• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 X30
管理番号 1253548 
審判番号 不服2011-18398 
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-08-25 
確定日 2012-03-12 
事件の表示 商願2010- 15919拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年3月3日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、当審における平成23年9月27日付け手続補正書により、第30類「冷凍炒飯」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、炒飯の料理例と容易に認識される写真中に『本格炒め』の文字と『炒飯』の文字を上下二段に白抜きにし、影等を付してなるところ、構成中の『本格』の文字は、『もとからの正しい法式』等の意味を有するものであり、飲食料品を取り扱う業界においても、『本格○○(調理方法・料理名等)』の文字が『本格的な調理方法でつくられた商品、本格的な味の商品』等であることを表す誇称表示として、一般に使用されている実情がある。さらに、この程度の『肉太の書体、白抜きした文字、影を付した文字、大小の文字、商品の調理例の写真』等、また、これらを組み合わせた表現方法は、文字を強調するために通常行われている表現方法のひとつにすぎず、需要者の注意を格別に引くものとは認められない。そうとすれば、本願商標をその指定商品『冷凍炒飯,その他の炒飯』に使用しても、全体として『本格的に炒めた炒飯』程の意味合いを表したもの、あるいはそれを強調して表示したものと理解するにとどまり、何人の業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり赤色の長方形内に、中華鍋で調理している炒飯の写真を背景に、「本格炒め」及び「炒飯」の文字を袋文字風の書体で上下二段にし、かつ、文字部分全体を黒色で縁取りにして表してなるものである。
そして、構成中の「本格炒め」の「本格」の文字部分は、「根本の格式。もとからの正しい方式。」ほどの意味を有し、また、「炒め」の文字部分は、「食品を少量の油を使って加熱・調理する。」を意味するものであるところ、食品の分野において、「本格」及び「炒め」の文字は、例えば、「本格レバニラ炒め」、「本格的なXO醤海鮮炒め」、「本格派のスパイシーカレー炒め」などのように、「本格」の文字に「料理名(○○炒め)」等を結合させ、「本格的な調理方法・味の炒め物」を表示している事実が認められるところである。
そうすると、構成中の「本格炒め」及び「炒飯」の文字部分は、「本格的に炒めた炒飯」ほどの意味合いが理解されるものであり、該文字部分と炒飯の写真からなる本願商標は、「本格的に炒めた炒飯」の意味合いを認識するにすぎないものである。
しかしながら、請求人の提出した証拠によれば、請求人は、2001年3月から「本格炒め炒飯」の文字からなる商標(甲第2号証ないし甲第93号証、甲第95号証及び甲第96号証)を使用した冷凍炒飯(以下「請求人商品」という。)の販売を開始し、現在も継続的に販売されているものである。
そして、2001年の販売開始後、年間40億円を超える売上げがあり(甲第59号証)、2009年についてみても、その売上高は、5,000百万円(シェア 14.2%)である(甲第71号証)。
また、2002年11月ないし2011年8月まで(2004年5月については提出されていない。)の冷凍米飯加工品の月間売上げランキングでは、そのほとんどが1位または2位であることが認められる(甲第60号証ないし甲第68号証、甲第95号証及び甲第96号証)。
さらに、この間、「本格炒め炒飯」の文字を使用した請求人商品の広告宣伝については、新聞、雑誌をはじめ、テレビCMも全国放映するなど大規模に行ってきたことが認められる(甲第88号証他)。
そうとすれば、「本格炒め炒飯」の文字は、請求人の取扱いに係る商品「冷凍炒飯」に継続的に使用したこと及び前記商品の販売実績等を考慮すれば、その取引者、需要者をして請求人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識され、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そして、本願商標は、中華鍋で調理している炒飯の写真を背景に、「本格炒め炒飯」の文字を大きく顕著に表してなるものであるから、本願商標についても、その取引者、需要者をして請求人の業務に係る商品であることを十分に認識することができるものというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消を免れない。
その他、政令で定める期間内に本願についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(本願商標)


(色彩については原本参照)



審決日 2012-02-24 
出願番号 商願2010-15919(T2010-15919) 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (X30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 大島 康浩
瀧本 佐代子
商標の称呼 ホンカクイタメチャーハン、ホンカクイタメ 
代理人 潮崎 宗 
代理人 幡 茂良 
代理人 橋本 良樹 
代理人 小出 俊實 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 石川 義雄 
代理人 吉田 親司 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ