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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X44 |
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管理番号 | 1253700 |
異議申立番号 | 異議2011-900251 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-07-19 |
確定日 | 2012-01-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5404903号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5404903号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5404903号商標(以下「本件商標」という。)は、「SERENO」の文字を標準文字で表してなり、平成22年10月18日に登録出願、第44類「いびき及び睡眠時無呼吸障害の治療並びにこれに関する情報の提供,健康管理に関する指導及び助言,健康管理に関する情報の提供,医業,医療情報の提供,健康診断,調剤」を指定役務として、同23年4月8日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標登録は以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)国際登録第918929号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MERCK SERONO」の欧文字を横書きしてなり、2006年(平成18年)11月21日に国際商標登録出願、第1類ないし第3類、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類、第42類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年8月22日に設定登録されたものである。 (2)登録第5114507号商標(以下「引用商標2」という。)は、「メルクセローノ」の文字を標準文字で表してなり、平成19年2月13日に登録出願、第1類ないし第3類、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年2月29日に設定登録されたものである。 (3)国際登録第953051号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2008年(平成20年)1月15日に国際商標登録出願、第5類、第41類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年12月12日に設定登録されたものである。 (以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という場合がある。) 3 登録異議の申立ての理由の要点 本件商標は、引用商標と称呼において相紛らわしい類似の商標であり、また、その指定役務も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「SERENO」の欧文字からなるところ、該文字は、例えば、「小学館 西和中辞典」(株式会社小学館発行)によれば、「セレノ」と発音し、「澄みきった、平静な」などの意味を有する語として掲載されているものの、我が国におけるスペイン語の普及の程度に照らせば、看者をして、直ちに該スペイン語を表したものと理解するとはいい難く、むしろ特定の読み及び意味を有することのない一種の造語からなるものとして看取、把握するとみるのが相当である。 そして、上記のような欧文字からなる造語にあっては、これに接する者をして、我が国において最も普及している英語の読みに倣って発音する場合も決して少なくないというのが相当である。 そうとすると、本件商標は、その構成文字に相応する「セレノ」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生ずることのない造語からなるものである。 (2)引用商標 ア 引用商標1は、「MERCK SERONO」の欧文字を横書きしてなるところ、該「MERCK」と「SERONO」の各語の間には半文字程度の間隔があるとしても、その構成各文字は、同一の書体及び大きさをもって、視覚的にまとまりよく表されており、また、その構成文字全体から生ずると認められる「メルクセローノ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そうとすると、かかる構成からなる引用商標1は、その構成全体をもって一連一体の標章を構成するものとみるのが相当であり、また、たとえ、申立人が主張するように、その構成中の「MERCK」の文字が化学品・医薬品の総合メーカーとして周知・著名なものであるとしても、そのことから「MERCK」の文字部分が着目されるとはいい得るものの、直ちに「SERONO」の文字部分が分離・抽出され、独立して自他役務の識別標識として機能し得るとまではいい難い。 そして、申立人の提出に係る証拠のいずれを見ても、該「SERONO」の文字が独立して自他役務の識別標識として機能し得ることを認めるに足る事実は見いだし得ない。 してみれば、引用商標1は、その構成全体をもって親しまれた既成の観念を有しない一種の造語からなるものと認識し、理解されるというべきであり、「メルクセローノ」の一連の称呼のみを生ずるものというのが相当である。 イ 引用商標2は、「メルクセローノ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成各文字は、同一の書体及び大きさをもって、等間隔にまとまりよく一体的に表されており、また、その構成文字全体から生ずると認められる「メルクセローノ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そうとすると、引用商標2は、その構成全体をもって一連一体の標章を構成するものとみるのが相当であり、また、たとえ、申立人が主張するように、その構成中の「メルク」の文字が化学品・医薬品の総合メーカーとして周知・著名なものであるとしても、引用商標1における場合と同様に、「セローノ」の文字が独立して自他役務の識別標識として機能し得るとまではいい難く、また、それを認めるに足る事実も見いだし得ない。 してみれば、引用商標2は、その構成全体をもって親しまれた既成の観念を有しない一種の造語からなるものと認識し、理解されるというべきであり、「メルクセローノ」の一連の称呼のみを生ずるものというのが相当である。 ウ 引用商標3は、別掲のとおり、「MERCK SERONO ONCOLOGY-」の欧文字と「COMBINATION IS KEY」の欧文字とを上下2段に表してなるところ、その構成各文字は、同一の書体及び大きさをもって表されているものである。 そして、その構成文字全体から生ずると認められる「メルクセローノオンコロジーコンビネーションイズキー」の称呼は、冗長なものであり、また、上段の末尾に、英文などで合成度の浅い複合語の連結や1語が行末までに収まりきれず2行にまたがる時のつなぎなどとして用いる「-」(ハイフン)が付されていることから、少なくとも上段の「ONCOLOGY」と下段冒頭の「COMBINATION」とは一連一体のものとして認識され得ることに加え、これに続く「IS KEY」が「・・・が重要である」程の意味合いを容易に理解させる英語であって、これらを組み合わせてなる「ONCOLOGY-COMBINATION IS KEY」の欧文字全体から「腫瘍学の連携が重要である」程のある程度まとまりのある意味合いが認識され得ることをも併せ考慮すれば、引用商標3は、その前半部の「MERCK SERONO」の文字部分と後半部の「ONCOLOGY-COMBINATION IS KEY」の文字部分との組合せからなる標章として認識される場合も決して少なくないというのが相当である。 そうとすると、引用商標3は、その構成中の「MERCK SERONO」の文字部分が分離・抽出されるとはいい得るものの、該「MERCK SERONO」の文字は、引用商標1と同一の文字構成からなるものであり、引用商標1における場合と同様に、その構成中の「SERONO」の文字が独立して自他役務の識別標識として機能し得るとまではいい難く、また、それを認めるに足る事実も見いだし得ない。 してみれば、引用商標3は、その構成中の「MERCK SERONO」の文字部分が独立して自他役務の識別標識として機能し得ることから、その構成文字全体に相応する「メルクセローノオンコロジーコンビネーションイズキー」の称呼を生ずるほか、該「MERCK SERONO」の文字に相応する「メルクセローノ」の称呼をも生ずるものであり、また、観念については、その構成文字全体又は該「MERCK SERONO」の文字のいずれもが親しまれた既成の観念を有しない一種の造語からなるものと認識し、理解されるというべきである。 (3)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標と引用商標とは、上記(1)及び(2)のとおり、その文字構成において明らかな差異を有するものであるから、外観上、これらが互いに紛れるおそれはない。 また、本件商標からは「セレノ」の称呼を生ずる一方、引用商標からは「メルクセローノ」の称呼(引用商標3については、「メルクセローノオンコロジーコンビネーションイズキー」の称呼をも生ずる。)を生ずるところ、両称呼は、その音構成において明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼した場合には、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはない。 さらに、上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生ずることのない造語からなるものと認められるから、観念上、これらを比較することはできない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 引用商標3(国際登録第953051号商標) |
異議決定日 | 2012-01-06 |
出願番号 | 商願2010-80968(T2010-80968) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X44)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 石戸 円、和田 恵美 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 田中 敬規 |
登録日 | 2011-04-08 |
登録番号 | 商標登録第5404903号(T5404903) |
権利者 | スノーリング ソリューションズ ホールディングス リミテッド ライアビリティ カンパニー |
商標の称呼 | セレーノ、セレノ |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 加藤 義明 |
代理人 | 山崎 和香子 |