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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X09
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X09
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X09
管理番号 1253591 
審判番号 不服2011-11979 
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-06 
確定日 2012-03-13 
事件の表示 商願2009-98905拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Quattron」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池,電線及びケーブル,配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、平成21年12月29日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、当審における同23年8月31日付け手続補正書により、第9類「液晶テレビジョン受像機,液晶パネル,液晶モジュール」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2700161号商標(以下「引用商標1」という。)は、「QUOTRON」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年11月24日登録出願、第11類「電子計算機〔中央処理装置およびその周辺機器(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気デイスク、磁気テ-プを含む)〕、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成6年11月30日に設定登録され、その後、同16年12月7日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第2700162号商標(以下「引用商標2」という。)は、「QUOTRON 800」の欧文字及びアラビア数字を横書きしてなり、昭和62年11月24日登録出願、第11類「電子計算機〔中央処理装置およびその周辺機器(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気デイスク、磁気テ-プを含む)〕、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成6年11月30日に設定登録され、その後、同16年12月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同18年2月8日に指定商品を第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第2700163号商標(以下「引用商標3」という。)は、「QUOTRON 1000」の欧文字及びアラビア数字を横書きしてなり、昭和62年11月24日登録出願、第11類「電子計算機〔中央処理装置およびその周辺機器(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気デイスク、磁気テ?プを含む)〕その他本類に属する商品」を指定商品として、平成6年11月30日に設定登録され、その後、同16年12月7日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)国際登録第746364号商標(以下「引用商標4」という。)は、「Quattro」の欧文字を横書きしてなり、2000年(平成12年)10月27日に国際商標登録出願、第7類及び第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成14年1月11日に設定登録され、その後、同22年11月18日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、「Quattron」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として認識されるものであり、かかる場合には我が国で親しまれた英語の発音に倣って称呼されるというのが相当である。
そうとすると、例えば、「quattrocento」が「クワトロチェント」と発音され、「electron」が「エレクトロン」と発音される(「小学館ランダムハウス英和大辞典」、株式会社小学館発行)ことに加え、我が国においては、「qua」の文字つづりについて、例えば、「aqua」が、「アクア」と発音される(「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」、株式会社三省堂発行)場合もあることに照らせば、上記文字つづりからなる本願商標は、「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼を生じ、また、特定の観念を生ずることはないものというのが相当である。
(2)引用商標
ア 引用商標1ないし引用商標3
引用商標1ないし引用商標3は、前記2の(1)ないし(3)のとおり、「QUOTRON」の欧文字を共通にするものであって、さらに、引用商標2及び引用商標3については、各々、該欧文字と1文字程度の間隔を空けて、「800」又は「1000」の数字を書してなるものであるところ、該数字部分は、いずれも商品の品番等を表示するための記号、符号の一類型として看取、把握されるといえるものである。
そうとすると、引用商標1ないし引用商標3において、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るのは、「QUOTRON」の文字であるといえるところ、該文字は、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として認識されるものであるから、その称呼については、本願商標における場合と同様に、英語の発音に倣うというのが相当であり、例えば、「quotation」が「クォーテーション」と発音される(前出「小学館ランダムハウス英和大辞典」)ことに照らせば、引用商標1ないし引用商標3は、いずれも「クォートロン」の称呼を生じ、また、特定の観念を生ずることはないものというのが相当である。
イ 引用商標4
引用商標4は、前記2の(4)のとおり、「Quattro」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、例えば、「伊和中辞典 第2版」(株式会社小学館発行)によれば、数字の「4」を意味する語として掲載されているものの、我が国におけるイタリア語の普及の程度に照らせば、看者をして、直ちに該イタリア語を表したものと理解するとはいい難く、むしろ特定の意味を有することのない一種の造語からなるものとして看取、把握されるとみるのが相当である。
そうとすると、上記文字つづりからなる引用商標4は、本願商標における場合と同様に、英語の発音に倣い、その構成文字に相応する「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼を生じ、また、特定の観念を生ずることはないものというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否判断
ア 本願商標と引用商標1ないし引用商標3との類否について
本願商標と引用商標1ないし引用商標3とは、各々、前記1及び前記2の(1)ないし(3)のとおりの構成からなるものであり、その文字構成や数字の有無等の差異を有するものであるから、外観上、相紛れるおそれのないものである。
また、本願商標から生ずる「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼と引用商標1ないし引用商標3から生ずる「クォートロン」の称呼とを比較すると、両称呼は、語頭音及び第2音において、前者が「クワ」又は「クア」の音であるのに対し、後者は「クォー」の音という差異があり、その音構成及び発音方法を明らかに異にするものであるから、該差異音がその称呼全体に与える影響は少なくなく、それぞれを一連に称呼した場合には、その語調・語感が異なり、十分に聴別し得るものである。
さらに、本願商標及び引用商標1ないし引用商標3とは、上記のとおり、いずれも特定の観念を生ずることのないものであるから、観念において、これらを比較することはできない。
してみれば、本願商標と引用商標1ないし引用商標3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
イ 本願商標と引用商標4との類否について
本願商標と引用商標4とは、前記1及び前記2の(4)のとおりの構成からなるところ、前者が8文字、後者が7文字の欧文字をもって表されているものであって、その構成全体を看取するのに特段の困難を伴うものともいえないことからすれば、両者の比較において存する「n」の文字の有無という差異は、看者をして、容易に認識されるといえるから、外観上、これらが紛れるおそれはないというべきである。
次に、本願商標から生ずる「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼と引用商標4から生ずる「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼とを比較するに、まず、「クワトロン」と「クワトロ」の称呼及び「クアトロン」と「クアトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音「ン」の有無という差異があり、「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼が、該撥音を伴うことにより、その前音「ロ」が強調され、全体として抑揚あるように発音されるのに対し、「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼は、特にいずれかの音にアクセントがあるとはいえず、全体が平坦に発音されることから、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感において、少なからず差異があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれはないというのが相当である。また、「クワトロン」と「クアトロ」の称呼及び「クアトロン」と「クワトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音「ン」の有無という差異があることに加え、第2音において、「ワ」と「ア」の音の差異があり、後者の音の差異についてみても、その調音の位置や方法を少なからず異にするものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、先にした比較よりも一層、差異があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれはないというのが相当である。
さらに、本願商標及び引用商標4とは、上記のとおり、いずれも特定の観念を生ずることのないものであるから、観念において、これらを比較することはできない。
してみれば、本願商標と引用商標4とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは、いずれの場合においても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本願商標と引用商標が類似するものとして本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2012-02-29 
出願番号 商願2009-98905(T2009-98905) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X09)
T 1 8・ 261- WY (X09)
T 1 8・ 263- WY (X09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高橋 幸志豊田 緋呂子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 山田 和彦
田中 敬規
商標の称呼 クアトロン、クワトロン、クオトロン 
代理人 特許業務法人原謙三国際特許事務所 

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