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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X10 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X10 |
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管理番号 | 1253594 |
審判番号 | 不服2011-10687 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-05-23 |
確定日 | 2012-03-23 |
事件の表示 | 商願2010-53206拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「INNOVA」の欧文字を標準文字で表してなり、第10類「医療用ステント,その他の医療用機械器具,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),医療用手袋,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、2010年1月7日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成22年7月6日に登録出願されたものである。 その後、指定商品については、原審における同23年1月25日付け及び当審における同年5月23日付けの手続補正書により補正されて、最終的に、第10類「医療用ステント」となったものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1023930号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2009年3月4日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成21年)7月28日に国際商標登録出願され、第5類「Composite materials for dental and dental technical purposes, material for stopping teeth, dental wax.」及び第10類「Artificial teeth, in particular teeth made of plastic and porcelain; dental apparatus and instruments.」を指定商品として、平成23年3月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、「INNOVA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に記載のない語であり、特定の親しまれた既成の観念を有するものではないから、特定の観念を有しない一種の造語と理解、認識させるとみるのが相当であり、本願商標からは特定の観念は生じないものである。 そして、一般的には、特定の意味合い又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みをもって称呼するとみられるところ、我が国において一般に親しまれた英語の「INNOVATION」を「イノベーション」、「INNOCENCE」を「イノセンス」、「NOVA」を「ノバ」と発音する例に倣い、本願商標からは、英語読み風の「イノバ」の称呼を生ずると判断するのが相当である。 他方、引用商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、「IN」と「NOVA」の欧文字を一文字分程度のスペースを設けて「IN NOVA」と表していることから、引用商標は、外観上、「IN」と「NOVA」の欧文字2語からなるものと看取されるとみるのが自然である。 そして、その構成中の「IN」の欧文字が、「?の中に」の意味を有し、「イン」の称呼で親しまれた英語の前置詞であり、当該語の後に他の語を伴って語句を形成する用法で使用されている語であること、また、「NOVA」の欧文字が「新星」の意味を有する英語であり、「ノバ」との称呼で親しまれていることからすると、引用商標は、その構成文字全体から、「新星の中に」の観念を生じ、「インノバ」の称呼が生じる。 そこで、本願商標と引用商標との類否について判断するに、両商標は、それぞれ前記のとおりの構成からなり、両者を構成する欧文字をすべて同じくするものではあるが、前記のとおり、本願商標が「INNOVA」の欧文字1語からなる一方、引用商標が「IN」の欧文字と「NOVA」の欧文字の2語からなるものと看取されることよりすれば、両者は異なる文字からなるものとして認識し把握され、取引者、需要者に異なった印象を与えるものといえるから、両者は、外観上充分に区別し得るといえる。 次に、称呼においてみると、本願商標から生ずる「イノバ」の称呼と引用商標から生ずる「インノバ」の称呼とは、中間音における「ン」の音の有無の差異を有するものであるところ、前者は、「INNOVA」の1語からなるものであることから、当該語の語頭音である「イ」の音を強調して「イノバ」と称呼される一方、後者は、「IN」と「NOVA」の2語からなるものと看取されることから、両語の語頭音である「イ」の音と「ノ」の音を強調し「イン」と「ノバ」と明瞭に区切って称呼される。 しかも、前者が3音、後者が4音といういずれも短い音構成からなるものであることよりすれば、中間音における「ン」の音の有無という差異が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さなものとはいえない。 そうすると、本願商標と引用商標とをそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調において相違し、称呼上相紛れるおそれはないものというべきである。 さらに、観念においては、前記のとおり、本願商標が特定の観念を有しない造語であるのに対して、引用商標が「新星の中に」の観念を有するものであるから、両商標は、観念上相紛れるおそれはない。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (引用商標) ![]() |
審決日 | 2012-03-07 |
出願番号 | 商願2010-53206(T2010-53206) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(X10)
T 1 8・ 262- WY (X10) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 青野 紀子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 池田 佐代子 |
商標の称呼 | イノーバ、イノバ |
代理人 | 恩田 誠 |
代理人 | 恩田 博宣 |