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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201018380 審決 商標
不服201024072 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 X30
管理番号 1255168 
審判番号 不服2011-20371 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-09-21 
確定日 2012-04-11 
事件の表示 商願2009-71400拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第30類「菓子及びパン,穀物の加工品」を指定商品として、平成21年9月17日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同22年5月24日付け手続補正書により、第30類「餅菓子」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、真田家の家紋として著名な家紋『六文銭』を背景に、『真田』の文字と『千両餅』の文字を書してなるところ、その構成中に、『真田』の文字及び『六文銭の図』を含んでなるものであるから、安土桃山時代の武将として著名な『真田幸村』を容易に想起させるものである。そして、そのゆかりの地である長野県上田市には、真田幸村の銅像や(上田駅前)、真田氏記念公園、真田一族の古文書や武具等の資料が展示してある上田市立『真田氏歴史館』があり、また、上田市が関与している『真田幸村出陣まつり』も開催されている実情がある。そうとすれば、歴史上の人物として著名性を有し、地元住民に限らず多くの人々に親しまれて、既に地域振興等に貢献している『真田幸村』を想起させる本願商標を、出願人が、自己の商標として独占的に使用することは、公正な取引秩序を害するおそれがあり、また、地域振興を妨げることにもなりかねず、公共の利益に反するものであるから、穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、「六文銭の図形」を背景にして、その図形中の中央部分に「千両餅」の漢字を縦書きで大きく表し、さらに、その「千両餅」の文字部分の上部に「真田」の漢字を横書きで小さく表してなるものである。
そして、本願商標の構成中の「千両餅」の語は、特定の親しまれた観念を有する成語ではなく、「千両」及び「餅」の語が、「一両の千倍。転じて、非常な大金。また、非常に価値が高いこと。」(「大辞泉 増補・新装版」(1998年12月1日 株式会社小学館発行))、「糯米(もちごめ)を蒸して臼でついて、種々の形にまとめたもの。」(前出「大辞泉」)との意味を有することからすれば、「千両の餅」「非常に価値が高い餅」程の意味合いを認識させる一種の造語と理解されるものである。
また、その構成中の「真田」の語は、「(1)『真田紐(さなだひも)』の略。(2)『真田織り』の略。」及び「姓氏の一。」(前出「大辞泉」)並びに「長野県東部,上田(うえだ)市北部。」(「コンサイス日本地名事典<第5版>」(2007年11月20日 株式会社三省堂発行))との意味を有するものであり、「姓氏の一。」の意味の記載がある「真田」の項には、「真田十勇士」、「真田昌幸」及び「真田幸村」についての記載がある。
さらに、その構成中の「六文銭の図形」は、「紋所の名。一文銭を三個ずつ横二列に並べた形のもの。信州上田の真田(さなだ)氏の紋として有名。六連銭。」(前出「大辞泉」)とされるものである。
そして、当審において職権をもって調査するに、「真田」の文字及び「六文銭の図形」そのものが、歴史上の人物としての「真田幸村」を指称するものとして理解、認識されるとみるべき事実を発見することはできなかった。
(2)上記(1)によれば、本願商標は、その構成中の「真田」の文字部分及び「六文銭の図形」部分からは、原審説示の「真田幸村」のみならず、その他、特定の歴史上の人物を理解、認識させるということはできないものであり、その構成全体から「六文銭で知られる真田氏の千両餅」程の意味合いを認識させるに止まるものであるというのが相当である。
さらに、本願商標は、「真田」及び「千両餅」の文字と「六文銭の図形」とを結合してなる商標であるところ、その構成中の一部に当該氏と当該紋の図形を含んでなるものであっても、その指定商品について、当該氏と当該紋の図形を自己の商標として使用することが、他の法律によって禁止されているものでもない。
そうとすれば、本願商標は、この商標の使用や登録が社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するようなものではないといえる。
また、本願商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものでないことは明らかであり、さらに、上記の認定判断のほか、本願商標をその指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものとはいい難く、加えて、他に公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべき理由も見いだすことはできない。
(3)以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標

審決日 2012-03-29 
出願番号 商願2009-71400(T2009-71400) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (X30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 酒井 福造
池田 佐代子
商標の称呼 サナダセンリョーモチ、サナダ、センリョーモチ、センリョー 
代理人 下田 茂 

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