ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
不服201112656 | 審決 | 商標 |
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X09 |
---|---|
管理番号 | 1253537 |
審判番号 | 不服2011-9138 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-04-28 |
確定日 | 2012-03-09 |
事件の表示 | 商願2009-60808拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「GIRO」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「保護ヘルメット,運動用保護ヘルメット」を指定商品として、平成21年8月10日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2060385号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和59年1月5日に登録出願、第24類「運動具」を指定商品として、同63年7月22日に設定登録され、その後、平成4年9月14日に本権の分割移転がなされ、同10年8月11日及び同20年8月19日に商標権の存続期間の更新がなされ、さらに、同21年10月7日に指定商品を第9類「ウエイトベルト,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」並びに第6類、第8類、第18類ないし第22類、第25類、第27類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (2)登録第2443359号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和63年6月29日に登録出願、第9類「農業用機械器具、その他本類に属する商品、但し、冷凍機械器具を除く」を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録され、その後、平成14年8月20日に商標権の存続期間の更新がなされ、さらに、同16年11月10日に指定商品を第9類「保安用ヘルメット」のほか、第6類ないし第9類、第11類、第12類、第15類ないし第17類,第19類ないし第21類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (3)登録第4370427号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成11年5月6日に登録出願、第25類「履物,運動用特殊靴」を指定商品として、同年12年3月24日に設定登録され、その後、同21年11月24日に商標権の存続期間の更新がなされ、さらに、指定商品中、「運動用特殊靴」について商標登録を取り消すとの審決が確定し、その確定審決の登録が同23年10月17日にされているものである。 (4)登録第4466858号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成12年6月16日に登録出願、第25類「履物,運動用特殊靴」を指定商品として、同年13年4月13日に設定登録され、その後、同23年4月5日に商標権の存続期間の更新がなされ、さらに、指定商品中、「運動用特殊靴」について商標登録を取り消すとの審決が確定し、その確定審決の登録が同23年10月17日にされているものである。 (5)登録第4496798号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ジャイロ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成11年7月16日に登録出願、第28類「運動用具」を指定商品として、同13年8月3日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標3及び同4との類否 引用商標3及び同4の商標権は、前記2(3)及び(4)のとおり、商標登録原簿の記載によれば、指定商品の一部について商標登録を取り消す旨の審決が確定したものである。 その結果、本願の指定商品は、引用商標3及び同4の指定商品と類似しない商品となった。 これにより、本願商標は、引用商標3及び同4についての拒絶の理由が解消した。 (2)本願商標と引用商標1、同2及び同5との類否 ア 本願商標 本願商標は、前記1のとおり、「GIRO」の欧文字を標準文字で表してなるものである。 そして、「GIRO」の文字は、「(銀行などの)振替制度;(特に)郵便為替」(「グランドセンチュリー英和辞典」2008年12月20日第9刷 株式会社三省堂発行)との意味を有する英語であり、「ジャイロ」と読む成語であるとしても、該文字がかかる意味を有する語として我が国において一般に親しまれているとはいい難く、かつ、本願の指定商品に係る取引者、需要者においても、かかる意味を有する語として取引上普通に使用されて、親しまれているとみるべき特段の事情を見いだせないから、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものとみるのが自然である。 そうすると、一般的に、特定の意味又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みをもって称呼するとみられるところ、本願商標からは、英語読み風の「ジロ」「ギロ」「ジャイロ」の称呼を生じ得るとしても、本願商標である「GIRO」の文字は、本願の指定商品である「運動用保護ヘルメット」の分野において、世界中の自転車トップレーサーの多くが愛用する自転車用ヘルメットの商標として取引者、需要者に広く認知されており、また、「ジロ」との称呼をもって「運動用保護ヘルメット」が広く取引販売されているという取引の実情が認められることよりすれば、本願商標は、「ジロ」のみの称呼を生ずるものとするのが相当である。 イ 引用商標1 引用商標1は、別掲1のとおり、「ジロー」の片仮名と「GIRAUT」の欧文字を上下2段に横書きにて表してなるものである。 そして、その構成中の「GIRAUT」の文字は、辞書等に記載のない語であって、特定の意味を有しない一種の造語として認識されるものである。 また、その構成中の「ジロー」の片仮名部分は、当該商標全体の構成態様及び上段に位置する欧文字「GIRAUT」の文字綴りとを併せ見れば、該欧文字部分の読みを特定するものとして看取されるとみるのが自然である。 してみれば、引用商標1は、その構成文字に相応して、「ジロー」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。 ウ 引用商標2 引用商標2は、別掲2のとおり、「ジャイロ」の片仮名と「X」の欧文字一字とを半角程度の大きさのハイフン記号とで結合させてなる「ジャイロ-X」を太文字で横書きにて表してなるものであるところ、その構成中の「X」の文字部分は、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解、認識され得るものであるから、該商標は、その構成全体から生じる「ジャイロエックス」のほか、「ジャイロ」の文字部分に相応して、「ジャイロ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。 エ 引用商標5 引用商標5は、「ジャイロ」の片仮名を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ジャイロ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。 オ 本願商標と引用商標1、同2及び同5との類否 本願商標と引用商標1、同2及び同5との類否を検討するに、それらの構成は、前記1又は2のとおりであり、外観において、本願商標と引用各商標とは、顕著な差異を有するものであるから、外観上明らかに区別し得るものであり、また、観念において、両者は、共に特定の観念を有しない造語であるから、両者を比較することはできないものである。 次に、本願商標から生ずる「ジロ」の称呼と引用商標1から生ずる「ジロー」の称呼との比較においては、両者は、語尾における長音の有無の差異を有するものであり、また、本願商標から生ずる「ジロ」の称呼と引用商標2及び同5から生ずる「ジャイロ」の称呼との比較においては、両者は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭において「ジ」と「ジャ」の差異を有するものであり、本願商標が2音構成からなり、引用商標1、同2及び同5は3音構成からなるという比較的短い音構成にあっては、これらの差異が本願商標及び引用各商標の比較する両称呼の全体の語調、語感に与える影響は大きいといえるものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼したときは、彼此聞き誤るおそれはないというべきである。さらに、本願商標から生ずる「ジロ」の称呼と引用商標2から生ずる「ジャイロエックス」の称呼とは、明らかに聞き誤るおそれはない。 してみれば、本願商標と引用商標1、同2及び同5とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (3)まとめ 以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取り消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 引用商標1 2 引用商標2 3 引用商標3 4 引用商標4 |
審決日 | 2012-02-22 |
出願番号 | 商願2009-60808(T2009-60808) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X09)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎、豊田 緋呂子、高橋 幸志 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 池田 佐代子 |
商標の称呼 | ジロ |
代理人 | 恩田 誠 |
代理人 | 恩田 博宣 |