• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X25
管理番号 1253576 
審判番号 不服2011-9434 
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-05-04 
確定日 2012-02-24 
事件の表示 商願2010- 75876拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「PERTEX」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年4月22日に登録出願された商願2010-32300を原出願とする商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年9月28日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4338192号商標(以下「引用商標」という。)は、「Vertex」の欧文字を横書きしてなり、平成11年3月5日に登録出願、第28類「キャデーバック,クラブ,その他のゴルフ用具」を指定商品として、同年11月26日に設定登録され、その後、同21年7月7日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、「PERTEX」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「パーテックス」の称呼を生ずるものである。そして、該語は、特定の意味合いを有する成語ではないから、観念は生じないものである。
他方、引用商標は、「Vertex」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「バーテックス」の称呼を生ずるものである。そして、該語は、「頂点,頂上,絶頂,頂」(プログレッシブ英和中辞典:小学館)の意味を有する英語であるものの、我が国において一般に親しまれた語ということはできないものであって、直ちにその意味を理解させるものではないから、一種の造語として認識され、特定の観念は生じないものである。
そこで、本願商標から生ずる「パーテックス」の称呼と、引用商標から生ずる「バーテックス」の称呼とを比較するに、これらは共に長音を含む5音からなるところ、5音中、第2音以降の「ー」「テッ」「ク」「ス」の4音を共通にし、語頭における「パ」と「バ」の音に差異を有するものである。
しかして、この差異音である「パ」と「バ」は、「パ」の音が、両唇を合わせて破裂させる無声子音「p」と母音「a」との結合した音であるのに対して、「バ」の音が、両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「a」との結合した音であることから、両者は子音において、無声子音「p」と有声子音「b」という相違があるのみで、いずれも両唇を合わせた破裂音であって、母音「ア(a)」を共通にする「ハ」の半濁音と濁音という近似した音の関係にあり、しかも、促音を伴う中間の「テッ」の音の部分が比較的強く発音されることも併せ考慮すれば、たとえ、称呼を識別する上で重要な要素を占めることが多い語頭音に差異を有するとしても、その差異がこれらの称呼全体に与える影響は決して大きいとはいえないことから、これらを一連に称呼するときは、全体として、語調、語感が極めて近似したものとなり、称呼上互いに相紛れるおそれがあるものというべきである。
そして、本願商標と引用商標との外観について比較するに、両者は、外観上区別し得るものである。
また、観念においては、両者は、共に観念を生じないものであるから、比較することはできない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、称呼において相紛らわしいものであるから、両者は、称呼上類似の商標と認められるものであり、かつ、本願商標の指定商品中には、引用商標の指定商品と類似の商品が含まれているものである。

(2)請求人の主張について
請求人は、語頭において「パ」の音と「バ」の音という称呼上の差異を有する過去の併存する登録例及び本願商標に係る海外における商標登録例(甲第1号証)を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人が挙げる過去の併存する登録例は、対比する商標の構成態様等が本願商標とは異なるものであり、また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別、具体的に判断すべきものであるから、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
そして、諸外国における登録例については、それらの判断の基準や判断過程及び根拠が明らかではない上に、諸外国の商標の登録制度と我が国のそれとが同一のものと解釈しなければならない事情が存するものとは認められないものであるから、本願商標の登録の許否は、我が国商標法の登録の要件に基づいて判断すべきである。
そうとすれば、請求人の上記主張は採用することはできない。
さらに、請求人は、「本願商標は国内外で使用された結果、本願指定商品の分野において、需要者、取引者の間で既に周知となっているから、本願商標と引用商標との間で誤認混同を生じることはない。」旨主張している。
しかしながら、提出された資料を徴するも、本願商標が、国内外で使用されていることは認められるものの、その分野は、いわゆる繊維製品に関するものであって、本願の指定商品と同一のものとは認め難いものであり、また、本願商標が、我が国の需要者、取引者の間に周知となっているとまで認めることはできない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。

(3)まとめ
以上によれば、本願商標が同法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであるから、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
審理終結日 2011-11-09 
結審通知日 2011-12-02 
審決日 2011-12-13 
出願番号 商願2010-75876(T2010-75876) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩本 和雄白鳥 幹周 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
高橋 謙司
商標の称呼 パーテックス、ペルテックス 
代理人 市原 俊一 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ