で表してなり、平成23年1月13日に登録出願、第3類「化粧品,歯磨き,せっけん類,香料類」を指定商品として、同年5月17日に登録査定、同年6月3日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2128318号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LUX」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年12月15日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年4月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同21年10月7日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第4275540号商標(以下「引用商標2」という。)は、「LUX」の欧文字と「ラックス」の片仮名とを上下二段に書してなり、平成10年3月17日に登録出願、第3類「シャンプー,その他のせっけん類,精油,その他の香料類,化粧水,クリーム,頭髪用化粧品,香水類,おしろい,紅,タルカムパウダー,バスオイル,バスソルト,制汗用化粧品,防臭性化粧品,歯磨き,口内洗浄剤(医療用のものを除く。)」を指定商品として、同11年5月21日に設定登録され、その後、同21年3月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (3)登録第4916534号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成16年11月26日に登録出願、第3類「シャンプー,洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),その他のせっけん類,練り歯磨き,その他の歯磨き,薫料,その他の香料類,化粧水,シェ?ブローション,オーデコロン,精油,アロマテラピー用香料・薫料,マッサージ用化粧品,防臭用化粧品及び制汗用化粧品,ヘアクリーム,ヘアワックス,染毛剤,その他の頭髪用化粧品,スキンケア化粧品,浴用化粧品,ひげそり化粧水,その他のひげそり用化粧品,脱毛剤,日焼け用及び日焼け止め用化粧品,メイクアップ用及びメイクアップ落し用化粧品,化粧用ワセリン,唇用化粧品,タルカムパウダー,薄葉紙・シート材又はパッドに含浸させた化粧品,目・顏用化粧落し液,あぶらとり紙,パック用化粧料,化粧用漂白剤(脱色用のもの)」を指定商品として、同17年12月16日に設定登録されたものである。 (4)登録第4964108号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成15年9月24日に登録出願、第3類「水せっけん,フォーム状若しくはジェル状の入浴用・シャワー用せっけん,シャンプー,ハンドクリーナー,その他のせっけん類,精油からなる食品香料,薫料,その他の香料類,ひげそり用化粧品,アフターシェーブ用化粧品,ボディー用スプレー式香水,スキンオイル,スキンクリーム,スキンローション,におい袋,リネンの芳香用におい袋,頭髪用化粧品,スキンコンディショナー,ヘアーコンディショナー,肌用化粧品,身体防臭用化粧品,汗制用化粧品,化粧用ワセリン,その他の化粧品,歯磨き,つや出し剤」を指定商品として、同18年6月23日に設定登録されたものである。 以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 3 登録異議の申立ての理由(要旨) 申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出している。 (1)引用商標の周知・著名性 申立人は、その前身である英国のリーバ・ブラザースの1890年代に創業、引用商標のブランド「LUX」は、1899年に英国で石けんに使用して以来、永年にわたって世界中で使用されており、日本においては、1972年に初めて登場した。 また、ブランド「LUX」のコマーシャルには、永年にわたり、世界的なスターが起用されている。 その結果、引用商標は、本件商標の登録出願時以前から、申立人又はその業務に係るせっけん類等を含む商品を表示するものとして、日本を含む世界中の需要者に認識され、周知著名なものとなっている。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、その構成から「ラグシア」の称呼が生じる。「ラグシア」は、本件商標のホームページ(http://www.clueid.jp/luxier.html)からも明らかなように、欧文字では「LUXIER」と表記されるものである。 他方、引用商標からは、「ラックス」の称呼が生じる。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼において語頭の「ラ」の音を共通にするものであり、類似するものといわざるを得ない。 また、本件商標の欧文字表記として「LUXIER」が本件商標権者によって用いられ、しかも、「ラグシア」と併記されて使用されているという取引の実情を考慮すると、本件商標に接した取引者・需要者は、該欧文字表記の語頭部分の「LUX」に注目する。これは、上述の引用商標の周知著名性を考慮すれば自明といえる。 さらに、甲第3号証に示すように、申立人会社であるユニリバー エヌ ヴイは、「LUX」を包含する商標登録を第3類に属する商品に関して多数有しており、また使用してきているので、このことからも、本件商標のように語頭部に「LUX」を有する欧文字表記に対応する商標をせっけん類その他の第3類に属する商品に使用されると、引用商標が使用されている商品と同一の出所から流出して来たものと誤認混同するおそれがある。 よって、かかる事実に鑑みても、本件商標は、引用商標と類似するものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、上述の引用商標の周知著名性に鑑みれば、引用商標と類似するものであり、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、上記のとおり、周知著名である引用商標と類似していることから、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、申立人所有の周知著名商標と類似するものであり、該周知著名商標の顧客吸引力を利用する又は顧客吸引力を希釈化させる等、不正な目的で使用するものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「ラグシア」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書類に掲載されている既成の語とは認められないから、看者をして、特定の語義を有しない一種の造語として看取、理解されるというのが相当である。 してみれば、本件商標は、その構成文字に相応する「ラグシア」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を生ずることのないものである。 なお、申立人は、本件商標権者が自己のホームページにおいて「LUXIER」の欧文字を「ラグシア」の文字と併記して使用していることをもって、本件商標に接する取引者、需要者が該欧文字表記の語頭部分の「LUX」の文字に注目するなどと主張するが、本件商標は、上記のとおり、「ラグシア」の文字からなるものであって、一種の造語として看取、理解されるものであることからすれば、「ラグシア」の文字から直ちに「LUXIER」の欧文字を想起するとはいえず、よって、この点についての申立人の主張を採用することはできない。 イ 引用商標 引用商標1ないし引用商標4は、各々、前記2の(1)ないし(4)のとおり、「LUX」の欧文字を横書きしてなるもの、「LUX」の欧文字と「ラックス」の片仮名とを上下二段に書してなるもの、横書きしてなる「LUX」の欧文字を図案化してなるもの及び該図案化してなる「LUX」の欧文字と幾何模様からなる図形とを結合してなるものであるから、その構成文字全体又はその構成中の「LUX」の欧文字に相応して、「ラックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 本件商標は、片仮名からなるものであるのに対し、引用商標は、欧文字のみ又はそれと片仮名若しくは図形との結合からなるものであるから、外観において、これらが互いに紛れるおそれはない。 また、本件商標から生ずる「ラグシア」の称呼と引用商標から生ずる「ラックス」の称呼とは、その音構成を明らかに異にするものであるから、明確に聴別し得るものである。 さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生ずることはないものであるから、両商標が、観念において、相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標と引用商標とは、たとえ引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「せっけん類」を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、上記(1)のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、ほかに商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の事情も見いだせないものである。 してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標と引用商標とが、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であることは、上記(1)のとおりである。 また、申立人の提出に係る証拠のいずれを見ても、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る又は他人の著名商標に蓄積された信用若しくは名声にフリーライドする等の不正の目的をもって使用すると認めるに足る事実は、見いだし得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 1 引用商標3(登録第4916534号商標) 2 引用商標4(登録第4964108号商標) |
異議決定日 | 2012-03-26 |
出願番号 | 商願2011-1452(T2011-1452) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X03)
T 1 651・ 222- Y (X03) T 1 651・ 271- Y (X03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 竹内 耕平 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 酒井 福造 |
登録日 | 2011-06-03 |
登録番号 | 商標登録第5416085号(T5416085) |
権利者 | 株式会社クルード |
商標の称呼 | ラグシア |
代理人 | 森本 直之 |
代理人 | 中山 健一 |