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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X34
管理番号 1255228 
審判番号 不服2010-13421 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-18 
確定日 2012-04-02 
事件の表示 商願2009-33436拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第34類「紙巻きたばこ用紙,たばこ,喫煙用具,マッチ」を指定商品として、平成21年4月17日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5240924号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成20年11月10日登録出願、第34類「たばこ,喫煙用具,マッチ」を指定商品として、同21年6月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、上記1のとおり、黒色の横長四角形内に「BL」と「CK」の欧文字を、四角形の下部を三角形状に切り取った図形(以下「本願図形」という。)の左右に、それぞれ白抜きで表した構成からなるものであるところ、「BL」及び「CK」の欧文字は、本願図形を中心に左右両側にバランスよく同じ書体、同じ大きさ、同じ色彩をもって表されていることから、これらの文字は一体のものとしてみられるものであり、当該欧文字部分に相応して「ビイエルシイケイ」の称呼を生じるものである。そして、その称呼もよどみなく一連に称呼しうるものである。そうとすれば、本願商標は「BL」「CK」の文字部分をもって、取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、「BL」及び「CK」の文字部分に相応して「ビイエルシイケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語よりなるものというのが相当である。
他方、引用商標は、上記2のとおり、黒色の星型の図形(以下「引用図形」という。)を縦に7つ並べ、上から四つ目の引用図形を中心として、黒色で表した「Bl」と「ck」の欧文字をその左右に配した構成よりなるところ、「Bl」及び「ck」の欧文字は、当該引用図形を中心として左右両側にバランスよく同じ書体、同じ色彩をもって表されていることから、これらの文字は一体のものとしてみられるものであり、当該欧文字部分に相応して「ビイエルシイケイ」の称呼を生じるものである。そして、その称呼もよどみなく一連に称呼しうるものである。そうとすれば、引用商標は「Bl」「ck」の文字部分をもって、取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。
してみれば、引用商標は、当該文字部分に相応して「ビイエルシイケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語よりなるものというのが相当である。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観における差異を有し、観念において比較することができないとしても、「ビイエルシイケイ」の称呼を共通にすることから、称呼上、相紛らわしい類似の商標というべきである。
さらに、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標及び引用商標の指定商品の取引者、需要者の注意力からすれば、本願図形及び引用図形は、欧文字の「A」又は「a」を図案化したものと、認識されるから、本願商標は「BLACK」の欧文字からなり「ブラック」の称呼のみを生じ、引用商標は「Black」の欧文字からなり「ブラック」の称呼を生じるが、「ビイエルシイケイ」との称呼が生じることはない旨主張する。
しかしながら、本願商標の指定商品の分野の取引者・需要者が、相応の注意力を有するとしても、本願図形及び引用図形が、欧文字の「A」又は「a」の特徴的な点を有しているというような格別の事情もないことからすれば、本願図形及び引用図形のいずれからも、欧文字の「A」又は「a」を認識するとは、言い難いものである。
また、請求人は、本願図形及び引用図形のいずれも、前後の文字との関係等から欧文字の「A」又は「a」を図案化したものと容易に認識できるというが、我が国で、一般に親しまれた英語には、「block」も存在し、必ずしも「black」を認識するとは限らないものというのが相当である。
さらに、請求人は、過去の審決や登録商標の事例を挙げて、その主張を根拠づけようとするが、請求人の挙げる審決や登録商標は、いずれも本願商標及び引用商標と、その構成態様を異にするばかりでなく、商標の類否は、比較する両商標について個別具体的に考察し、検討されるべきものであって、他の審決や登録商標の存在によって、判断が左右されるものではない。
その他、本願図形及び引用図形を欧文字の「A」又は「a」と認識し、理解するとの格別の事情も見いだせないものである。
なお、請求人は本願図形によって、欧文字「A」を表すのは、「単なる図案化以上に独創的な手法」であるとも主張するが、そうであればなおさら、本願の指定商品の取引者、需要者が、本願図形を欧文字「A」と「無理なく理解できる」とは、言い難いものである。
また、請求人は、本願商標及び引用商標は、それぞれの紙巻きたばこのブランドを象徴・表示するものとして一般に広く知られた本願図形や引用図形と文字から構成されていること、及び、具体的な取引の事情に鑑みれば、出所の混同は生じない旨を主張する。
しかしながら、引用商標に係る権利者の販売するたばこ「セブンスター」について、実際に販売されている商品の包装に表された商標(甲26、甲28及び甲29)は、引用図形とは、具体的な構成態様が相違するものである。
してみれば、引用図形が一般に広く知られた商標であること、及び、引用商標が実際の取引において使用されている商標であることを前提とする請求人の主張は、失当である。
したがって、上記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上からすれば、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標)


審理終結日 2010-10-28 
結審通知日 2010-11-05 
審決日 2010-11-16 
出願番号 商願2009-33436(T2009-33436) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X34)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 井出 英一郎
内田 直樹
商標の称呼 ビイエルシイケイ、ブラック 
代理人 野中 武 
代理人 渡辺 広己 

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