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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0305 審判 全部申立て 登録を維持 X0305 |
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管理番号 | 1253740 |
異議申立番号 | 異議2011-685008 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-03-28 |
確定日 | 2012-02-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 国際登録第1038045号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 国際登録第1038045号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件国際登録第1038045号商標(以下「本件商標」という。)は、「AVADERM」の欧文字を横書きしてなり、2009年6月12日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2009年(平成21年)12月14日に国際商標登録出願、第3類「Cosmetics,skin care preparations,including skin lotions and creams;skin cleaners and sunscreens.」及び第5類「Drug delivery formulations.」の商品を指定商品として、平成22年9月13日に登録査定、平成23年2月4日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4748138号商標(以下「引用商標」という。)は、「AVAGARD」の文字を標準文字で表して、平成13年8月1日に商標登録出願、第5類「外用滅菌用ローション状の薬剤,その他の薬剤」の商品を指定商品として、平成16年2月20日に設定登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号違反してされたものであって、取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)本件商標と引用商標との比較 ア 外観上の類否 本件商標と引用商標はその前半部分の「AVA」及び後半部分の「R」を共通にしている。需要者は商標に基づいて商品の選択する際に冒頭部に注意を払うものであるため、この「AVA」が強く印象に残り記憶されるものである。そのため、本件商標と引用商標とを時と処を異にして離隔的に観察した場合、「R」を共通にしていることとあいまって、外観印象において近似するものといえる。 したがって、本件商標は引用商標と外観において相紛れるおそれがある。 イ 称呼上の類否 本件商標と引用商標は、需要者の注意を惹くその前半部分の称呼「アバ」が共通している。また、後半部分も「ダーム」と「ガード」も「ー」を共通にし、「ダ」と「ガ」とは母音を共通にする近似の音である。このように、本件商標と引用商標とは共通点及び近似の点が多いので、両商標をそれぞれ一連に称呼した場合、両者は全体の語感・音調において近似し、彼此聞き誤るおそれがあると言わなければならないから本件商標は、引用商標と称呼上類似のものとなる。 (2)商品の類似 引用商標の指定商品「外用滅菌用ローション状の薬剤、その他の薬剤」が本件商標の指定商品中「第5類 Drug delivery formulations」と同一又は類似することは明らかである。また、引用商標の指定商品中、皮膚に用いる薬剤と本件商標の第3類の指定商品とは実際には皮膚のケアという用途を共通にするものであった、今日ではドラッグストア等では同じ場所で販売されるものである。したがって、引用商標の指定商品中、皮膚に用いる薬剤と本件商標の第3類の指定商品とは類似するものといえる。 (3)まとめ 以上述べたことから明らかなように、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。 4 当審の判断 本件商標は、「AVADERM」の文字を書してなるところ、その構成文字に相応して、「アバダーム」の称呼を生じるものであり、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。 一方、引用商標は、「AVAGARD」の文字を表してなるところ、その構成文字に相応して、「アバガード」の称呼を生じるものであり、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。 そこで、本件商標と引用商標の類否について検討するに、両商標は、前記のとおりの構成よりなるから、前半部における「AVA」を共通にするものの後半部における「DERM」と「GARD」との顕著な差異により、外観上相紛れるおそれはないものである。称呼においては、本件商標より生ずる「アバダーム」の称呼と引用商標より生ずる「アバガード」の称呼とを比較すると、前半部の「アバ」の音を共通にするものの、後半部の「ダーム」と「ガード」の音において明らかな差異を有するものであるが両称呼は共に5音により構成され比較的短い音構成からなり、その5音のうち2音が相違するものであるから、該差異音が両称呼の全体に及ぼす影響は大きいものといえ、それぞれを一連に称呼するときには、その音調、音感が異なり、両者は十分に聴別し得るものである。 さらに、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 その他、本件商標と引用商標とが類似するものというべき理由は見あたらない。 なお、請求人は、引用商標の指定商品中「皮膚に用いる薬剤」と本件商標の第3類の指定商品とは実際には皮膚のケアという用途を共通にするものであり、ドラッグストア等の同じ場所で販売されるものであるから、それらの商品が類似するものである旨主張している。 しかしながら、本件商標の指定商品中「skin lotions and creams.(参考訳:皮膚用のローション(化粧水))」と引用商標の指定商品「外用滅菌用ローション(水薬)」は、いずれもドラッグストア等で販売されているとしても、両者は、販売コーナーを異にするものであり、それぞれの生産部門、販売部門、流通経路、原材料、品質及び用途を異にする非類似の商品である。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2012-01-26 |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X0305)
T 1 651・ 261- Y (X0305) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 佐藤 松江、吉澤 拓也 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
大島 康浩 瀧本 佐代子 |
登録日 | 2009-12-14 |
権利者 | LABORATORY SKIN CARE, INC. |
商標の称呼 | アバダーム、アバデルム |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 青木 篤 |