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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z28 |
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管理番号 | 1255280 |
審判番号 | 取消2011-300047 |
総通号数 | 149 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-05-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2011-01-17 |
確定日 | 2012-04-02 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4634512号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4634512号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年7月5日に登録出願、第28類「運動用具」を指定商品として、同15年1月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 〔理由〕 請求人は、本件商標の使用状況について調査を行ったが、商標権者が本件商標を指定商品について使用した事実及び使用している事実を発見することができなかった。 また、請求人は、本件商標の登録原簿の閲覧請求を行い、専用使用権者及び通常使用権者の登録状況を調査したが、何れの使用権者も登録された事実はなかった。 そのため、本件商標は、日本国内において継続して3年以上、商標権者、専用使用権者、通常使用権者が取消請求に係る指定商品について、使用をしていない登録商標である蓋然性が非常に高い。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。 1 被請求人は、昭和23年に会社を設立して以来体育施設用器具等の総合的スポーツ器具メーカーとして事業を継続して行っており、その間に数回のオリンピックをはじめ、各種の競技の国際大会及び国内大会に器具を納入、供すると共に各種の競技連盟や協会における事業資格を得て認定工場、検定工場、協会会員として各種の事業活動を行ってきた。平成8年に株式会社ウエサカ ティー・イーが会社設立された後に、被請求人の前記事業を譲渡した。 したがって、株式会社ウエサカ ティー・イー(以下「通常使用権者」という。)は、これらの業務を引き継ぐとともに現在に至るまで継続して行っている。 2 本件商標に対して、被請求人自らではないが、被請求人から許諾を得ている通常使用権者は、以下に示す各証拠資料(乙各号証)の如く、本件商標を指定商品について、本件審判の請求の登録前3年より継続して日本国内において使用しており、現在も継続して使用しているものであるが、特に指定商品中の「鉄棒」若しくは「鉄棒用ソケット(サイドソケット、段違いソケット、中間ソケット)」には直接刻印して使用しているものである。 3 使用状態の詳細については、以下のとおりである。 (1)乙第1号証は、通常使用権者が永年にわたり現在も使用している総合スポーツ器具メーカーとしての「総合カタログ」(抜粋)写しであるが、このカタログには取扱商品として「鉄棒」が掲載されており、かつ「価格表」も掲載されており、その価格表には本件商標が表示されている。 (2)乙第2号証は、前記の鉄棒に使用する「鉄棒用サイドソケット」の在庫品の写真であり、その側面には本件商標が表示されている。 (3)乙第3号証は、前記の鉄棒を「東京都足立区西保木間保育園」に施工した状態の写真であり、支柱の上部に取り付けられた「サイドソケット」及び「段違い(中間)ソケット」の拡大写真には本件商標が表示されている。この施工は発注元である「株式会社前田製作所」の2009年12月17日付け注文書写し(乙第4号証)に基づき納入したものであり、足立区長宛の出荷証明書写し(乙第5号証)により、その納入期日が平成22年3月20日であることを立証する。 (4)なお、上記の通常使用権者は、平成8年に会社設立後、被請求人である合名会社上坂鉄工所の営業部門などの業務や事業内容を引継ぎ、今日に至るまで継続して事業を行っている。 (5)以上の各乙号証は、本件商標の使用の事実を示す一例であるが、これらの各証拠資料より、本件商標は、通常使用権者が指定商品について使用されている事実が明らかであり、かつ、本件審判の請求の登録前3年以内の期間内であることも明らかである。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件商標を継続して3年以上日本国内において指定商品について使用しているものである。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下事実が認められる。 (1)乙第1号証は、「総合スポーツ器具メーカー/(株)ウエサカ ティー・イー」の総合カタログの抜粋写しであるところ、その2枚目には「鉄棒・ラダー・攀登棒・屋外ろく木」の表題の下、低鉄棒等の写真(4葉)が掲載され、その1葉の写真の下に「UK-7103低鉄棒(3欄式)の記載がある。また、3枚目ないし6枚目は、「総合スポーツ器具メーカーUESAKA/遊器具/屋外体育器具《価格表》」の抜粋写しであるところ、その3枚目の表紙には、菱形輪郭を有する「U.K」の文字、「DIAMOND」の文字、右下部分に「(株)ウエサカ ティー・イー」「本社/〒130-0004/東京都墨田区本所4-28-8」の記載がある。また、4枚目の下段部分の「低鉄棒」の価格表には、製品番号、品名及び本体価格として、「UK-7103」「低鉄棒(3ラン)」「72,700」の掲載がある。さらに、6枚目の最下段部分の「鉄棒」の価格表には、製品番号、部品名、単価として、「UK-P-701」「サイドソケット」「6,500」の記載がある。 なお、株式会社ウエサカ ティー・イーの所在地住所は、商標権者と同じである。 (2)乙第2号証は、「UK-7103 鉄棒 写真」の表題の下、「UK-P-701鉄棒用サイドソケット」の記載とともに、鉄棒の支柱とバーをつなぐソケットの写真(写し)が掲載されているが、当該ソケットには、ほぼ中央上部に、本件商標と社会通念上同一の菱形輪郭を有する「U.K」の文字、及びその下部に「DIAMOND」の文字が刻印されている。 (3)乙第3号証は、「UK-7103 鉄棒 納品写真」の表題の下、1枚目には「納品場所:東京都足立区西保木間保育園」、「発注元:株式会社 前田製作所」、「発注日:2009/12/17」、「施工日:2010/3」、「撮影日:2011/3/3」等の記載とともに当該保育園の校舎建物が「足立区西保木間保育園」の看板とともに写った写真、園庭の3ラン型定低鉄棒写真及びその鉄棒のソケット部分の写真が掲載されている。そして、その3枚目の鉄棒のソケット部分をA4サイズに拡大した写真には、支柱と鉄棒(バー)とをつなぐ2個のソケット部分に、本件商標と社会通念上同一の菱形輪郭を有する「U.K」の文字及び「DIAMOND」の文字が刻印されている。 (4)乙第4号証は、2009年12月17日付け「株式会社前田製作所」作成の「(株)ウエサカ ティー・イー」宛の注文書写しであるところ、品名「竹の塚北保育園他3園 園庭遊具改修工事」の表示の下の規格及び仕様欄及び単価欄の4、5段目には、「低鉄棒 3ラン1式 82,000」「低鉄棒 2ラン1式 60,000」が記載されている。 そして、ここに記載された2009年12月17日は、要証期間内である。 (5)乙第5号証は、平成22年3月20日付け「(株)ウエサカ ティー・イー」作成の「出荷証明書」の写しであるところ、これには、足立区長宛の工事件名「竹の塚北保育園他3園 園庭遊具改修工事」、納入月日「平成22年3月20日」の表示、その下の表の品名欄、規格及び仕様欄及び数量欄の7段目及び10段目に「西保木間保育園 低鉄棒 3ラン 1基」と記載されている。 そして、そこに記載された平成22年3月20日は、要証期間内の年月日であり、また、「低鉄棒 3ラン」は、乙第3号証の1枚目及び4枚目、乙第1号証の4枚目と一致する。 2 前記1で認定した事実及び被請求人の主張を総合すれば、被請求人は平成8年に株式会社ウエサカ ティー・イーに体育施設器具等の総合スポーツメーカーとしての業務を譲渡した旨主張しており、また、同社と被請求人とは、所在地住所を同じくするから、同社は、本件商標の通常使用権者と推認し得るものである。 そして、同社(通常使用権者)は、西保木間保育園の園庭遊具改修工事を施工した株式会社前田製作所に対し、本件審判の請求の登録前3年以内である平成22年3月頃に、本件商標の指定商品である第28類「運動用具」の範疇に属する「低鉄棒及びその付属品(サイドソケット)」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して使用したものを、販売していたというべきである。 そして、通常使用権者の上記行為は、「商品又は商品の包装に標章を付する行為」及び「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、・・する行為」(商標法第2条第3項第1号及び同第2号)に該当するものである。 そして、請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。 そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者である「株式会社ウエサカ ティー・イー」が本件商標の指定商品、第28類「運動用具」の範疇に属する「低鉄棒及びその付属品(サイドソケット)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものというべきである。 3 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
審理終結日 | 2011-11-07 |
結審通知日 | 2011-11-09 |
審決日 | 2011-11-24 |
出願番号 | 商願2001-61471(T2001-61471) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z28)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 石田 清、木村 一弘、藤田 和美 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 鈴木 修 |
登録日 | 2003-01-10 |
登録番号 | 商標登録第4634512号(T4634512) |
商標の称呼 | ヒシユウケイ、ユウケイ、ダイアモンド、ダイヤモンド |
代理人 | 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人 英知国際特許事務所 |