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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X35 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X35 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X35 |
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管理番号 | 1253541 |
審判番号 | 不服2010-6747 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-04-01 |
確定日 | 2012-03-07 |
事件の表示 | 商願2008-33130拒絶査定不服審判事件についてした,平成23年3月2日にした審決に対し,知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成23年(行ケ)第10135号,平成23年12月26日判決言渡)があったので,さらに審理の上,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲1に示すとおりの構成からなり,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,平成19年5月30日に登録出願された商願2007-54510号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,平成20年4月27日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が,商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(4)のとおりであり(以下まとめていう場合は,「引用商標」という。),現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1696965号商標(以下「引用商標1」という。) 「MIRABELL」の欧文字と該文字に比べて小さく書された「ミラベル」の片仮名文字とを上下二段に書してなるものであり,昭和57年5月28日に登録出願,第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同59年6月21日に設定登録され,その後,2回にわたり存続期間の更新登録がされ,指定商品については,平成16年7月7日付けで,第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」に指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第1727596号商標(以下「引用商標2」という。) 別掲2のとおりの構成からなり,昭和54年5月28日に登録出願,第30類「菓子、パン」を指定商品として,同59年11月27日に設定登録され,その後,2回にわたり存続期間の更新登録がされ,指定商品については,平成17年4月6日付けで,第30類「菓子,パン」に指定商品の書換登録がされたものである。 (3)登録第2341239号商標(以下「引用商標3」という。) 「MIRABEL」の欧文字を書してなるものであり,昭和63年8月25日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成3年9月30日に設定登録され,その後,存続期間の更新登録がされ,指定商品については,同14年5月1日付けで,第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),食肉,卵,冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」に指定商品の書換登録がされたものである。 (4)登録第4989901号商標(以下「引用商標4」という。) 「MIRABELL」の欧文字を標準文字で表してなるものであり,平成17年10月24日に登録出願,第30類「菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,即席菓子のもと」を指定商品として,同18年9月22日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 本願商標は,別掲1のとおり,赤地の横長長方形の内部に,「スーパー」と「みらべる」の文字を上下2段に表してなるものである。 そして,下段の「みらべる」の文字は,上段の「スーパー」の文字に比してやや大きく表されており,また,いずれの文字も,それぞれの文字よりやや大きく中抜きされた部分に,黒色で表されている。 以上のとおりの構成・態様からなる本願商標は,その構成文字全体から,「スーパーミラベル」の称呼が生じ,「みらべる」は,特定の語義を有しない一種の造語と認められるから,全体としては特定の観念が生じないものといえる。 ところで,本願商標の構成中,「スーパー」の文字部分は,「超・・・」「上の」「より優れた」「スーパーマーケットの略」の意味を有する語(「広辞苑 第六版」株式会社岩波書店)であるところ,本願商標の指定役務との関係においては,「スーパーマーケットの略」として理解されることがあり,この場合,該文字部分は,役務の提供場所や業種・業態を表すにすぎない,自他役務の識別標識として機能しない部分といえる。 一方,「みらべる」の文字部分は,本願商標の指定役務の質などを表示するものではなく,自他役務の識別標識として十分に機能するから,本願商標は,該文字部分のみをもって取引に資されることも少なくないものといえる。 してみれば,本願商標は,「みらべる」の文字部分のみをもって取引に資される場合には,これより「ミラベル」の称呼が生じ,また,特定の観念が生じないものといえる。 次に,引用商標1は,「MIRABELL」及び「ミラベル」の文字を2段に横書きしてなるものであり,引用商標2は,別掲2のとおり,やや把握しづらいものの,「Mirabell」の文字を筆記体で表したものと理解されるものであり,引用商標3は「MIRABEL」の文字を,引用商標4は「MIRABELL」の文字を書してなるものであるから,引用商標は,その構成各文字から,いずれも「ミラベル」の称呼が生ずるものであり,これらの文字は,いずれも特定の語義を有しない一種の造語と認められるから,いずれも観念が生じない。 そこで,本願商標と引用商標を比較するに,その外観は,一見して判然と区別し得る顕著な差異を有する。 また,観念については,本願商標も引用商標も観念を生じないから,比較することができない。 さらに,称呼については,本願商標から「スーパーミラベル」の称呼が生ずる場合には,その称呼と引用商標から生ずる称呼(ミラベル)とは,「スーパー」の音を冒頭に有するか否かという顕著な差異を有するから,明確に聴別し得る。 そして,本願商標が,その構成中「みらべる」の文字部分のみをもって取引に資される場合には,本願商標と引用商標は,その称呼(ミラベル)を共通にすることとなる。 しかしながら,称呼を共通にするにしても,本願商標と引用商標の外観は,既に述べたとおり,一見して判然と区別し得る顕著な差異を有し,観念については,比較することができない。 そうすると,本願商標と引用商標は,その外観・称呼及び観念を総合的に勘案すれば,称呼が共通する場合があるとしても,外観において顕著な差異を有するものであるから,両者を,互いに類似の役務・商品に使用した際も,役務又は商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのない,非類似の商標というのが相当である。 以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標。色彩については,原本を参照されたい。)![]() 別掲2(引用商標2) ![]() |
審理終結日 | 2011-02-02 |
結審通知日 | 2011-02-16 |
審決日 | 2012-02-13 |
出願番号 | 商願2008-33130(T2008-33130) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X35)
T 1 8・ 263- WY (X35) T 1 8・ 261- WY (X35) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 深沢 美沙子 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
守屋 友宏 田中 亨子 |
商標の称呼 | スーパミラベル、ミラベル |
代理人 | 古志 達也 |