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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X03
管理番号 1255097 
審判番号 不服2011-18733 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-08-30 
確定日 2012-04-05 
事件の表示 商願2010- 89835拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年11月18日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同23年4月4日受付の手続補正書により、第3類「酒粕から抽出したエキスを使用したせっけん類,酒粕から抽出したエキスを使用した化粧品」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3182677号商標は、「MIRA」の欧文字を書してなり、平成5年4月26日に登録出願、第3類「シャンプ?及びその他のせっけん類」を指定商品として、同8年7月31日に設定登録、その後、同18年5月16日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4436083商標は、「ザ マイラ」の片仮名及び「THE MAIRA」の欧文字を上下二段に書してなり、平成11年2月22日に登録出願、第3類「香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」、第10類「氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,家庭用電気マッサージ器,耳かき」及び第11類「家庭浴用電気式気泡発生器,家庭用超音波美容器,電球類及び照明用器具,火鉢類,家庭用電熱用品類」を指定商品として、同12年12月1日に設定登録、その後、同23年4月26日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、円図形中に女性の横顔を模したと思しき影絵様の図形を配し、該図形の左側中央に「MAIRA」の欧文字を書し、円図形の外周下半分に「This is cosmetics using “SAKEKASU”. It makes a glossy skin. And,your skin becomes beautiful.」の欧文字を小さな文字で書した構成よりなるところ、その構成中、「MAIRA」の文字部分は、図形以外の文字部分としては、目立つ位置に配されており、識別標識として強く印象づけられるものである。そして、これよりは、その構成文字に相応して「マイラ」の称呼を生ずるものと認められるものであり、また、該文字は特定の意味合いを看取させるものではないから、造語と認識し把握されるとみるのが相当である。
そして、図形部分については、女性の横顔と思しき図形ということを看取させる場合があるとしても、特定の意味合いを直感させるものとは言い難いものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、「マイラ」の称呼を生じ、特段の観念を生じないものと認められる。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、「MIRA」の欧文字よりなるところ、「大辞泉:株式会社小学館」によれば、「MIRA」の文字が、「ミラ:鯨座にある恒星」という意味を有する語であるとしても、引用商標1は、かかる意味合いにおいて、我が国で一般的に知られている語とはいえないことから、特定の語義を想起しない一種の造語というのが相当である。
しかして、一般的には、特定の意味合い又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読み又はローマ字読みにならって称呼されるのが自然であるから、本願商標は、その構成文字に相応して、「ミラ」と称呼されるとみるのが相当である。
イ 引用商標2は、「ザ マイラ」の片仮名及び「THE MAIRA」の欧文字よりなるところ、該文字は、一般的な辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定の意味を有しない造語というのが相当である。
そして、引用商標2は、その構成中の上段の「ザ マイラ」の片仮名が、下段の「THE MAIRA」の欧文字から生ずる読みを特定したものと無理なく認められるものであることからすれば、引用商標2からは、その構成文字全体に相応する「ザマイラ」の称呼のみを生ずるものである。
(3)本願商標と引用商標1との類否について
ア 外観
本願商標は、図形と文字を組み合わせた構成からなるのに対し、引用商標1は、文字のみからなるものであるから、外観において顕著な差異を有するものである。
イ 称呼
本願商標から生ずる「マイラ」の称呼と、引用商標1から生ずる「ミラ」の称呼を比較するに、両者は、その音数及び音構成において明らかに相違するものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。
ウ 観念
本願商標及び引用商標1は、互いに一種の造語といえるものであるから、観念においては、比較することができないものである。
(4)本願商標と引用商標2との類否について
ア 外観
本願商標は、図形と文字を組み合わせた構成からなるのに対し、引用商標2は、文字のみからなるものであるから、外観において顕著な差異を有するものである。
イ 称呼
本願商標から生ずる「マイラ」の称呼と、引用商標2から生ずる「ザマイラ」の称呼を比較するに、両者は、その音数及び音構成において相違するものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。
ウ 観念
本願商標及び引用商標2は、互いに一種の造語といえるものであるから、観念においては、比較することができないものである。
(5)小括
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼において相違するものであり、また、観念において比較できないものであるから、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合において、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないものというべきであり、両商標は互いに非類似の商標である。
(6)まとめ
したがって、本願商標と引用商標が称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲 別掲(本願商標)

(色彩については、原本参照。)


審決日 2012-03-26 
出願番号 商願2010-89835(T2010-89835) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X03)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 幸一 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 高橋 謙司
井出 英一郎
商標の称呼 マイラ 
代理人 岡村 俊雄 

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