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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1253710 
異議申立番号 異議2011-900306 
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-08-24 
確定日 2012-03-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5414178号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5414178号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5414178号商標(以下「本件商標」という。)は、「AVA」の文字を標準文字で表示してなり、平成22年5月19日に登録出願、第9類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成23年4月21日に登録査定、同年5月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のアないしオのとおりであり、現に有効に存続しているものである。
ア 登録第4359456号商標(以下「引用商標1」という。)は、「JAVA」の文字を書してなり、1995年2月7日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成7年7月31日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成12年2月4日に設定登録されたものである。
イ 登録第4172643号商標は、「JAVAPC」 の文字を標準文字で表示してなり、平成9年4月2日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成10年7月31日に設定登録されたものである。
ウ 登録第4371757号商標は、別掲に示す構成からなり、平成9年5月28日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成12年3月31日に設定登録されたものである。
エ 登録第4203039号商標は、「JAVAONE」の文字を書してなり、1996年2月20日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成8年8月20日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成10年10月23日に設定登録されたものである。
オ 登録第4274700号商標は、「JAVASOFT」の文字を書してなり、平成8年7月5日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成11年5月21日に設定登録されたものである。
なお、これらを併せて、以下「引用各商標」ということがある。
(2)理由の要点
本件商標は、下記のアあるいはイにより、その登録を取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第15号違反
引用商標1は、申立人の業務に係る商品・役務を表示するものとして、需要者の間で著名となっている。
また、本件商標は、引用商標1の構成要素である「AVA」からなるものであるから、外観上類似しており、さらに、本件商標の商標権者はコンピュータプログラムを利用するゲーム関連の会社であるから、申立人の業務と共通性を有している。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品・役務と混同を生じるおそれがある商標に該当する。
イ 商標法第4条第1項第11号違反
引用各商標の識別性を有する部分は、「JAVA」にあるから、該文字と本件商標「AVA」とは外観上極めて紛らわしい類似の商標であり、また、本件商標の指定商品・役務は、引用各商標の指定商品・役務と共通するものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標1の類否について
本件商標は、「AVA」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「エイブイエイ」あるいは「アバ」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じさせない造語として看取されるものである。
他方、引用商標1は、「JAVA」の文字からなるものであるところ、「J」「A」「V」「A」の各文字が同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって一連一体に表されたものであり、これをいずれかの部分で分離、抽出し、当該部分をもって取引に資されるとみるべき特段の理由は見いだせないものであるから、その構成文字に相応して「ジャバ」の称呼を生じるものである。
しかして、本件商標と引用商標1の称呼を比較するに、本件商標から生ずる「エイブイエイ」と引用商標1から生ずる「ジャバ」とは、構成音数及び各構成音が明らかに相違するものであるから、相紛れることなく判然と区別し得るものである。また、「アバ」と「ジャバ」にしても、語頭の「ア」と「ジャ」の相違が、共に2音と極めて短い称呼全体に与える影響は大きく、十分に聴別し得るものである。
さらに、本件商標と引用商標1の外観構成をみると、「AVA」の文字からなる本件商標と、「JAVA」の文字からなる引用商標1とは、構成文字数が相違する上、語頭に位置する「J」の文字の有無が外観に与える影響は大きく、比較的簡素な構成であることと相まって、これらの差異によって明らかに異なる印象を与えるものとなっているから、対比した場合はもとより、時と処を異にした場合においても、外観上相紛れるおそれはないというのが相当である。
さらに、本件商標と引用商標1とは、観念について比較できないものであるから、観念上相紛れるおそれはない。
イ 本件商標と引用商標1以外の引用各商標(以下「他の引用各商標」という。)の類否について
本件商標は、前記したとおり、「エイブイエイ」あるいは「アバ」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じさせない造語として看取されるものである。
他方、他の引用各商標は、「JAVAPC」「JAVAONE」「JAVASOFT」の文字からなるもの及び「JAVA Powered」の文字を含む別掲の構成からなるものであるから、それぞれ「ジャバピーシー」「ジャバワン」「ジャバソフト」「ジャバパワード」及び「ジャバ」の称呼を生じるものである。
しかして、本件商標と他の引用各商標の称呼を比較するに、本件商標の上記称呼と他の引用各商標の上記称呼とは、構成音数の相違及び相違する各音の音質の相違により、いずれも彼此相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と他の引用各商標は、それぞれの構成に照らし、外観構成において明らかに相違するものであるから、外観上相紛れるおそれはないものであり、さらに、両者は観念について比較できないものであるから、観念上相紛れるおそれはない。
ウ 小括
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用各商標に類似する商標と判断することはできないものであるから、指定商品及び指定役務の類否について論及するまでもなく、引用各商標をもって、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠によれば、引用商標1及び「Java」(以下「使用商標」という。)は、プログラム言語を表す標章として広く知られているものと認められる。
しかしながら、本件商標が引用商標1に類似する商標と認められないことは前記のとおりであり、さらに本件商標と使用商標とを関連付けてみるべき格別の理由は見いだせないから、結局、両者は別異の出所を表示するものとして看取されるといわざるを得ないものである。
してみれば、本件商標をその指定商品・指定役務に使用した場合、需要者が使用商標を想起し連想して、当該商品・役務を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品・役務であるかの如く誤信するとは認め難く、商品・役務の出所について混同するおそれはないと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するということはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(登録第4371757号商標)


異議決定日 2012-02-23 
出願番号 商願2010-39266(T2010-39266) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X09)
T 1 651・ 271- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 敬規矢澤 一幸 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 鈴木 修
小川 きみえ
登録日 2011-05-27 
登録番号 商標登録第5414178号(T5414178) 
権利者 ネオウィズ ゲームス カンパニー リミテッド
商標の称呼 アバ、エイブイエイ 
代理人 高橋 雅和 
代理人 鈴木 康仁 
代理人 小林 浩 
代理人 瀧澤 文 
代理人 高橋 友和 
代理人 高橋 剛 

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