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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20119514 審決 商標
不服200910406 審決 商標
不服2009650062 審決 商標
不服200623009 審決 商標
不服201226103 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X0335
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X0335
管理番号 1255230 
審判番号 不服2011-8417 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-20 
確定日 2012-03-30 
事件の表示 商願2009- 88580拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ベジタブルコスメ」の片仮名を横書きしてなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,つけづめ,つけまつ毛」及び第35類「広告,トレーディングスタンプ又はポイントカードの発行及び管理,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の販売に関する情報の提供その他の商品の販売に関する情報の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、平成21年11月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ベジタブルコスメ』の文字を普通に用いられる方法で書してなり、その構成中の『ベジタブル』の文字は『野菜』を意味する語として、『コスメ』の文字は『化粧品を意味するコスメティックの略語』として一般に親しまれているから、その構成全体として『野菜の化粧品』の意味合いを容易に認識し得るものであり、また、本願指定商品を取り扱う業界において野菜を原材料にした化粧品が製造、販売されている実情がある。」として、以下の(1)及び(2)のとおり判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する需要者、取引者は「野菜を原材料にした化粧品」を理解するにとどまり、単に商品の品質を表示したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標をその指定役務中「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用しても、これに接する需要者、取引者は「野菜を原材料にする化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であると認識、理解し特別顕著なところはないから、何人かの業務にかかる役務であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審において通知した審尋
請求人に対して、平成23年10月24日付けで通知した審尋の内容は、別掲のとおりである。

4 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり「ベジタブルコスメ」の片仮名からなるものである。
そして、前記2の原査定の拒絶の理由(1)及び前記3の審尋のとおり、「ベジタブルコスメ」の文字(語)からなる本願商標は、これをその指定商品中「化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該文字を「野菜を原料とする化粧品」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「ベジタブルコスメ」の文字(語)は、一般的あるいは専門的な辞書類に掲載されておらず、取引上一般に使用されている語ではないから、需要者又は取引者に特定の意味合いを有する語として深く浸透しているとはいえず、何ら特定の観念を生じさせない造語よりなるものと判断されるのが自然である。また、本願商標は指定商品及び役務の品質及び質を想起あるいは暗示させることはあっても、直接的かつ具体的に表示するものではなく、審尋で示された「ベジタブルコスメ」の使用例も4件と少なく(うち、1件は請求人と実質的に同一人の使用)、いずれも品質表示としての使用例ではないから、本願商標は自他商品の識別標識としての機能を有する商標である旨主張している。
しかしながら、本願商標は、前記3の審尋で説示したとおり、その構成中の「ベジタブル」及び「コスメ」の文字(語)が、それぞれ「野菜」及び「コスメチックの略」を意味する文字(語)として我が国において親しまれているものであるから、「ベジタブルコスメ」と「野菜コスメ」とは、同義のものと認識されるとみるのが自然である。
そして、原査定及び審尋で示したとおり、本願の指定商品中「化粧品」について、「ベジタブルコスメ」や「野菜コスメ」の文字(語)が「野菜を原料とする化粧品」であることを表示するものとして使用されている事実からすれば、本願商標は、これをその指定商品中「化粧品」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「ベジタブルコスメ」の文字を「野菜を原料とする化粧品」であることを表示したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものと判断するのが相当である。
イ また、請求人は、語尾に「コスメ」の文字(語)を含む商標の登録例をあげて本願商標が登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が登録されるか否かの判断は、査定時又は審決時における指定商品の取引の実情を考慮し個別具体的に判断されるべきものであって、「ベジタブルコスメ」及び「野菜コスメ」の文字が原査定及び審尋で示したとおり商品の品質を表示するものとして使用されている実情を考慮すれば、上述のとおり判断するのが相当である。
ウ 以上のとおりであるから、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
(3)してみれば、「ベジタブルコスメ」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品中「化粧品」に使用しても、「野菜を原料とする化粧品」であることを表示したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(平成23年10月24日付けで通知した審尋の内容)
この商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「ベジタブルコスメ」の片仮名を横書きしてなり、第3類「化粧品」をはじめとする第3類及び第35類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とするものである。
そして、「ベジタブル」の文字(語)及び「コスメ」の文字(語)が、それぞれ「野菜」及び「コスメチックの略。」の意味を有するものとして親しまれた語であることから、本願商標は「ベジタブル」と「コスメ」の文字(語)を結合してなるものと容易に認識されるものである。
また、本願の指定商品中「化粧品」を取り扱う業界において、「ベジタブルコスメ」及び「野菜コスメ」の文字(語)が、例えば別記のとおり使用されていることからすれば、該業界において、「ベジタブルコスメ」の文字(語)が「野菜を原料とした化粧品」を表示するものとして、すなわち商品の品質を表示するものとして、一般に使用され、認識されているものと判断するのが相当である。
してみれば、「ベジタブルコスメ」の文字(語)からなる本願商標は、これをその指定商品中「化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該文字を「野菜を原料とする化粧品」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、この審尋と原審における拒絶の査定の理由とは、いずれも本願商標が識別力を有しないというものであるから、実質的な内容を変更するものではない。
【別記】
1 「ベジタブルコスメ」の使用例
(1)「株式会社ランジョイ」が管理する「日本初!!北海道の大地からベジタブルコスメ誕生【アスパムーンモイスチャーゲル】」と称するウェブサイトにおいて、そのトップページに「十勝 清水町産 無農薬アスパラガス 100%使用 北海道の大地からベジタブルコスメ誕生」の記載があり、アスパラガスを原料とした化粧品を「ベジタブルコスメ」と称している。(http://aspamoon.com/index.html)
(2)「株式会社イデアインターナショナル」が管理する「Biorista」と称するウェブサイトにおいて、「Concept」の項目に、「Real Organic Love Fruits&Vege」の見出しの下、「カラダにおいしい!オーガニックフルーツ&ベジタブルコスメ」の記載とともに、「・・・そんなとれたてのジューシーなフルーツや野菜のエキスをふんだんに使ったコスメ、それがBiorista(ビオリスタ)です。・・・」と野菜を原料とする化粧品の説明が記載されている。(http://www.biorista.jp/index.html#/conc/)
(3)「<エシカル食育>こどもと遊ぼう!地球とひとにやさしいフード・スタイル」と称するウェブサイトにおいて、「2011-06-10 フレッシュなベジタブルコスメ」の題名の下、野菜を原料とした化粧品ブランドの紹介が記載されている。(http://ameblo.jp/hugbug-nino/entry-10867028201.html)
(4)「食文化 記録日誌」と称するウェブサイトにおいて、「2011年6月6日」掲載の記事として、「ベジタブル・コスメ」の見出しの下、野菜を原料とした化粧品の記事(朝日新聞2011年5月21日)が掲載されている。(http://fooodbiz.blog.fc2.com/blog-entry-764.html)
2 「野菜コスメ」の使用例
(1)「株式会社FM大阪」のホームページ内の「LOVE FLAP」という番組のウェブサイト「LOVE FLAP on the web」において、「9/13(水)FLAP ENT:夏のお疲れ肌に」の見出しの下、「最近、野菜を使ったスイーツが注目されていますが、お肌に優しい自然派“野菜コスメ”も続々登場しているんです!!」の記載とともに、野菜を原料とした化粧品の写真が掲載されている。(http://fmosaka.net/flap/web2006/archives/2006/09/913flap_ent.html)
(2)「ヤフー株式会社」が管理する雑誌ブランドの集約サイトである「X BRAND」と称するウェブサイトにおいて、「X BRANDトップ>カテゴリ一覧>BEAUTY>おいしい肌へ!」の項に、「Numero TOKYO ARTICLES like candy for your skin おいしい肌へ」の見出しの下、「VEGETABLES etc...」の項目に、「・・・。肌が敏感に傾いたときや、弱ったときは、オーガニックの栄養豊富な野菜を食するように、肌にも優しい野菜コスメを使用してみて。・・・」と記載され、次ページ以降には、野菜を原料とする化粧品が掲載されている。(http://xbrand.yahoo.co.jp/category/beauty/6665/10.html)

審理終結日 2012-01-23 
結審通知日 2012-01-27 
審決日 2012-02-08 
出願番号 商願2009-88580(T2009-88580) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X0335)
T 1 8・ 272- Z (X0335)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
高野 和行
商標の称呼 ベジタブルコスメ 
代理人 橘 哲男 

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